アカデミー賞 '08を予想する。

今年もアカデミー賞の季節がやってきた。
昨日、ノミネート作品の速報を見た。
「ほう、そう来たか」と思った。
ノーカントリー」と「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が評価高いじゃん。
両作品の監督のファンとしては嬉しいところ。
「つぐない」とこの3作品の三つ巴かな。
たぶん、今年もまた賞を独占する作品はないと思う。


作品賞も監督賞も「バベル」と言ってのけ、
昨年ことごとく外したにも関わらず、懲りずに今年も全部の賞を予想します。
しかも、この中で見たことあるの1本も無い状況で・・・
全部、勘です。

                                                                                                                                                  • -

【作品賞】


□「つぐない」
□「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
■「ノーカントリー
□「JUNO/ジュノ
□「フィクサー


個人的には、映画として一番面白くて見ごたえあるのは絶対「つぐない」だと思う。
先日発表のゴールデン・グローブ賞も取った。
だけどイギリス映画ってのがネックだし、
作品賞と監督賞の受賞が割れることはあっても、
作品賞にしかノミネートされていない作品が作品賞を取ったことは
とりあえず僕の知ってる限りでは存在しないので、なんかこれは無さそうだと。


JUNO/ジュノ」と「フィクサー」は監督のキャリアが浅いのでこれもないんじゃないか。
JUNO/ジュノ」のジェイソン・ライトマンの前作「サンキュー・スモーキング」はよくできてたけど。


となると、「ノーカントリー」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の一騎打ちとなり、
カンヌで下馬評が高かった割りに無冠に終わったことを
カンヌ嫌いのアカデミー会員に「高く」評価されて「ノーカントリー」が選ばれるのではないかと。


その他の賞は、「つぐない」が一人勝ちかも。

                                                                                                                                                  • -

【監督賞】


イーサン・コーエンジョエル・コーエン (「ノーカントリー」)
ジュリアン・シュナーベル (「潜水服は蝶の夢を見る」)
ポール・トーマス・アンダーソン (「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
ジェイソン・ライトマン (「JUNO/ジュノ」)
トニー・ギルロイ (「フィクサー」)


同じく、「ノーカントリー」でコーエン兄弟
最近は「レディ・キラーズ」「ディボース・ショウ」と
しょうもない雇われ仕事っぽい映画が続いていたけど、そろそろ復活の狼煙を上げるときかも。
僕としては「ファーゴ」で取ってほしかったが・・・


ポール・トーマス・アンダーソンも大好きなんだけどなあ。
パンチドランク・ラブ」も「マグノリア」も「ブギーナイツ」も
映画ファンからすれば最高じゃないですか。
でも、あの感性はアカデミー賞からするとかなりずれているような。

                                                                                                                                                  • -

【主演男優賞】


ダニエル・デイ・ルイス (「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
ジョニー・デップ (「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」)
ヴィゴ・モーテンセン (“Eastern Promises”)
ジョージ・クルーニー (「フィクサー」)
トミー・リー・ジョーンズ (「告発のとき」)


正直、あんまり面白くない顔ぶれ。
このラインナップだとダニエル・デイ・ルイスが別格なんだけど、
前に取ったことあるし。
まあそろそろジョニー・デップじゃないかと。


それにしてもダニエル・デイ・ルイスを担ぎ出した
ポール・トーマス・アンダーソンって偉いね。
スコセッシの「ギャング・オブ・ニューヨーク」以来?
あれも主演男優賞候補になったんですよね。

                                                                                                                                                  • -

【主演女優賞】


ジュリー・クリスティ (「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」)
マリオン・コティヤール (「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」)
エレン・ペイジ (「JUNO/ジュノ」)
ケイト・ブランシェット (「エリザベス:ゴールデン・エイジ」)
ローラ・リニー (“The Savages”)


「Ray」でジェイミー・フォックスが取ったように、なりきり系が好まれるみたいなんで
エディット・ピアフ」なんじゃないと客観的には思うのだが、フランス人は分が悪いだろうし、
なーんか勘で今、ローラ・リニー

                                                                                                                                                  • -

助演男優賞


ハビエル・バルデム (「ノーカントリー」)
トム・ウィルキンソン (「フィクサー」)
フィリップ・シーモア・ホフマン (「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」)
ケイシー・アフレック (「ジェシー・ジェームズの暗殺」)
ハル・ホルブルック (“Into the Wild”)


「夜になるまえに」のハビエル・バルデムが好きだから。ただそれだけ。


ケイシー・アフレックは初めてこういう賞にノミネートされたんじゃないだろうか?

