元日、初詣に行く

okmrtyhk2008-01-02


9連休5日目。後半戦に差し掛かる。
今日は箱根駅伝往路。


昨日元日の9時。携帯にメールが届く。
「明けましておめでとう」のメール?と思って見てみたら、会社の携帯。
悪い予感。時刻は9時ぴったり。
見てみると夜間バッチがタイムアウトで異常終了。
一気に暗い気持ちになる。元日だというのに。誕生日だというのに。ついてない・・・
どこからか連絡が来るかと思いきやその後音沙汰無し。
それはそれで不安になる。
恐らく落ちているバッチの性質からし
僕のところで問題があったのではなくて、
隣のサブシステムで何かが起きてその影響を受けてるのではないかと。
理論的に考えるとそういうことになるんだけど。
でも、先週僕のミスで異常終了を起こしてるからなあ。
今回も「やらかし」系だったりしないか。だったらどうしよう・・・
小説を書き始めるものの、集中できない。
昼前。いてもたってもいられなくなって、会社に行ってみることにする。
4日分の無精髭を剃り落とす。


丸の内線で銀座へ。有楽町から山手線で田町へ。
いつもの出勤コースを辿っていく。
元日だけあってさすがに空いていた。
有楽町はさすがに人通りあったものの田町の街は閑散としていた。
オフィスはもちろん誰もいない。僕1人。
バッチの状況を確認する。
予想通り、隣のサブシステムで落ちていた。
うちの会社としては問題ありだけど、僕個人のミスではなくてほっとする。
よかった。結果見るまで気が気じゃなかった・・・
対処としては何もしない。客観的な状況と影響範囲について上にメールして会社に出る。
後は判断を委ねようと。


せっかくここまで来たのだからと初詣に行くことにする。
家の近くの神社でもよかったんだろうけど、それだと「行った」感がない。
それなりの場所じゃないと。
ってことで、浜松町・大門の増上寺へ。


(今日箱根駅伝を見てたらここの前を通った。
 家康も訪れたという都内で最も古い建物なのだそうな)


このところずっと家から出ない日々が続いていたので明らかに運動不足。
芝浦から竹芝経由で大門まで歩いていく。
聞いた話では朝、小島よしおが海パン1つで竹芝を走っていたらしい。
だけど昼過ぎに来てみると竹芝桟橋近辺は人がいなくて、
そんな中継なんてほんとにあったのかと。


増上寺は初詣の客で賑わっていた。
そういえば3年前の会社で年末年始を過ごした年も
オフィスをそっと抜け出して増上寺に初詣に来たんだったな。


境内に上がって賽銭を投げてパンパンと手を合わせる。
願うことはたった1つで、今年こそは小説家への道が開けるようにと。
年末に大学の先輩とのやり取りの中で
僕にとって小説家になるってのは棚からぼた餅的な「願望」に過ぎないって事に気付かされた。
死ぬ気でやってない。悪く言うと現実逃避。それでいいのかと。
それはつまり、追い詰められていないということ。
どうしたもんか。
とりあえず僕は今書き続けるより他になくて。
「追い詰める」ってのもそうそうすぐにできることでもなく、これが今年のテーマとなりそうだ。
今年「追い詰める」ことができないのなら、一生無理だろう。


おみくじを引く。末吉。
凶じゃないだけましだけど、
新年早々バッチがこけたり、なーんか当たってそう。
そういえば20歳後半ぐらいからか?
時々おみくじ引くけど、大吉って出たことないな。
凶とか末吉とか小吉とか。
今年は末吉な年なのかな・・・


こんなことが書かれていた。
「吹きあれしあらしもいつかおさまりて軒場にきなくうぐいすのこえ」
「身の煩いも散り失せ禍い事もなくなり旧の道を守って辛抱おこたらなければ
 幸福身にあまって家の内も明るく楽しく暮されます信心なさい」
「願事 他人と共にして吉 我侭せねば諸事叶」
「待人 来る 驚く事あり」
「恋愛 思うようにならぬもあせるな」
「縁談 人にたのめば早く叶うひそかにしてよろし」


って感じで、そんな悪くないみたいなんだけど。
だけどまあ、相変わらず恋愛はダメなんだろうね。今年もまた。


3年前初詣に来たときには、海老とか野菜入りの揚げたてのカマボコを売ってる店が出てて
それ食べたいなあって期待してたんだけど、残念ながら今年、店はなかった。
昼揚げたてを食べて、夜もそれで一杯と思ってたのに。
3年前に見かけた猿の芸は今年も同じ場所でやってた。


大門から銀座まで歩いていく。
銀座は7丁目・8丁目・9丁目の辺りはさすがに閑散としていた。
どこもかしこも閉まっている。
有楽町の西武も阪急も元日から営業してるのかと思いきや2日から。


帰りの電車の中で携帯に届いた年賀のメールに返信する。
こういうの送ってくるのって女の子ばかりで、女の子ってマメだなあと感心する。


西友で買い物して、部屋に戻ってくる。
小説の続きを書く。
異常終了の件はその後連絡が取れて、対応方針について決まる。
夜は湯豆腐を作って食べる。
U2「The Joshua Tree」の20周年記念エディションのDVDを見る。


今年の元日は外に出ることもなく部屋の中でモソモソ過ごしているはずが
初詣に行くことができて、まあバッチが異常終了ってのもいいきっかけになった。
正月気分を味わえた。
そんなふうにポジティヴに考えることにする。

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ミヒャエル・ハネケ監督のボックスセットのうち
見てなかった最後の1本「タイム・オブ・ウルフ」を見た。
これはすごい。「コード:アンノウン」と並んで最高傑作の1つだと思う。


近未来のヨーロッパ。災厄が起きて社会は崩壊し、食糧難となる。
エゴむき出しとなった人間たちが表面上は手助けしあいながら日々を生き延びる。そんな話。
ミヒャエル・ハネケって、前にも書いたけど
見てて「いやーな気持ち」にさせるのがとてもうまくて、今回もまたやられた。
「ファニー・ゲーム」のような作為的な不快感ではなくて、
「タイム・オブ・ウルフ」の場合はどんどん状況が悪くなっていって
人間の醜い姿が次々と明るみになる辛さ。「早く終わってくれ」と何度も願ってしまった。


美しく、様々な可能性を案じさせる素晴らしいラストシーン。
しかし、よくよく考えてみると何の解決にもなってなくて向かう先は恐らく、絶望でしかない。
そこのところが「おおーっ・・・」と感心させられる。
その直前のシーンでは人類に対する希望を語ってたりするのに。