「存在の耐えられない軽さ」「ゴーストバスターズ」

昨日見たのは「存在の耐えられない軽さ」と「ゴーストバスターズ


「存在の耐えられない軽さ」は
ミラン・クンデラが原作で、監督は「ライトスタッフ」のフィリップ・カウフマン
ダニエル・デイ・ルイスジュリエット・ビノシュが主演。


ミラン・クンデラチェコの作家で、日本でも翻訳がたくさん出ている。
僕も学生時代に代表的なものは読んだ。
僕としては21世紀を代表する小説家の1人だと思っている。
1968年の「プラハの春」にて著作が発禁処分となり、フランスへ。
僕としては一番好きなのは、というか衝撃を受けたのはデビュー作の「冗談」かな。


「存在の耐えられない軽さ」もやはり「プラハの春」がメインテーマ。
自由を謳歌していたはずのプラハソ連軍の介入を受け、運命を翻弄される男女3人の姿。
ダニエル・デイ・ルイス演じる主人公が女性に対して自由奔放な男で、
その中でも特に関係の深かった2人のうちから1人を選び取る。
優秀な脳外科医だったのに、政府を批判した文書が出版されたことをきっかけに職を失い、
女もまた、カメラマンという未来があったはずなのに「プラハの春」の動乱を撮影して
海外にそのフィルムを送ってしまったがゆえに自由を失う。
もう1人の女は海外に亡命し、本来の画家としての生活を続けてゆく。
彼らなりの幸福な生活を追い求めていった果てに待ち受けていたものは・・・


フィリップ・カウフマンの演出が結構手堅く、見所はやはり「プラハの春」のシーンか。
当時のニュースフィルムと実写を組み合わせたというソ連軍蹂躙の場面がすごい。
戦車の前に立ちはだかり、自由を求めて抗議行動を続ける民衆たち。
憑かれたように写真を撮るジュリエット・ビノシュ


1988年の映画。
ダニエル・デイ・ルイスジュリエット・ビノシュもその後着実にキャリアを積み重ねたけど、
この時が正に旬。瑞々しいというか溌剌とした演技を見せる。


歴史もの映画としても、人生を描いた映画としても、よくできていると思う。

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グレムリン」「グーニーズ」「ゴーストバスターズ
と公開時(1984年だっけ?)「3G」って呼ばれてましたが。
僕ら30代前半世代には無条件にこの辺、面白いのでは。


その中でも「ゴーストバスターズ」は
あのマークが今見てもクールだし、マシュマロ・マンって発想が素晴らしい。
が、実はこれも見ていなかった。


いやー面白かった。
そりゃやっぱ、脚本も撮影も21世紀の今見るとチャチだけどさ。
なんかそういうのどうでもよくなるんだよね。
それにあの、レイ・パーカーJr.の主題歌を聞いちゃうと、
気分が盛り上がってもーどうでもよくなる。


ヒロインがシガーニー・ウィーヴァーというのが時代を感じる。
「エイリアン」シリーズが頭に焼き付いて離れないからなんかどうも違和感あり。
何に体乗っ取られてもこいつはタフに生き抜くだろう、っていう。


主演の3人が揃いのツナギを着てニューヨークの街を歩くのって
Beastie Boys に影響を与えてるのではないか?と思った。ツナギ着てた時期あったし。


なお、シンディ・ローパーの最高傑作は誰が何と言おうと
僕としては「グーニーズはグッド・イナフ」
聞くたびに胸が熱くなる。
(あるいは、当時CMで使われた「ホール・イン・マイ・ハート」)


今この時代に「ゴーストバスターズ3」を作ったら面白いかもね。

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話は変わるが、紙ジャケで AC/DC の諸作が発売されて、
昨日生まれて初めて AC/DC のアルバムを聞いた。「地獄のハイウェイ」


かっこいい。
高校時代に聞いてたら僕、ハードロックの人になってたかもしれない。


かのカート・コバーンは「Back in Black」を評して
「欠点が1つもない偉大なのロック・アルバム」と語ったのだという。
当時その言葉を聞いていたら僕も手を出していたかもな。
でも、1992年頃最もかっこわるい音楽の1つだったように思う。AC/DCって。
Nirvana の対極にあって、むしろシーンとしては「敵」だったのではないか?
それが今や再評価されるようになり。
僕なんかも聞くようになったわけだ。
今でこそ、カート・コバーンのそういう発言も発掘されて広まってるが、
当時はイメージを混乱させるものとして無視されてたのではないか、なんて思う。

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hitomiのボックスセット「Peace」のDVDのうち、PV集の1枚目を見る。


その後、鬼束ちひろの「LAS VEGAS」の初回特典DVDと The Battles 「Tonto」のDVDを見て寝る。
鬼束ちひろの「everyhome」は名曲だと思った。1回聞いただけでは気付かなかった。
「Tonto」のクリップもなかなかかっこいい。来日公演見に行けばよかった。ちょっと後悔。