川口浩探検隊 / Matthew Barney 「The Order」

昨日の夜は映画部の社内鑑賞会。2本立て。


・「川口浩探検隊」のDVD全集のうち、『原始猿人バーゴン』の回
・「The Order from Matthew Barney's Cremaster 3」


この2つ、考えられる限り最高に正反対の組み合わせ。
マシュー・バーニーってあれですよ。今のビョークの旦那。
(正しくは結婚してないかもしれない。「パートナー」という言い方はよくわからない)
こっちは僕が持ってったんだけど、川口浩は映画部の後輩が是非見ましょうと。


川口浩の探検隊って当時青森で放送されていただろうか?
というそもそも水曜スペシャルが。記憶に無いんだよなあ。
当時青森にテレ朝系列の局がなかったから放送されてなかったかもしれない。
とにかく、生まれて初めて見た。こういうものだったのか。


Wikipedia を参照すると、タイトルは
「謎の原始猿人バーゴンは実在した!パラワン島奥地絶壁洞穴に黒い野人を追え! 」
となっていて、放送日は1982年6月9日。
フィリピンの奥地までテレ朝のクルーと現地の人たちと総勢40名で探検するわけです。
で、川を上ったり罠に掛かったり、洞窟の中で岩が崩れたり、
上半身裸で水浴びする女族にいちいち遭遇しながら
最後はバーゴンを無事発見・捕獲してめでたし、めでたし。
最近の臨場感溢れるカメラぶれまくりで出演者叫びまくりのドキュメンタリーとは違って、
セリフは棒読み、だけどカメラは三脚に固定されていてきちんとカットが割られている。
ある意味見やすく、とても懐かしい。
無駄に上っ面のリアルさを追い求める今の映画やテレビは
何か大事なものを置き忘れてしまったのではないか?なーんて思った。


Wikipedia を見たら「やらせ問題」が発覚して終了みたいなことが書かれていたけど、
どこどう見たって終始やらせじゃん。これって。
目くじら立てることは無かったと思うけど。これ、教育上よくないんだろうか?
「奥地には未開人がいる」とかいうのが。しかもそれ、やらせでやってるっていうの。
でも、今時のバラエティー番組よりよっぽど健全だと思うよ。
現代に復活して、しょーもない特番を毎月繰り広げて欲しいものだ。一応ちゃんと嘘と銘打って。
隊長はピエール瀧がいいね。


あ、でも今調べたら藤岡弘で復活してた。


マシュー・バーニーは、ようわからんです。
センスいい芸術作品なのは嫌というほどよくわかるのですが、それ以上のことはお手上げです。
見ててずっと「いやーきれいな映像だねえ」と感心して、終わり。
グッゲンハイム美術館の螺旋状になった5階建ての各階を
独特の衣装に身を包んだマシュー・バーニーがよじ登っていく。
1階はアメリカ人のバニーガールたち。
2階は Agnostic Front と Murphy's Law 両ハードコアバンドの演奏と
パンクなオーディエンスとセキュリティ・スタッフ。
3階は両足が義足の女性ランナーが花嫁衣裳みたいなの着ていたり、豹に扮したり。
4階は象牙のような質感の大きな彫像と柱が転がっている。
5階はリチャード・セラという彫刻家が通路にワセリンを流している。
地階にビキニの下を履いて上は乳首を隠しただけの女性たちが泡風呂。
今書いていて「だから何よ?」って気がした。
言葉でなんか書いててもこれ、何にも伝わらない。
見てて、「これはこういうことを表しているのではないか?」と一応考えるんだけど、
わかりそうで全然わからない。
解釈不能、というか解釈不要。
詳しくは↓参照。
http://www.walkerplus.com/movie/report/report4386.html


これが現代アートの最前線なのか。
まいりました。