池袋、吉祥寺、西葛西

9時起き。池袋へ。
西武百貨店にて先週買ったスーツの裾の直しを受け取る。
暑い。とにかく暑い。この夏一番の暑さではないだろうか?
歩いているだけでじっとりと来る。
人込みの中にいるとさらに気温が上がって・・・


帰りに山手線に乗っていると、ふらっと高田馬場で下りてみたくなる。
もう何年もこの街を歩いたことがない。
炎天下。日差しが眩しい。
早稲田へと向かう通りを歩いてみて、引き返して反対側へ。
11時。「ぶぶか」を見つけて入って、油ソバを食べる。
「ぶぶか」ってあちこちで見かけるけど、これまで入ったことがなかったなあと。
というかそもそも油ソバが初めてか。
僕らの間では油ソバ発祥の店とされる
国立の「三幸」も結局入ることのないままに終わった。
寮から歩いて3分の距離だったのに。
まだ営業しているのだろうか?
「ぶぶか」の油ソバは「ま、こんなところか」って味。
暑かったのでビールも頼む。
というか、ビールが無性に欲しくなる類の食べ物だ。


荻窪に戻って、スーツを置くと今度は吉祥寺へ。
DiskUnion に CD を売りに行く。
この頃が一番暑かったように思う。
査定待ちの間、タワレコに行こうとしたら移転の貼り紙が。
店仕舞いした近鉄デパートがヨドバシに生まれ変わってその6階で営業している。
とりあえずベンチに座ってコーラを飲む。
その後行ってみる。オープンしたばかりのようで、とてもにぎわっている。
タワレコへ。1フロアになって、なんか普通の店になってしまった。
昔の吉祥寺タワレコは店の「色」があって好きだったのだが・・・
品揃えもよかったし。
また独自の「色」を築けるだろうか?
ショッピングセンターの中だと、それも難しいような気がする。
店員の熱い思いを記したポップの類もあんまり見かけなかった。
大きさも以前の半分から2/3ぐらいになるのかな。


ワールド・ミュージックのコーナーで
Juana Molina「Segundo」の日本盤を見つける。
中南米音楽」が輸入販売元。
見かけたときに買っとかないと後々探すのに苦労しそうなので、買う。
まるで野生の草のように伸びた金髪の間から覗く鼻と唇。
本人のポートレートのはずなのに、ものすごく異様な雰囲気を伝えるジャケットが秀逸。
いわゆるアルゼンチン音響派を代表する歌姫。


DiskUnion に引き返した頃、携帯が鳴る。
この日、大学時代の友人の家に集まることになっている。西葛西。
「ああ、今から行くよ」みたいな話をする。
集まると言っても3人。1人は今日、大阪から来るってことで。
もう1人はこの夏からニューヨークに転勤。
いったん荻窪に戻って、素足では失礼だろうと
サンダル履きだったのを靴下を履いてスニーカーを履いて、
先週母から送られてきて冷蔵庫に入れていた「豊盃」の2本のうちの1本を
保冷材入りの袋に入れて持っていく。


炎天下を歩いていると気が遠くなってくる。
この日3度目のJRのホーム。
総武線に乗って中野へ。東西線に乗り換える。
グレゴリイ・ベンフォードのSFを読む。
普段東西線に乗らない僕は距離感を全然誤ってて、
西葛西は行徳よりも先で西船橋のちょっと前ぐらいに思っていた。
葛西臨海公園の葛西でしょ?遠そうなイメージ。ディズニーランドも近いだろうし。
実際は東陽町のすぐ先だった。案外都心に近い。
大きな川を渡る。荒川だったか、江戸川だったか。
これを渡った先が千葉だったか、まだ東京だったか。
この辺の地理は僕、とても疎い。


初めての西葛西。
会社の人たちが何人か住んでいたように思う。
「住みやすい町」としてよく聞く。
駅前もそれなりに開けていて買い物に便利だとか。
とりあえず、川が近いせいか涼しげな風が吹いていて、
日差しの強さは相変わらずとしても都心の暑さとは全然違ってた。


「16時頃着くよ」って言ってたのが15時過ぎには着いてしまう。
さすがに早すぎで、駅前のドトールに入る。
グレープフルーツジュースのLを飲みながら
駅のキヨスクで買った
東スポ 永久保存版 エンタメ劇場」というムックを読んで時間をつぶす。


僕は二人掛けのテーブルに座っていて、近くに大きな円いテーブルがあった。
目の前に座っている若い大学生のカップルが試験対策なのかノートを広げている。
でも勉強してる時間はほとんどなくて、いちゃついてばかり。
右側に座る男の子が女のこの右腕を撫でさする。その勢いがどんどん強くなる。
笑い合う。2人にしかわからない冗談のように。
今度は女の子の方が男の子の左腿から膝の辺りをあちこち触れる。
やがてその手は股の間へと向かう。そしてその手が動かなくなる。
女の子がニコッと笑う。男の子も笑い出す。


携帯が鳴って、友人が今、駅前まで車で来ているという。
ドトールを出る。SUV が停まっている。
30代半ばで家族を持っている男性の乗る車のほとんどが SUV なのではないか。
そんな印象がある。実際、そうじゃないですか?
先週会社の人たちとバーベキューをやったときも、2人が SUV だった。
あの大きさはチャイルドシートもゆったり収まるし、
キャンプなど郊外のアクティビティを行うにしても便利。


チャイルドシートに友人の1歳半の娘が座っている。
プールに行って来た帰りだという。
僕が抱っこしても嫌がらない。
子供に対する苦手意識が伝わるのか、いつもはたいがい、嫌がられるのに。


近くのスーパーで酒の肴を買った後、友人の家へ。
西葛西の果てしなく連なる背の高い公団住宅のうちの1つ。
夏休みの小学校がひっそりと建っている。何千もの蝉が鳴いている。
木々が多く、緑が視界に入ってくる率が高い。
昔ここは海で、埋め立てして作った町だから人工的な雰囲気があるけど、
よく整備されていて住みやすいと友人は語る。
保育所もすぐ入れたそうだ。


刺身や焼き鳥など、買ってきたつまみをテーブルの上に広げてビールを飲む。
もう1人が遅れて到着する。
豊盃を飲む。飲みやすいのに、きりっとしている。いいかもしれない。
いい日本酒はやはり独身男性が部屋1人で飲むものではなく、
こんなふうにみんなで集まったときに飲むものであるべきだ。


久々に会った寮時代の友人。
たわいのない思い出話も出てくれば、国際社会を談じてもみたり。