バンジージャンプ in モスクワ

ミキさんが先日バンジージャンプについて書いていたので、僕も書きます。


まだバンジージャンプというものが珍しかった94年に僕はトライした。
しかも場所はロシア。
モスクワのゴーリキーパーク。クレーンが池の上まで伸びていてその上でジャンプ。
日本円で5000円だっただろうか。
平日の午後、語学研修の学校が終わってモスクワ名所めぐりってことで
みんなでゴーリキーパークを訪れた際に見つけて、僕が即「やりたい」と。
こういうところだけ、僕は怖いもの知らずだったりする。


クレーンの上にケージがあって、そこから飛び降りる。
20代前半ぐらいのブロンドのナイスガイが笑顔で
僕の両足を分厚いウレタンみたいなので巻いて固定して
ぶっといゴムのロープ(?)を金具に固定して、点検する。
「Are You OK?」「OK」みたいなやりとりをして、
「バンジー!」の掛け声と共にひょいと飛び降りる。
躊躇なし。あっさりしたもの。怖気づくこともなかった。


後はまっさかさま。
基本無口な僕は落ちていく間も叫んだりしない。淡々としすぎ。
ただただ当ても無く落ちていくだけ。
水面スレスレまで近付いて、もう鼻先まで来て、
ゴムが伸びきったところで今度はグイッと引っ張られる。
そんで後は上に行ったり下に行ったり。
びよーんびよーんと。
景色がグルグルと回って。


で、ゴムが落ち着いて下までダラーンとしたところで
伸びてきた棒に捕まって地面に戻る。


池の周りには大勢の見物客がいて、僕が飛び降りたところで歓声が上がる。
僕の人生であれほどの歓声があがったのはあれが最初で最後かもしれない。


追加料金でビデオを撮ってくれることになっていたんだけど、僕は断った。
お金が倍近くになるし。
でも今思うと撮っておけばよかったなあと。
僕自身のバンジージャンプな姿はどうでもよくて、
その当時のモスクワがちらりとでも映っている映像があれば
かなり貴重な思い出となるってことで。


ゴーリキーパークは小さな遊園地のようになっていた。
錆付いて古びたジェットコースターがあって、これ乗ったら怖いだろうなあと思った。
宙返りも何もしない、小さなもんだけど。
「ほんとに動くのかよ、これ」みたいな。


もう1回行ってみたいなあ。モスクワ。
どうなってんだろう?
どんなに変わっただろう。