１．
mixiのような SNS サイトでプロフィールを入力するとき、
amazon のようなショッピングサイトに会員登録するとき、
どこであろうとだいたい似たような情報を入力することになる。
人によっては「またか」と思う。
共通プロフィール基盤みたいなサイトがあって、
そこがいろいろなWEB上のサービスとつながっていると便利かもしれない。
（名前や住所といったショッピング系サイトの配送に必要なリアルな個人情報は
SNS系サイト側にはインタフェースしないといったモードが必要となるだろう。
また、ショッピング系サイトへの個人情報のインタフェースはその都度行なう方式として
サイトの方では蓄積しないというような取り決めも必要になってくるだろう）
ここではいわゆる個人情報を極力扱わないとして、
それ以外の個人の趣味・嗜好の属性をメインに集めるものとする。
興味のあること：グルメ、スポーツ、海外旅行・・・
といった大ざっくりな区分ではなく、かなり詳細なこと。
醤油ラーメンよりは味噌ラーメンの方が好きだとかそういうのに始まり、
５歳の夏に江ノ島で見た花火が忘れられないといった思い出まで。
ありとあらゆることを。
恐らく、そのユーザーがネット上で何気なく行なった行為からピックアップする。
例えばとあるSNSサイトのアルバムにて花火の写真をアップして
「江ノ島」とタグを打って、「５歳の夏に・・・」とコメントを書いたとか。
そういうのの集合体から、かなりリアルなプロフィールが作成される。
ユーザー自らがこと細かく入力しなくても。
今すぐってことはないが、何年か先はいつのまにかそうなっていると思う。
２．
amazon のリコメンド機能がさらに進化したとする。
これもまた amazon の枠を超えて、共通のリコメンド基盤があったとする。
「これを買った人はこういうのにも興味を持ってます」に始まり、
「そのとき、そこで、そういう人たちと、そういうことをした人は、
このとき、ここで、こういう人たちと、こういうことをすると有意義でしょう」
といったことまで言えるようになる。
「有意義でしょう」といったサジェッションにとどまらず、
「してください」ぐらいの強い命令となるかもしれない。
ユーザーはモードによって切り替えて、そのとき自分が何をすべきか教えてもらう。
リコメンド基盤はその行為が実際に行なわれたかどうかを蓄積していって、
（例えば、図書館に入る際にIDカードをかざすとその日時が送信される）
その人の行動パターンの把握をさらに強固なものにしていく。
単なるプロフィールだけではなく、行動までもコントロールできるようになる。
３．
ユビキタス化が際限なく進んだとする。
人工的な環境の全てがネットワークで統合され、
そのデバイスの全てに様々なレベルの物事を感知する仕組が備わっているものとする。
ある人が部屋の中にいるとして、エアコンなりなんなり電子機器が
その人の発汗量や表情（心地よさそうだ、不快に感じているようだ）を測定し、温度の調節を図る。
もちろんこれはプロフィール基盤と結びついていて、
その人が肌寒いのが好きなのかとかそういった要素を考慮に入れる。
これから先の世の中は個人を「観察」「監視」して
情報を集めていく精度がどこまでも高まっていくだろう。
４．
このような社会になると、どうなるか？
ネット上にもう１人の自分を存在させることが可能になるだろう。
現実の世界そっくりのものが向こう側に広がっていて、
もう１人の自分がそこで生活をしている。
（向こう側の世界も恐らく無限にバリエーションが存在しているだろう。
現実と全く同じ内容で、世界中の人々と共有しているもの。
ある特定の個人にのみ属している、その人の興味を満たすためだけのもの）
このもう１人の自分を自分で操作してもいいのだが、
興味のない人はそこまでしなくてもいい。
時々その世界を覗いてみて、
そいつのすることを見てる、あるいは会話するってことができるといい。
（下から積み上げていった、かなり擬似的な人工知能と会話することになるだろう）
「こういうことをしてくれ」とあなたは指示を出す。
例えば、こういう使い方をする。
シミュレーション。何年か先の状態を計算により導き出す。
（とんでもない情報量・計算亮となるため、これを行なうときは
サーバーの区画をなんらか占有するための手続きが必要となるだろう）
子供を１人としたときと２人としたときでは２０年後どういう違いが発生するか？
あるいは、今、自分はＡとＢと人生の選択を迫られていて、悩んだ果てにＡを選んだ。
もう１人の自分ってのを複製してパラレルワールドにてＢを選択させる。
そして同じだけの時間を過ごす。
まあ単純に遠くにいて会えない人と会うための
一風変わったツールとして使うでもいいけど。
今日はもう時間切れ。
・・・こんなとこかね？未来ってやつは。
