目が覚める

昨日の午後は普段のPJから離れて
事業部の「新規事業アイデア選考会」ってのに出席してた。
座って聞いてるのではなくて、どちらかと言えばスピーカーの側で。
本来の僕からすればこういうの「興味なし、素通り」だったんだろうけど、
先輩が一緒にやろうよと声を掛けてくれて、
5月に何回か打ち合わせしてパワーポイントの企画書を提出した。
ほぼ全部を先輩が書いて僕は多少意見を言うぐらいのもの。
それでも一応連名で提出することになった。
WEB2.0時代におけるコラボレーションとはどういうものになるか?」ってのがテーマ。


部長たちが集まってプレゼンを聞いて、優秀賞ってのを1つ決めることになっていた。
僕らが出したのはとっぴな内容かつ
スケジュールも予算感も何もない夢だけの企画書だったので受賞には至らず。
賞を取った企画はその辺きちんとしてて、
市場動向の調査と今後の予測だとか
その業界で働いている人へのヒアリングだとかぬかりなかった。
そしてそれ以上に「これを実現させたい」という熱意があった。


他の人たちのプレゼンを聞くのは興味深かった。
久々に会社で、仕事絡みで、「面白いなあ」「楽しいなあ」という気分になった。
部会をさぼってばかり、出てもぼけーっと座ってて他の事を考えていたこの僕が
手を挙げて質問までしていた。何回も。


僕がやりたかったのはこういうことなのだ、というのがはっきりとわかった。
目が覚めた。ようやく。
下請けの保守開発ばかりやってて腐ってるだけの毎日。
「日銭を稼ぐために仕方なくやってまーす」っていう態度で。
こんな状態から脱却したい、変わりたいと本気で思った。
嫌だからこのPJやめたい、ではなく、
こういうことを将来的にしたいから今はこういう仕事がしたいと言えるようになって、
周りからも認めてもらえるようになりたい。
転機だ。遂に来た。
お客さんからこういうの作ってくれと言われて「はあ」と請け負うのではなく、
そしてその目先のスケジュールや仕様やコストに汲々としてるのではなく、
やはり僕は自分たちで何かを考え、生み出していく、それを世に問うということを望んでいるのだ。


授賞式があって、懇親会。
「何かをつくろうよ」「何かやろうよ」ってことで熱くなる。結局終電。
(酔ってたので中央線を御茶ノ水で下りたり、東中野で下りたりとほんとの最後の終電で帰ってきた)


いや、なんかさ、ほんとに目が覚めた。
催眠術にかかってたのを目の前でパンと手を叩かれたかのような。
IT業界に対する興味が復活した。
今やってるPJはウダウダやってないで日々さっさと片付けていく。そして時間を作る。
小説も書くよ。その土日のために当面生きていくのだと僕は思っていた。
そうじゃない。それだけだと人生がどんどんつまらないものになっていく。
書くものもつまらなくなっていく。
そう、僕は「生きていく」ということを、しっかりと取り戻すのだ。