西麻布「剣幕帰」

最後に西麻布「剣幕帰」
http://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/townguide/lunch/62kenbokke.php


いつかディナーで行ってみたいなあと思っていた店。
まさか1人で行くわけにも行かないし。
と長年思っていたところに、ようやく機会が。
夜は予約した方がいいってことみたいだったけど
僕らが入ったときはちょうど出て行くところだった初老の夫婦のみ。
いくつかの席は既に予約済みになっていて。運良く入れてよかった。


インディアンサラダ、タンドールチキン、
チキン・サグ(ほうれん草とチキンのカレー)と
プローン・マサラの辛い方(海老のカレー)を食べる。


うまい・・・
カレー好きな割りにインド料理の店にあんまり行ったことのない僕としては
多くを語るわけにはいかないんだけど、
麹町のアジャンタよりも断然うまくて、銀座のデリーをも抜くのではないか。
なんつうかシックな味わい。
大辛のカレーを食べてもマイルドな味わいで、ジワジワと辛さが来る。
ただ単に辛いだけじゃなく、カレーとしてのスパイスの味わいがしっかりと伝わってくる。
サグもしっかりほうれん草の味がする。
その辺のほうれん草パウダーで色つけましたみたいな手抜きサグじゃない。
手間隙かかってんだろうなあ・・・
インド人の年老いた料理人が1人で厨房を預かっているようで
その立ち姿からして古きよき時代の執事のよう。
インド料理と向かいあうに当たっての
孤高の誠実さがそのまま人となって現われたかのような。


そもそも最初のインディアン・サラダからして別格。
キュウリ、トマト、タマネギにあっさりとレモンドレッシングをかけただけなのに
「えー?これだけでビールいくらでも飲めちゃうよー!?」っておいしさ。
なんかもう何を食べても魔法がかかっているような。
グラスを冷やしたバドワイザーもなんかいつも飲んでるのとは全然違う、
フルーティーなスパークリングワインのように思えた。


そんでやっぱすごいのはタンドールチキン。
これさ、日本で一番うまいタンドールチキンかもしれない。
1度ここのを味わってしまうと他のインド料理屋に行って、
カレーは食べれてもタンドールチキンは食べれなくなるかもしれない。
「何これ?」って思ってしまいそう。
つたない僕の言葉ではうまく伝えられなくて恥ずかしいんだけど、
ジューシーでスパイシーでモチモチッとしてて瑞々しいんですよ。


デザートに食べた「コルフィー」というアイスも絶品。
クリームを煮詰めたような、コクと深みのある味わい。
黄土色っぽいチーズのような外見。
後輩と2人で「何から作られてるんだろう??」と首を傾げる。
後輩が聞いてみたら、「ミルクから作られます」とのこと。
ええー!牛乳だけでこうなるの!?
何を食べても目からウロコが落ちる。


しっかり堪能させていただきました。
現時点で僕、都内で最高点をつけますね。


料理だけではなく、内装もまたシックで落ち着いた雰囲気。
アールデコ調って言うのかな。
そこはかと高級感があるのに落ち付けがましくなく、隠れ家っぽい。
女性と来てもいいし、4・5人のグループでささやかなパーティーとするでもよい。
どんな状況であろうと居心地のいい時間を過ごせそうだ。
ここ1件知ってると知ってないとでは東京のカレー好きとして大きな違いだとすら言える。


なお、「剣幕帰」という不思議な名前は
オーナーの父親が所有する北海道の無人島だとのこと。
調べて見るとムツゴロウこと畑正憲氏が1971年から1年間住んだこともあるみたい。