                                                                                                                                                  • -

助演女優賞


ケイト・ブランシェット (「アイム・ノット・ゼア」)
シアーシャ・ローナン (「つぐない」)
□ルビー・ディー (「アメリカン・ギャングスター」)
エイミー・ライアン (“Gone Baby Gone”)
ティルダ・スウィントン (「フィクサー」)


ケイト・ブランシェットは以前助演女優賞を取ってるけど、
今回は主演女優賞もノミネートなのでどっちかは取るだろうと。
若き日のボブ・ディラン、つまり男性を演じるってのも評価のポイントじゃないかと。

                                                                                                                                                  • -

オリジナル脚本賞


■「JUNO/ジュノ
□「フィクサー
□“Lars and the Real Girl”
□「レミーのおいしいレストラン」
□“The Savages”


脚本賞はここ数年、「リトル・ミス・サンシャイン」「エターナル・サンシャイン
ロスト・イン・トランスレーション」と若い才能に与える賞となっているので、
今回は「JUNO/ジュノ」のジェイソン・ライトマンじゃないか。
ちなみに、ジェイソン・ライトマンの父親は
「ゴースト・バスターズ」を監督したアイヴァン・ライトマン

                                                                                                                                                  • -

【脚色賞】


□「ノーカントリー
□「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
□「潜水服は蝶の夢を見る
■「つぐない」
□「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」)


「つぐない」1個目の賞。
これまでの受賞作品から察するに脚色賞は「裏」作品賞的位置づけなんじゃないかと思う。
手堅い作品が受賞する傾向が強い。

                                                                                                                                                  • -

【長編アニメーション賞】


□「レミーのおいしいレストラン」
■「ペルセポリス
□「サーフズ・アップ


ペルセポリス」最高だったから。
でも、外国映画だからこれはないかなあ。
あくまで期待として。
ピクサーの新作なんで「レミーのおいしいレストラン」ですっていうのもなあ。

                                                                                                                                                  • -

外国語映画賞


□「ヒトラーの贋札」 (ドイツ=オーストリア/ステファン・ルツォヴィッキー監督)
■「ボーフォート ?レバノンからの撤退?」 (イスラエル/ヨセフ・シダー監督)
□“Mongol” (ドイツ=カザフスタン=ロシア=モンゴル/セルゲイ・ボドロフ監督、浅野忠信主演)
□“Katyn” (ポーランドアンジェイ・ワイダ監督)
□“12” (ロシア/ニキータ・ミハルコフ監督)


この辺からよくわからん。
ニキータ・ミハルコフアンジェイ・ワイダも円熟っていうか
「まだやってたの!?」って感じですが。
アカデミー外国語映画賞ってそういう老大家系作品が好きだからねえ。


浅野忠信主演で「Mongol」は日本で話題になるだろうけど、
なんとなくこれはなさそうな。


間とって、今のアメリカに一石投じてそうな「ボーフォート」

                                                                                                                                                  • -

美術賞


□「アメリカン・ギャングスター
■「つぐない」
□「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
□「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
□「ライラの冒険 黄金の羅針盤


「つぐない」2個目。
対抗馬はティム・バートンの独特の美意識ってことで「スウィーニー・トッド

                                                                                                                                                  • -

【長編ドキュメンタリー】


□“No End in Sight”
■“Operation Homecoming : Writing the Wartime Experience”
□「シッコ」
□「「闇」へ」
□“War/Dance”


戦争ものが取りそうに思う。
アメリカ大統領選挙の年だから。
でも、題名だけだと反ブッシュかどうかわからんのよねえ。


マイケル・ムーアの「シッコ」は今更ないでしょう。

                                                                                                                                                  • -

【撮影賞】


□「ジェシー・ジェームズの暗殺
■「つぐない」
□「潜水服は蝶の夢を見る
□「ノーカントリー
□「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド


