これまでの人生で見てきたビデオクリップの中で
秀逸だと思うものを10個挙げて、Youtubeでまとめてみる。
今思いついた10個だから、明日には変わってるかもしれない。
というか「あれも」「これも」と追加したくなってるかもしれない。
そのときはまた考えます。
それにしても何でも転がってる You Tube ってすごいね。
今更驚くのもなんだけど。
でも本当は、画質がよくないのでオリジナルを見てほしい。
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□Beastie Boys 「Sabotage」
http://www.youtube.com/watch?v=-sbqIyeed4g
個人的にオールタイムベスト。たぶん永遠に生涯No.1
最高。スタイリッシュ、なのにファニー。そんでもってエキセントリック。
架空の刑事ドラマの架空のテーマ曲の架空のオープニングシーン
って設定がとにかくたまらない。
歌の内容と映像は何の関係もない。グループにも関係がない。
だけど「Sabotage」って言ったらこれ以上の映像は思いつかない。
天才スパイク・ジョーンズの真骨頂。
Beastie Boysだと「3 MCs and 1DJ」のクリップも笑った。
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□Four Tet 「As Serious As Your Life」
http://www.youtube.com/watch?v=b5OM82LTsU0
これは初めて見たとき、びっくりした。
どういう発想?もさることながら、
これってどう撮ったのだろう?どう編集したのだろう?
百聞は一見に如かず。見てほしいなあ。驚いてほしいなあ。
「My Angel Rocks Back And Forth」ってCD+DVDで見れます。
Four Tet だと東京で撮影された
「She Moves She」のクリップも秀逸。
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□Fatboy Slim 「Praise You」
http://www.youtube.com/watch?v=4ULVQOneeZE
これまた監督はスパイク・ジョーンズで
大真面目になって本人が出演している。というか踊っている。
さらにこれまた歌の内容と関係はなく、本人とも関係がない。
通行人役で Fatboy Slim が一瞬出演している。
しかもこれって出演でもなんでもなく、
オレのクリップ撮影してるから見に行くかっつったら
たまたま映ったという程度のもの。たぶん。
監督が主役で演奏者が添え物ってビデオ、初めて見たよ。
で、このビデオがグラミー賞でなんと大きな賞を取ってしまい、
このすっとこどっこいなおとぼけダンスが公の場で披露されてしまう。
その一部始終が「Directors Label」のスパイク・ジョーンズ版で見れます。
ファンは必見。というか、アートを志す人は見た方がいいと思う。
http://www.digital-voice.net/detail.shtml?id=244
つうか、この「Directors Label」が必携。
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□Chemical Brothers 「Star Guitar」
http://www.youtube.com/watch?v=CBgf2ZxIDZk
スパイク・ジョーンズの対抗馬ミシェル・ゴンドリーが監督している。
イギリスかどっかの鉄道に乗ってその車窓の風景を音楽に合わせて流してるだけ。
編集なし、ノーカット。
なのに音楽と映像がシンクロしてしまう、
というかシンクロしているように見えてしまうという不思議。
「これだけなら誰でも撮れんじゃん?」と素人は思ってしまうが、そんなわけはなく。
天才にはかなわねえなあ・・・、とため息が出る。
Chemical Brothers だと「Elektrobank」もいいね。これもスパイク・ジョーンズ。
それぞれ「Directors Label」で見れます。
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□Bjork 「It's Oh So Quiet」
http://www.youtube.com/watch?v=g8Z1MpcyqQU
Bjork で何か1つ入れとこうと思った。つうとやはりこれ。
悔しいことに、この監督もまたスパイク・ジョーンズ。
カンヌで主演女優賞を取った「Dancer in the Dark」とは180度正反対の
明るくてポップなミュージカル。
Bjork はその時々の最先端のプロデューサーないしは旬の演奏家とのコラボレートで
曲・アルバムを作っているけど、ビデオクリップもまた、そう。
前述のミシェル・ゴンドリーやクリス・カニンガムなど錚々たる面々が監督している。
その他もう一本挙げるならばクリス・カニンガムの「All is full of love」かな。
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□Red Hot Chilli Peppers 「Can't Stop」
http://www.youtube.com/watch?v=ldMUEJBA1tk
レッチリのクリップだけど、「Directors Label」のマーク・ロマネックので初めて見た。
「Directors Label」にはまって大御所のを集めたけど、
