フィラデルフィア美術館展+ムンク展

3連休初日。前々からこの日は上野に行って
東京都美術館フィラデルフィア美術館展を見に行くつもりだった。
JRの駅でよく見かけるポスターには
ルノワール、モネ、ゴッホセザンヌマティスピカソ」と錚々たるメンツの名前が。
ベタだけど、見に行きたくなった。
ついでにムンク展も見る。こちらは国立西洋美術館
この時期、上野の森美術館ではシャガール展もやっててとても豪華なラインナップ。
正に芸術の秋。
でもシャガールは去年の夏青森で見てるので今回はパス。


昼まで寝てて、まずは神保町へ。
まんてん」のカレーを食いたくなって。
カツカレーにコロッケをトッピングしよう、いやウインナーか。
なーんてあれこれムフフと夢想しながら都営新宿線に乗ってたのに、
残念なことに行ってみたら休み。祝日だからか。
じゃあ天麩羅の「いもや」で、と思ったらここも休み。
「味噌や」は例によって行列になってて、お、そうだと今回は「さぼうる2」へ。
ビーフカレーを食べる。うまい。
ここのカレーは喫茶店のカレーの最高峰だし、
ここのナポリタンは喫茶店ナポリタンの最高峰。
食べててナポリタンが食べたくなる。また来なきゃ。
古本屋をちょっと覗いて、DiskUnionに行って、大手町から東京駅に出て上野へ。


3連休初日でよく晴れているってこともあって上野公園は大勢の人でにぎわっていた。
家族連れからカップルから学生の集団になんやかやと。
「ヘブンズアーティスト」って言うんだったか、
東京都認定の大道芸人たちがあちこちでパフォーマンスを披露してて、
その周りを大勢の人たちが取り囲んでいた。


東京都美術館へ。
人気あるんだろうなあと思っていたらまさしくその通りで、入場規制がかかっていた。
といってもたいしたことなく、5分待ち。短い行列ができている。
僕が出てくる頃にはさらに行列が長くなっていた。30分待ちぐらいにはなっていた。
入る前に係員があれこれ注意事項を述べる中で
「列になって鑑賞する必要はないです。ご自由にご覧ください」って言ってて、
中に入ってみると思いっきり行列ができていた。
絵の並んだ前をウネウネと大蛇のように。
どうしてこういうことになってしまうんだろうなあ。日本だけかな。
列になってたら並びたくなるだけならまだいいけど、
列の最後尾に並んでその流れに沿って見るのがマナーだとか思ってんのかな。
僕は好きなように歩き回って見る。
列の中にも割って入る。
自由気ままに見たつもりでいて、それでも人が多いと疲れるものは疲れるもんで。
一通り駆け足でサーッと見るとすぐにも退散。
平日休みとって見に来たかった。


http://www.phila2007.jp/intro.html
展覧会としては非常にオーソドックスで、
19世紀後半から20世紀前半までの作品を年代ごとに分けるというもの。
印象派とか、キュビズムとか。
見る価値あったのは最後に20世紀アメリカのセクションが設けられていたこと。
有名なところで言えば、ジョージア・オキーフアンドリュー・ワイエスの名前があったけど
その他は初めて聞いた。もしかしたらここから先の人生でも出会わないかもしれない。
印象に残ったのはジョン・シンガー・サージェントの「リュクサンブール公園にて」と
フローリン・ステットマイヤーの「ベンゼルの春のセール」


その他によかったものとして、
エドガー・ドガの「室内」と彫刻「14歳の小さな踊り子」
ジョアン・ミロ「月に吠える犬」
ジョルジョ・デ・キリコ「占い師の報酬」
ホアキン・ソローシャ「幼い両生類たち」(この絵・この画家が今回の一番の発見ですね)


なお、ロダンの「考える人」があった。初めて見た。
もっと大きいもんだと思っていた。

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次、ムンク展へ。
こちらは入場規制はかかってなかったものの、中入ってみるとやはり行列になってて・・・
ムンクと言ったら誰もが思い浮かべる代表作「叫び」は無し。残念。
でも3部作の残りの2枚「不安」「絶望」は初めて見ることができた。これは素直に嬉しい。


http://www.tokyo-np.co.jp/event/bi/munch/works.html
装飾絵画としての側面にフォーカスした内容が展覧会としてその良し悪しはよくわからんけど、
いやーよかった。ムンクをたくさん見れて。
僕みたいな人間からすると描かれるテーマとその描き方、色彩や筆のタッチがたまらないわけですよ。
病める孤独な魂がキャンバスの上で踊り狂ってるようで。ゾクゾクする。


心の中を覗きこまれて、自分の心がむき出しの裸になったような気がする。
ムンクの絵の中で描かれてる人たちの目ってどれもみんなそうで。
特に、焦点が合ってなくてどこも見ていないような目が一番怖い。
この世の全てとか人生とかあらゆるものを知ってしまったがゆえの無関心。


「吸血鬼」「死の苦しみ」「生命のダンス」「病める子供」「声/夏の夜」
よかった作品のタイトルを並べてみるとみんなこんな感じで。
とにかく暗くて寂しい。たそがれている。
永遠に引き伸ばされた「終わり」の瞬間。


そこでは感情というものは倦んだ得体の知れないものとなってしまっている。
悲しいとか寂しいとか楽しいとか、
人の感情はその時々ではっきりとカテゴライズされるものでは決してなくて
いろんなあれこれが一瞬ごとに入り混じっていてどうとも呼びようのないものなのだ、
というのがあの鮮やかで謎めいた色彩に込められているのだと僕は思った。


あーもう1回見たい。見に行こうかな。
それにしても「叫び」は今どこに行ってるのだ?


国立西洋美術館は常設展も見れて、お得。
http://www.nmwa.go.jp/jp/collection/index.html
あんまり人が入ってなくて他の人たちはムンクを見たら「はい、おしまい」ってことなんだろうな。
まず入るとロダンの作品がたくさんある。外にも展示されてるけど。
ほとんどが17世紀を中心とした宗教画。
だけど後半、ルノワールやモネ、ゴーガンやボナールの絵も出てくる。
モネはかなりの数が蒐集されていた。
見ている人の数が少なくて、ようやく「絵を見てる」気持ちになった。

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その後アメ横へ。古着屋でネルシャツを2枚買う。
やはり大混雑。


帰りに銀座と新宿に寄ったんだけどどちらも人手がすごかった。