ニューヨーク旅行の準備 その2

今回は旅行代理店のカウンターで買うのではなく、
JTBのサイトからエアーのみを手配した。
購入後メールが届いて、そのプリントアウトとパスポートを
成田空港のカウンターで見せれば搭乗券に引き換えてくれる。
いわゆるEチケット。初めて利用する。
今から5年以上前、僕が旅行業界の仕事をやっていた頃は
このEチケットへの対応をどうするか?ってのが大きな課題だった。
旅行会社、航空会社、CRSという航空券予約端末を提供する会社、
各社それぞれ対応方針を模索していた。
旅行業界の仕事から離れて久しいので
トレンドがどうなってるのか分からないけど、
Eチケットは普通に浸透しているようだ。
「E」はもちろん「EメールのE」であって、
それまで紙で発券していた航空券を電子化しましょうというもの。


予約後届いたメールを見ていたら、
「ご出発ターミナルの確認方法および日程表について」という項目があって、
「Travelport ViewTrip」というサイトのURLが記載されていた。
https://mytripandmore.com/


PNR No. と Last Name を入力するとPNRで記録している旅程が表示される。
こんなふうに。
https://mytripandmore.com/Itinerary.aspx?PNR=4E5VQ8&clockFormat=12&lastName=OKAMURA
僕みたいな人間からすると、「すげー!!」となる。
5年前はこんな仕組みなかったよ。
というかこういうビジネスありそうでなかったよ。
思いついたとしても、実現するのは難しかったのではないか?
技術的な課題というより、あれこれいろんな方面への調整が必要そう。


PNRってのは「Passenger Name Record」の略で、予約した航空券の記録のこと。
予約者やフライトナンバー、ブッキングクラス、搭乗日などが電子データとして保管されている。
この様式は全世界共通で、CRSというオンラインの航空券予約端末を利用して登録・変更を行う。
たぶんどこかにでかいホストがあるんじゃないかな。そこにこの PNR が集積されている。
こういう仕組みが実現されているから、全世界どこにいようと、
アメリカン航空で5月30日に成田からニューヨークに出発する便というのがその場で予約できる。
このCRSって仕組みがなかった時代、航空券の予約はどういうふうになされていたのだろう?
ダブルブッキングみたいな間違いはたくさんあったのでは・・・


CRSとは「Computer Reservation System」の略。
CRS端末とそれに付随するサービスを提供を行う会社を
航空会社単独の子会社ないしは、航空会社が集まって関連会社として設立する。
前者は例えば、JAL系の「AXESSANA系の「INFINI」
後者は例えば、エールフランスやルフトハンザが立ち上げた「Amadeus」など。


これまでは要するにPNRに記載された情報を見たかったら
これらCRS端末から参照するしかなかった。検索して、表示。
どこの会社のだろうとその操作はコマンドラインベースで難しく、マニュアルは分厚く、
表示される結果も記号の羅列のようなものだった。
(あくまで、僕がいた5年前までの話。GUIベースで今はもっと改善されているかもしれない)
要するにPNRの参照というのは特殊技能、特権的な行為だった。
これを誰でも見られるようにしたのだから、このサイトはすごい。
(PNRを一部表示してるのはこれまであちこちのサイトであったんだろうけど)


僕がこれを見たときの「すげー!!」感、普通の人には絶対伝わらないんだろうな・・・
残念だ。


いろんな業界のお客さんを相手にしてきたけど、
僕として断然、旅行業界が面白かった。
続けたかったなあ。
そっち方面の転職があったら、今でも行きたいなあ。
でも、その当時から付き合いのある人に以前会って聞いたところ
CRS会社を取り巻く状況はなかなか厳しいのだそうな。


当時の僕はCRS各社の発券データの仕様という
もしかしたら日本で10人も知らないような特殊なノウハウを持っていた。
もったいないことをしたと今でも思う。
もう昔のことになるから書くけど、
僕が当時関わっていた大規模プロジェクトは、
次に発券データのXML対応に取り掛かるはずだった。
各社足並みを揃えてXML化を進めていて、それを全て取り込む。
このときいろいろ事情があって、このプロジェクトから喧嘩別れした。
続けていたらさらに先進的なノウハウが得られたはず。
それこそ、これで食ってけるだけの。
でも、喧嘩別れする前から「これは絶対大変だ」と断っていた。
やり遂げていたら、転職してただろうね。
どこかの会社で高く買ってくれたはず。
ちょっとした運命の分かれ道だった。


・・・書いてたらニューヨーク旅行とは何の関係もなくなってしまった。