純粋にミュージシャンのビデオクリップとしてよくできているのはマーク・カニンガムのだと思う。
作家性を前面に映し出さず、主役はあくまでミュージシャンという姿勢が嬉しい。
スパイク・ジョーンズやミシェル・ゴンドリーのだと
彼らの作品の中に、ミュージシャンが曲を提供して出演もしますというものになってしまう。
マーク・ロマネックの以下のクリップ
johnny Cash「hurt」/ Linkin Park 「Faint」/ Audioslave 「Cochise」はロックファン必見。
ちなみにこのレッチリのクリップは
Erwin Wurm というアメリカのアーティストの
「One-Minuite Sculptures」にインスパイアされて作成されている。
どっかで元ネタを見たことがあるんだけど、どこだったのか思い出せない。
Erwin Wurm については、
http://www.galerie-krinzinger.at/kuenstler/wurm/wurm_ges.html
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□Radiohead 「Creep」
http://www.youtube.com/watch?v=nxpblnsJEWM
クリップが秀逸ってわけではないんだけど、
Radiohead がどうこう、Thom Yorke がどうこう、という以前に
Johnny Greenwood のギターがかっこいい。
サビに差し掛かるまでマネキンのように固まっていて、
いざその時が来ると「ガリッ」「ゴリッ」と音を出して
怒涛のフレージングになだれ込んでいく。
しかも、耽美的に腕を振り回して。ノイズを生み出していく。
これまで挙げたクリップがアートとしてかっこいいかどうかの視点で選ばれたものだとしたら、
このクリップはあくまでミュージシャンとしてかっこいいというもの。
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□New Order 「Perfect Kiss」
http://www.youtube.com/watch?v=sWn0FjYSazU
以前書いていた。↓参照。
http://d.hatena.ne.jp/okmrtyhk/20070602
思うところは変わらないので、そのまま持ってきます。
スタジオでライブ演奏を行うニュー・オーダー。
メンバーそれぞれの顔と楽器を演奏する手元を静止したフレームで淡々と切り取る。
ただ、それだけ。
なのにニュー・オーダーの何たるかを、その魂を、その存在感を、
(その演奏の壊滅的な下手さまで含めて)映像に焼き付けているように思う。
10分近い長さがあるのに、次の日見たヒストリーの方でもほぼ全部引用されていた。
やはりそれだけの意味のあるクリップなのだろう。
2回目なのに、見入ってしまった。
吸い込まれるような「何か」がある。
調べて見たら監督はジョナサン・デミ。「羊たちの沈黙」の。
というよりも Talking Heads の「Stop Making Sense」の。
言われて見ればよく似ている。ものすごく、よく似ている。
固定のフレームなのに、奇妙な熱気を帯びているところ。
ミュージシャンの内面をえぐりだそうとする、ある種解剖学的な作品となっているところ。
(「Stop Making Sense」はライブの模様を収録したものなのに、
観客の姿は一切映さず、ステージの上だけに焦点を絞ったことで当時は画期的な作品とされた。
熱狂的になったファンの姿を映すのが常識とされていたのを
あっさりと切り捨てることで逆に生々しい臨場感を生み出した)
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□Billy Joel 「We Didn't Start the Fire」
http://www.youtube.com/watch?v=UtUNPyo3anQ
小学校か中学校だったときにたまたまつけたテレビでやってて、
それ以来忘れられない。
僕の中でビデオクリップと言うとまず思い浮かぶのがこれ。
しっかりとしたストーリーと主張があって、オチがある。
ビデオクリップの古典的名作だと思う。
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□The Buggles 「Video Killed The Radio Star」
http://www.youtube.com/watch?v=6LB6Q_oycfQ
このクリップが取り立てて秀逸かというとそうでもないけど、
1981年にMTVが開局した際に
一番最初に放映されたクリップだったという歴史的価値に敬意を表して。
今見ると時代を感じさせるところは多々あるのは確か。
でもつまらないなあってことはなく、むしろ頑張ってるなあと感心させられる。
世の中の人はMTV時代、
映像をバンバン流して曲を流通させる時代が来ることを想像していなかった。
そんな状況下でここまでちゃんと作っていたというのは素直にすごいと思う。
もちろんビデオクリップはそれまでも作られていた。
しかし、今のようにシングル切ったら必ず作るってものでもなかった。
販売促進の経路の1つ、最先端かもしれないけど奇抜、ぐらいに過ぎなかったのでは。
つまり、多くの人が視聴するという保証はなかったわけですよ。
それが今や熱心なファンだけではなく、
たまたまそこに居合わせた、チャンネルを合わせた人も見てしまう。
メディアは絶えず進化するということ。ハードウェアも、ソフトウェアも。
時代の転換点を象徴する作品として、記憶に留めておくべき。
歌われる内容もまた、予言的なテーマをはらんでいる。