去年の後半ぐらいからポツリポツリと中村中の名前を目にするようになった。
今話題の「女性」シンガーソングライター?
・・・にしては珍しい名前だなあ。不思議系の人?
そのうち聞いてみっか。
ってことでほったらかしてるうちに紅白出場が決まって、紅白に出て。
(もちろん僕は紅白、見ていない)
今やすっかり有名ですね。あれこれ話題性もあり。
そんなわけで先日、
「ねーねーオカムラ君、ナカムラアタルって知ってる?聞いた?」
「あー知ってるけど、聞いたことないっす。どうすか?」
「1曲だけいい曲があったよ」
「紅白でやったやつですか?」
「そうそう、それそれ。『友達の詩』だっけ?でもそれ以外は、うーん、ってとこかな」
ってことで、そろそろ聞いてみっかと
昨日1枚目「天までとどけ」を買いに行って、夜聞いてみた。
僕も同じことを思った。『友達の詩』はいい曲だと思う。
これだけは繰り返し聞いてみた。
だけど他の曲は、「あーどっかでこれ聞いたことあるなあ」と。
70年台・80年代のどこかで歌謡曲として誰かが歌ったような、
90年代・00年代のどこかでリバイバルされたような。
つまり、とりたてて新しいものは感じなかった。
プロデュースの問題なのだろうか?
いや、そうじゃない。曲作りがまだ発展途上なのだと思う。
そもそも、中村中というその存在自体が輝きを放ちきれていない。
いろんなものを、有無を言わず刎ね飛ばすだけの力がない。
女性が聞いたら、どう聞こえるのだろう?
それが何よりも気になる。
歌詞の意味は、歌われることは、その声は共感を呼ぶのだろうか?
言葉が、突き刺さるのだろうか?
やはり『友達の詩』だけが飛び抜けている。
「あ、すげぇ・・・」とゾッとしたフレーズがあった。
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手を繋ぐくらいでいい 並んで歩くくらいでいい
それすら危ういから 大切な人は友達くらいでいい
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「あ、そうかも。そうなのかも」と思ってしまった。
思わず、本質を射抜いてしまった言葉。
人間という生き物の哀しい関係性について。
男と女の関係性について言ってるのに、そこには男も女も関係ない。
だから、僕も共感できた。
これが偶然なのかどうか確かめたいから、
次は2枚目のアルバムを買って聞いてみようと思った。
僕はこの人に、その声と歌に、生き物としての強さを聞きたい。