ツアーでペルー その34(4月27日)

ホテル裏の砂漠


5時起き。
空はまだ薄暗い。
前の晩中庭の隅で見かけた自転車に乗ってみる。ホテルの外に出る。
扉は閉まっていたが、勝手に開ける。
旅行者だろうか、モコモコと着込んだ白人の男性を見かける。
どこかで梟が鳴いている。
オアシスへと出て、Uの字の右側の小道を自転車に乗る。
体を動かすのは気持ちよくて、思わずフフーンと鼻歌も出る。
・・・が、端の方まで行って砂漠の近くまで来たら突然、
池のほとりから階段を上ってきた犬の群れが!
黒いペルー犬ばかり5匹はいただろうか、盛んに吠え立てて追いかけてくる。
パニック。まじでびびる。ツアーの最初の方にリマで聞いた狂犬病のことを思い出す。
こういうとき、スピードを上げて逃げようとしたら逆効果で
さらに激しく追い立ててくるのではないか。
そう考えた僕は思いきって自転車から降りて、押しながら歩き出す。
心臓がドキドキ鳴る中、ゆっくり歩く。
しばらく歩いていたら犬たちは1匹また1匹と消えていった・・・


自転車はもうこりごりとホテルに返しに行く。
僕が近づくと先ほどの男性が鍵を取り出してカチャカチャやって開ける。
この人はいったいなんだったのだろう?従業員じゃなさそうだけど。


空が明るくなってきて、もう一度外に出る。
F君と会ったので、一緒にオアシスを見に行った。犬の話をしたら笑われる。
池のほとりまで下りていく。
池はオアシスの天然の泉ではなくて、プールのように端の方から水をどんどん足していた。
こういうホテルの中にあるのだから当たり前か。
池は木々に囲まれていて、ボートが浮かんでいた。


砂漠まで歩いていく。
1人参加の初老の男性と3人で砂漠の山を登る。
僕が先頭に立ってヒョイヒョイと。
何の目的のためにあるのかわからないけど円形の建物があって、そこまで行って満足する。
その向こうはどこまでも砂漠。
振り返ってホテルの方を見る。かろうじてイカの街並みが遠くに見える。
こんな本格的な砂漠があるなんて・・・
サハラ砂漠の赤い砂とは違って、ここの砂は白っぽい茶色。
砂鉄を含んでところどころ紋様のように黒い線が浮き上がっている。


ふと見るとかなりはなれたところをツアーで一緒の女性の方が1人で砂山を上っていた。
(プーノのホテルで酸素を吸って、翌朝湖畔を1人で歩いているのを見かけた人です。
 この人もまた体力と好奇心がすごかった。この日、なんと3方向の山を往復したという・・・)
もう1人別の女性が現われて大声で何かを言い合って笑った後、2人でまた登り始めた。


オアシス沿いの別のホテルの壁に白いペンキで「オサマ・ビン・ラディン」の文字が。
観光客のいたずらなんだろな。消せばいいのに・・・


僕らはホテルに引き返し、僕は朝食のため食堂へ。
空いている席を見つけてツアーの居合わせた人たちに
砂漠を見てきた話をすると、みんな見に行きたがった。
人によってはもったいなことにオアシスの存在すら気付いていなかった!


ここのビュッフェのメニューには焼きそばがあって、
太くてふやけた麺で日本で食べたらNGなんだけど
こういう異国の地で久々に食べると妙においしかった。
この焼きそばばかり何回もお代わりして食べた。
テラスがあったので、外に出て、オアシスを眺めながらコーヒーを飲んだ。
見ると朝食を終えた人たちがどんどんオアシスから砂漠へと向かっている。
はしゃいで、写真を撮り合って。


ホテルの従業員が朝早くから掃除をしていた。
箒かと思ったら、なんかの木の枝に細い葉っぱが残っていたものだった。


食べ終えて、部屋の前のロッキンチェアーに座って靴と靴下を脱ぐ。
砂まみれ、砂だらけ。床の上にかなりの量の砂になった。


F君が隣の部屋で、角部屋。なんとスイートだった。中を見せてくれた。
寝室とは別の部屋があってとにかく広い。
部屋が足りなかったからかな。いいなあ。


荷物の整理をする。
余ったミネラルウォーターは部屋の中に進呈してきた。
ちょっとでも身軽になろうとあれこれ捨てる。
イスラ・エステベスから持ってきたスリッパも捨ててくる。


スーツケースを部屋の中に置いて、鞄を背負って、フロントに鍵を預ける。