「つぐない」3個目。
潜水服は蝶の夢を見る」が今年期待大の映画の一つなので、どっかでなんか賞を取るかも。

                                                                                                                                                  • -

【衣装デザイン賞】


□“Across The Universe
■「つぐない」
□「エリザベス:ゴールデン・エイジ
□「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜
□「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」


「つぐない」4個目。
エリザベス:ゴールデン・エイジ」がタイトルからして豪華絢爛な衣装だけど、
紅白の小林幸子的アレなんじゃないのと思わなくもない。

                                                                                                                                                  • -

【短編ドキュメンタリー賞】


■“Freeheld”
□“La Corona(The Crown)”
□“Salim Baba”
□“Sari’s Mother”


確率1/4、めんどくさいから最初のやつ。

                                                                                                                                                  • -

編集賞


■「ボーン・アルティメイタム
□「潜水服は蝶の夢を見る
□“Into the Wild”
□「ノーカントリー
□「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド


ボーン・アルティメイタム」見てないけど、すごいらしいじゃん。
意外と最多受賞はこれかも。
東大の大学院で映画批評をやってる後輩がカット割りのすごさを絶賛してた。
なので、これ。

                                                                                                                                                  • -

【メイクアップ賞】


□「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜
■「マッド・ファット・ワイフ」 (辻一弘リック・ベイカー
□「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」


日本人取ってほしいので。

                                                                                                                                                  • -

【音楽賞】


■「つぐない」
□「君のためなら千回でも
□「フィクサー
□「レミーのおいしいレストラン」
□“3:10 to Yuma”


「つぐない」5個目。
“3:10 to Yuma”って映画が気になります。
ユマってアリゾナの砂漠だったか。西部劇っぽい雰囲気を感じる。

                                                                                                                                                  • -

【歌曲賞】


■「ONCE ダブリンの街角で」“Falling Slowly”
□「魔法にかけられて」“Happy Working Song”
□“August Rush”“Raise It Up”
□「魔法にかけられて」“So Close”
□「魔法にかけられて」“That’s How You Know”


去年さ、「ドリームガールズ」の曲が3曲ノミネートされて
どれか取るかと思いきや「不都合な真実」の1曲となった。
票が割れるんだろうね。
今年もそうなりそうな予感。


ONCE ダブリンの街角で」ってその名の通りダブリンの映画でしょ?
ストリートミュージシャンの。
アイルランドからの移民の多いアメリカの人たちの琴線をくすぐるんじゃない?

                                                                                                                                                  • -

【短編アニメーション賞】


□“I Met the Walrus”
□“Madame Tutli-Putli”
□“Meme les pigeons vont au paradis”
□「春のめざめ」
■“Peter & the Wolf”


これも勘。題名だけだとどういう話なのかさっぱり想像もつかない。

                                                                                                                                                  • -

【短編実写賞】


□“At Night”
□“Il Supplente”
■“Le Mozart des Pickpockets”
□“Tanghi Argentini”
□“The Tonto Woman”


もっと分からん。

                                                                                                                                                  • -

【音響効果賞】


■「ボーン・アルティメイタム
□「ノーカントリー
□「レミーのおいしいレストラン」
□「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
□「トランスフォーマー


こういうところでポロッと「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が取るかもしれないが・・・
気がつくと僕は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」に1票も入れていない。

                                                                                                                                                  • -

【録音賞】


□「ボーン・アルティメイタム
□「ノーカントリー
□「レミーのおいしいレストラン」
■“3:10 to Yuma”
□「トランスフォーマー


やはり気になる“3:10 to Yuma”
音楽賞と録音賞でノミネートってことは、何かがありそう。

                                                                                                                                                  • -

【視覚効果賞】


□「ライラの冒険 黄金の羅針盤
□「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」
■「トランスフォーマー


去年見逃した1本。
割と見たかったけど、仕事が忙しい中でわざわざ時間割いて見たかったかというと
全然そうじゃなかった。