「阿部首相辞任へ」

一応、僕もなんか書く。


昨日の昼、客先へ向かおうとJRの有楽町の駅を出て
マリオンの中をくぐって外に出たらなんだか騒がしい。
号外を配っている。一部もらう。
朝日新聞。「阿部首相辞任へ」
テレビ局のクルーがあちこちで街行く人々からコメントをもらおうとしている。
実際、何人かカメラに向かって答えていた。
僕は避けて歩いた。
聞かれたところでたいしたことは言えないし。
「いやー驚きました。まさかこの時期とはねえ。いきなりですねえ」
みたいなこと言ってもしょうがないし。


客先でもこの話題でザワザワしていた。
こういうニュースが伝わるのが早い。
(その後すぐ自社に戻ったとき、ほとんどの人が知らないようだった・・・)


月並みな感想だけど、何でこの日に?中途半端な・・・
これぐらいだったら、参院選負けたときに辞めてればよかったのに。
でなきゃいっそのことずっとしがみついていればいいのに。改革だのなんだの掲げてさ。
健康上の理由?だったらもっと早く辞めとくべきだよ。
もともと抱えているのなら、続投なんて論外。
このご時世に首相の地位という重みが身心ともに負担をかけるというのなら、さらに論外。


・・・月並みだなあ。


政治のことが分かってない僕は、解散総選挙?と思ったけど
どうやら違うようだ。首相が変わるだけ?ってこと?
いや、今の臨時国会が終わったら、というか終わらせたら解散か。


ニュースをいくつか読んだが、首相の発言に「テロとの戦い」ってのが何回か出て来た。
それも大事だろうけど、この国にとって重要な争点がもっと他にあるんじゃないの?
仮想のテロに怯えまくっているような印象を僕は受ける。
しかもそのテロってのは日本という国に対する具体的なものではなくて、
自民党や首相自身への攻撃を隠喩として投影するための受け皿に過ぎないように感じられる。


結局阿部首相も普通の人だったんだね。
そう考えたとき前2人の首相は良くも悪くもバケモノだったんだなあと。
つくづく感心させられる。
それがどんな形をしてどんな手触りでどんな使われ方をしたかとは関係なく、
とりあえず器はでかかった。バケツみたいに。


先日取り上げた「CONTENTS FUTURE」という本の中で
慶應義塾大学教授の中村伊知哉氏がこんなことを言っている。
氏が郵政省の役人だったときに上司から「清濁併せ呑む」の意味を聞かれて
「一緒に呑むことですか?」と答えたら、「違う」と否定された。
静は静で、濁は濁で呑むものであって、両者は絶対一緒にしてはならないのだと。
僕の想像として、森さん小泉さんにはそれはごくごく自然なことであって、
阿部さんにはそもそも相容れない考えだったのではないか。
そんなことを思った。