「英国美術の現在史 ターナー賞の歩み」

18日の日曜のこと。
午前中会社行って、午後は六本木ヒルズ東宝で「ミスト」見て、夜、池袋で合コン。
途中の時間が空いたから、映画の後で森美術館で「英国美術の現在史 ターナー賞の歩み」を見た。
http://www.mori.art.museum/contents/history/index.html
現代アートで最も重要な賞の1つ。
毎年ロンドンで授賞式が行われるんだけど、
マドンナがプレゼンテーターになった年があったりと華やか。
その模様もテレビ中継されるのだとか。セレブなお祭りっぽい。
今回の回顧展は1984年の第1回から、不況で中断された1990年を除く、
昨年2007年までの受賞作を一堂に集めたもの。


↓英国版の回顧展のサイトにて写真が見れる。
http://www.tate.org.uk/britain/exhibitions/turnerprizeretrospective/exhibitionguide/


彫刻だったり、写真だったり、映像だったり。
いろんなタイプの「アート」があった。
今のイギリスってこんな感じなのか。ふーむ。心の中で唸りながら歩く。


印象に残ったのは:
デミアン・ハースト「母と子、分断されて」(1995年)
 最初見たときは水槽の中に閉じ込められた親牛と仔牛の標本。
 ライムグリーンの液体、白地に黒の模様。きれいだなと思って近付くと
 実はそれって、胴体が真っ二つにされているという。水槽も細長く二つに分かれている。
 ショッキング。「美しい」ってなんだろう?と思った。
 アートとして現実から何かを切り取ったものなんだろうけどそれがいったい何なのか・・・
 だけどその存在感は果てしない。永遠に続く問題提起のよう。
 写真があった。
 http://roppongi.keizai.biz/photoflash/258/


□ギルバート&ジョージ「DEATH AFTER LIFE」(1984年)
 個人じゃなくて、ユニット。2人組。こういうのもありなんですね。
 70年代より人体を銅像に見立てたパフォーマンスで有名になったという。
「DEATH AFTER LIFE」はサッチャー政権下のロンドンを、
 当時広まりつつあったヒップホップ、グラフィティ・アート風に描いたってとこか。
 それでいて呪術的なアフリカン・アートのようでもあり。
 とてつもなくでかくて圧倒される。これは実物を見た方がいい。
 僕は見てて得体の知れない高揚感を得た。なんかすごいものを見た!という達成感を得る。
 http://www.artknowledgenews.com/Retrospective_of_the_Turner_Prize.html


□マーティン・クリード「作品227:ライトが点いたり消えたり」(2001年)
 部屋の照明が一定の間隔で点いたり消えたりするというだけ。
 ただこれだけの「作品」というかコンセプトが賞を取ってしまった。
 こんなの思いついたら誰でもできちゃうよね。
 でも誰もそういうの正面切ってアートって呼んで自らやってみようとしない。
 というか素人がいきなりそれやっても何の根拠もなくて。
 マーティン・クリードについて詳しくはないんだけど、
 ミニマルなコンセプチュアル・アートの追求の果てに到達した極地なのだと思われる。
 なお、マドンナがプレゼンテーターだったのはこの作品。
 部屋に入ると確かに、照明が点いたり消えたりした。
 ほんと、ただ、それだけ。

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森美術館を出て、展望台のアート・ギャラリーでは
「透明なスピード〜BMWアート・カー展〜」ってのをやってた。
http://www.roppongihills.com/jp/events/macg_bmw.html


ロイ・リキテンシュタインなど現代アート界の著名なアーティストが
デコレーションした BMV を展示するというもの。
六本木ヒルズの展望台って森美術館とこのアート・ギャラリーの料金込みで
\1500ってなってて、ついでに見た。


ギャラリーを出たところに、出品されていた各車体の模型が売られていた。
2万ぐらいだったろうか。
男の子が「わー」ってなりながら見てた。

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せっかくなので展望台も見ていく。
54階に行くのは行列になっていたので、53階のでまあいいかと。


ここもまた小さなギャラリーがあって、デニス・モリスの写真展「TIMELESS」をやってた。
http://www.timelessproject.jp/index.html
こちらは無料。
デニス・モリスって、あのデニス・モリスですよ!?
Public image Ltd.」のジャケットを撮影した。
展望台入ったらただで見れるの?太っ腹だなあ。


2005年の1月に原宿のラフォーレ
デニス・モリスが撮影した Sex Pistols の写真展「DESTROY」ってのがあって、見に行った。
http://ent2.excite.co.jp/entertainment/special/destroy/dennis.html


今回の「TIMELESS」はデニス・モリスがこれまでに撮った
様々なミュージシャンのポートレートが中心。
Patti Smith , Ian Dury, Bootsy Collins, Goldie , Beck などなど。
The Stone RosesHappy Mondays (特に BEZ) がかっこよかったねぇ。
Public image Ltd.」のジャケットの4人もね。
やっぱジョン・ライドンはかっこいいね。
↓写真が一部見れる。
http://www.timelessproject.jp/history/index.html


25日で終わり。10日ぐらいしかやってなかった。
僕はたまたま運がよくて巡り合わせた。
見れてよかったよ。