韓国焼肉ツアー その11

景福宮の外に出る。
この時点で18時ぐらいだったか。外はまだ明るい。
僕が行ってみたかったので、ロッテ百貨店に行くことにする。
歩いても行けなくもない距離だったけど、みんな疲れきっていたので地下鉄に乗っていく。
3号線の「景福宮」から2号線の「乙支路入口」まで。
駅に下りていく。券売機はすぐ見つかり、
料金が1000wだということはわかったものの、なぜかコインのみ。紙幣は使えず。
仕組みがよくわからず、窓口を探して買う。
地図で行き先を示して、指を3本立てて「スリー」と。
その後ずっとこの方式で切符を買う。


(こういう感じで、下手したら口を開くことすらなく物事を進めていく僕を見て、
 先輩は「おまえすげえな。英語話せんじゃなかったの?」と感心する。
 なんかもう切羽詰らないと英語で話そうという意欲が出てこないんですよね。
 英語も日本語も使わずとも意思が通じるなら、話さなくてもええかという)


地下鉄は東京のと全く一緒。ハングルだっていうだけで。
たくさん走っててあちこちで乗換えができて。
ホームの雰囲気も、車両の雰囲気も。
そうだ。ロシアやメキシコで地下鉄に乗ったときに物売りがうるさかったけど、
ここソウルでも物売りが乗ってきた。ペットボトルのカバーみたいなのを売っていた。
こういうのないから、日本の地下鉄はいいなあと思う。


「乙支路3街」で2号線に乗り換える。
「乙支路入口」で降りると、出口がそのままロッテ百貨店となる。
ものすごく大きな百貨店。
でも日本にもこういうのたくさんあるし、目新しいもんでもなかったな。
上の階に免税店のフロアがあって、化粧品やバッグなど女性たちが群がっていた。
僕ら3人は興味全くなし。
下に下りていく途中でゴルフ用品の店に寄って行く
先輩も後輩もゴルフをやるので、お土産に何か買っていこうと。
ゴルフボールは高くてやめる。結局何も買わない。
暇だった僕は生まれて初めてドライバーってヤツを手に取ってみた。
思いの他軽くて「こんなんで人が殺せるの!?」と驚く。
安物の推理小説のネタでゴルフクラブを凶器にするってのがあるけど。
もっとずっしり重いもんだと思っていた。


夜はこの近くの焼肉屋と決めていたが、まだ19時で外も明るい。
それ以前に昼のバイキングで食べすぎた僕は全然腹が減っていない。
もっと歩いて腹を減らさないとってことで
明洞(ミョンドン)エリアの繁華街を歩いてみることにする。
ここは例えるなら原宿のよう。歌舞伎町のようでもある。
若者たちでとんでもない人込み。店も密集。
The Body Shopオニツカタイガーにリーバイスクリスピー・クリーム・ドーナツ
マックにバーガーキングピザハットABCマート
若い女性向きの派手な衣類を売っている店の前で
店員の女性がまるでアジテーションのようにマイクで道行く人に語りかけている。
辻という辻では必ず屋台が出ていて、平べったい餅や煎餅みたいなのを売っていた。
女子大生?の集団がそれら餅の上に容器に入ったあれはハチミツなのかな、
文字を描こうとしてうまくいかなくて、はしゃいでいる。


お祈りを捧げて、踊っている集団を2箇所で見かけた。
写真入りの抗議文みたいなのを壁一面に張り出している。
漢字を読む限りでは中国共産党?が人権を無視して、
受刑者に対して暴行を加えたり、内臓を抜き取る手術まで行って
人々を廃人同様としているというものだった。
痣の浮かぶ手足を見せながら病院のベッドに横たわる人の写真、
以前はこれだけ若々しく美しかった女性が今は薬物の依存症となったという2枚の比較写真、
首や胸から腹にかけての切開手術とその乱雑な縫合跡を写した写真。
(目を閉じて、恐らく死んでいる)
余りのグロテスクさにぞっとした。
マイクを持って盛んに訴えかける政治活動家とその周りでひたすら祈りを捧げる人々。
宗教団体なのだろうか?この世の悪は祈りで全て清めていくというような。
すぐその脇では道端で小犬を売っていて、
若い人たちが「わーかわいい」って感じで群がっている。


帰りにこの集団の前に差し掛かったら、
彼らは鉦や太鼓を叩き、ハードコアなリズムを生み出していた。
はっとする。直情的で扇情的でかっこいいリズムだった。
韓国の民族芸能的な音楽なのだろうか?きっとそうなのだろう。
日本で探してみよう、と思った。
以前高円寺の阿波踊り大会ではぐれモノの若者たちの連が
奏でていたハードコアでアヴァンギャルドなリズムに通じるものがあった。


横道に入ったところでCDショップを見つける。入ってみる。
K-POPがあって、J-POPがあった。日本盤じゃなくて、韓国盤。
いわゆる J-POP では何があったか覚えてないが
(普段僕が聞くような類のものじゃなかったので)
僕の興味あるところでは
Pizzicato FiveFantastic Plastic MachineParis Match を見かけた。
ジャケットはハングルで書かれている。
Paris Match は僕がずっと前から探していた「Volume One」の限定盤2枚組。
買おうかどうか迷って、結局やめた。日本盤を探そうと。


焼肉屋へ。「コムソッチプ」
http://www.seoulnavi.com/food/restaurant.php?id=49
日本語のできるオーナーのおばさんがいて、客は日本人ばっかりだったような。
肉はみな店員の方たちが焼いてくれる。
生ビールを飲みつつ
牛タン、味付けカルビ、骨付きカルビ、ロースのセットを3人前とユッケを食べた後は
マッコリを飲みながらプルコギ、さらにうどん入りのスープ。
死ぬほど食いまくって、1人1万ぐらいになったのかな。
うまかった。これが韓国の焼肉か。納得の味。
でも、日本で食べる高級店の方が感動したね、・・・やっぱり。
叙々苑」とか「正泰苑」とか「巨牛荘」とか。


キムチにカクテキにナムルに、ポテトサラダに、サンチュ・・・
食ってて空くと次々に運んできてくれて「もう、食えない」ってとこまで来た。
貧乏性だから出されたものは全部食べなきゃと思うし、食べたら食べたでお代わりとなる。
なんか野菜だけで腹いっぱいになったような・・・
店の外にはこれまでに訪れた有名人ってことで
竹原慎二大泉洋の写真を見つける。


閉店時間の22時ごろまで店の中にいただろうか?
その後ホテルの方まで歩いていって、近くの安い居酒屋で飲む。つぼ八みたいなところ。
オーナーは親切な人だったが韓国語しか話せず、意志の疎通が果たせない。メニューも全てハングル。
かろうじて生ビールは伝えられたものの、つまみはいかんともできず、
「チキン?」と聞かれて「オーイエー」みたいなことを言ったら出てきたのが
フライドチキンが10本以上。
「2?」と聞かれて「ノーノー、1」と答えていて、「2」だったら大変なことになっていた。
焼肉あれだけ食った後に、食いきれないよ。
ほとんど残してしまった。
辛口で結構うまかったんだけどね。
ピーナッツとポップコーンだったか、これはただみたいでお代わりをくれた。
これだけあったらよかったな・・・
合計1人1000円もしなかった。


ホテルに戻る。
入口前に建っていたタクシーの運転手に「夜の遊びいかがですか?」と声を掛けられる。
乗ってったら、どこに連れて行かれただろう?


シャワーを浴びて寝る。疲れきって熟睡。