韓国焼肉ツアー その4

無事到着して、空港の中を進んでいく。
入国審査はパスポートを出したら無言のまま終わった。楽だった。
手荷物受け取りのところの壁に巨大な、韓国風のうちわが飾られていた。
先輩の持っていたソフトバンクの携帯は電波が入るみたいで、
試しに会社に掛けてみたらつながった。素直に驚く。
特殊なサービス契約してるわけではない、普通の携帯。
昔は海外で使うには手続きしたり、そういう機種じゃなかったらいけなかったり、大変だったのに。
時代はここまで来たのか。


税関を出ると現地係員の女性の方がHISの札を掲げて待っていた。
他にも何組かまだのようで、しばらくの間到着ロビーで待った。
ふらっと外に出てみる。東京ほどじゃないにせよ、案外蒸し暑い。
これと言って「匂い」は感じない。その国特有の匂いってやつ。
僕は正直な話、キムチみたいなのを想像してた。そんなことはなかった。


バスに乗ってホテルへと向かう。
「漢江」という川に沿って高速道路が続く。
国会議事堂の大きな建物の側を通り過ぎる。
煌々と明かりの灯った街並みが果てしなく続く。
橋のイルミネーションがケバケバしい色使いだったりする。


橋を渡ってソウル中心部に入ると、途端に渋滞。
いつの間にか高速道路を降りていたようだ。
ノロノロノロノロとゆっくりとしか進んでいけない。
23時近く。こんな時間でも車に乗る人が大勢いるってことか。
ここもまた普通に、車社会。


現地係員の女性がオプショナル・ツアーのリストを配る。
どれか申し込みますかと聞かれて、どれもいらないと答える。
じゃあ明日の予定は?という話になって他の旅行会社で板門店を申し込んでいると言うと、
どうしてうちの旅行会社で申し込まない!?とブーブー言われた。
HISのサイトのオプショナル・ツアーの箇所を参照したら
土曜受け付けてないとあったから他を当たったのに・・・
東京で運営しているサイトと現地の現場とではあれこれ事情が異なるんだろうな。
それでも最後には、集合場所の東和免税店に行くには何時にタクシーで、みたいなことを教えてくれる。
(現地係員の人は恐らくHISにて雇われているのではなく、
 提携している現地の旅行会社のスタッフなのだろう。
 HISだけはなくて、maptourの札も持ってたし)


あと、射撃場や眼鏡屋のクーポン券が配られる。これもまた興味なし・・・
旅程表には、到着後お土産屋に案内するってあったんだけど、
時間が遅かったってことで今回はなし。助かった。
こんな夜遅くに着いて疲れてるのに
どっか連れ回されて物買わされそうになったらとんでもなく不機嫌になるよ。


遅くなのに空いている店が多い。
学生たちが歩いている。ダンキン・ドーナツの店舗を見つける。
その他日本にも進出しているチェーン店を多々見つけた。ドミノピザとかね。
「日本に進出している=韓国にも進出している」なのかもしれない。


店の外にテーブルと椅子を並べて、涼んでいるのか、
暗がりの中で酒を飲んだり話をしている人たちの姿をよく見かけた。


ホテル到着。
明洞(ミョンドン)地区の外れの、「豊田」(プンジョン)ってとこ。
外見が無茶苦茶古びていて、フロントも簡素で
「大丈夫か?ここ」と思ったのに、部屋に上がったらかなりきれいだった。
外壁は現在改装中であるという。
東京で申し込んだHISの方からは、
「最悪ツインベッドに追加の折り畳みのベッドの可能性もあります」って言われてたけど、
そんなことはなくてトリプルだった。よかった。


韓国のホテルは環境保護のため、他の国では使い捨てが普通のアメニティの数々が有料だったりする。
歯ブラシや歯磨き、剃刀、シャンプーとリンス。地球の歩き方に書かれている。
ここもまたそうだった。ご利用案内みたいなのを見てたら確か、書いてあった。
(さすがに石鹸は使いかけを他の客に回すわけには行かないので、使い捨てだった)
あと、ソウルがそうなのか韓国がそうなのか、
法律によって他所からホテル内への飲食物の持ちこみが禁止。
ルームサービス(の冷蔵庫)を積極的に利用してくれということか。
高いに決まってるから使いたくなくて近くのコンビニで買ってくることになるのを、ダメと言われている。
「ケチ!」と思う。


とりあえず外歩いてみっかってことになって、下りていく。
裏通りはほとんどが営業時間を過ぎて真っ暗だった。
ひっそりと、明かりの落ちた色とりどりの看板が並んでいる。
もちろん、ハングルで読めない。
だけど妙な親近感が自然と巻き上がってきて、
昭和の世界に迷い込んだようで、ほのかなノスタルジアを感じた。
いくつかの屋台はまだ開いていて、にぎやかにしていた。
卓を囲んでおでんのようなものを食べていた。


歩いているうちにファミリーマートを見つける。
(その後あちこちで見かけた。日本のコンビニだとセブンイレブンも多かった。
 他のコンビニは目にしなかった。ローソンとか)
中に入って、ハングルの商品が並ぶ棚の間を歩く。
プリングルスキシリトールなど日本でも見かける商品が多く、
だけどびっしりとあちこちハングルで書かれていて。
パラレルワールドってこんな感じなのか・・・


ミネラルウォーターを買う。600w なので100円以下。安いもんだ。
ホテルの人にばれないよう、無理やりポケットの中に押し込んでフロントの前を通った。


僕らの泊まっていたホテルの近くは印刷関係の小さな、カラフルな工房が多くて、
真夜中だというのに大型の工業用印刷機が稼動しているところが多かった。
日本の問屋街のようにジャンルごとに寄り集まっているのだろう。
(2日後、22日に東大門市場まで歩いていこうとしたら、
 途中カーペットやタイルの問屋の集まっている地区に差し掛かった)


歩いていたら、酔っ払いが大声で喧嘩していて、それを警察が取り押さえようとしていた。
それを見て「ああ、韓国っぽい」と思ってしまった。
血気盛んな人たちってイメージがあるんですよね。


部屋に戻って、確かサッカーの試合をちらっと見た。
シャワーを浴びてベッドの中に入っていると眠くてしょうがない。
さっさと寝ることにする。