ニューヨーク その9(5月30日)

5月30日(金)の家を出て、その後。


丸の内線で東京駅、山手線で上野駅、京成線に乗って成田空港へ
というルートはここ何年かで変わらず。
京成線が信号故障でダイヤが乱れていると山手線のドア上のモニターで知る。
それもあって今回は安上がりに特急ではなく(1,000円)、
スカイライナー(1,920円)に乗ってみる。
倍近くなるけどスーツケース置き場があって座ってる間押さえてる必要はなく、
座席も新幹線のように広くなるので快適。指定席だし。
これからは成田行くときはスカイライナーに乗ろうと思う。


第2ターミナルのビルに到着して、まずは両替。
9万円が829ドルになる。レートは $1 = \108.59


アメリカン航空のカウンターに行って、
「Eチケットです」ってことでパスポートとプリントアウトした旅程表を見せる。
滞在先はどちらですか?と質問されて友人のところに泊まりますと言うと、
ではその住所を教えてくださいとさらに質問される。友人に聞いといてよかった。
911以後、この手のことは厳しいのかもしれない。
機内でI-94W(出入国カード)を書くときも、
また聞かれるんだろうなあと住所をちゃんと書くようにした。


スーツケースを預けて身軽になり、次はレンタルした DoCoMo の携帯を受け取る。
N900だったか。えらく旧式な型。
充電器や海外での電話の掛け方などのガイドが一緒になってキャリングケースに入っている。
「これ、今から使えるんですか?」って聞いたら
日本では使えず、渡航先に着いてから使えるとのことだった。
FOMAのカードを自分のからレンタルのへと入れ替えしなくてはならず、
それぞれの中を開けてバッテリーを取り出してどこにそれがあるか確認する。
この受取所の辺りは空港3階出発ロビーの外れにあって、がらんとしていて、
目の前には修学旅行なのか揃いのライムグリーンのポロシャツを着ていた集団がいた。
引率の先生が「座席確認したか!?」と大声で注意して回っている。


保険に入っておこうと探す。
正面玄関真向かいに円形のブースが3つ寄り集まって三角形になっているのを見つける。
保険の素人の僕には何がどう、と選びようがないから正面にあった損保ジャパンを選ぶ。
こういうとき、「位置って大事だよな」と思う。
他の2つ、三井住友や東京海上よりもはるかに有利なんじゃないかと。
保険は一番安いのに入っておく。8日間で4,750円。
死亡時にいくらになるのかとか金額の説明を一通り受けるが、すぐに忘れる。


18時のフライトで、成田に着いたのは14時過ぎ。思いっきり時間が余る。
後は出国審査を受けて機内に乗り込むだけ。
身軽な気分だった僕はビールが飲みたくなり、4階に上がって手頃な店を探す。
外れの方にたこ焼きの店を見つける。
たこ焼きとビールのセットがちょうど1,000円だったか。ビールはお替りする。
たこ焼きそのものはそんなにおいしいものでもなかったけど、
今から海外に出るという幸福感でビールがこの上なくおいしい。


本屋に入ってヘミングウェイの短編集を探すが見つからず。
武器よさらば」ぐらいしか売っていない。
4階の免税店や日本土産の店の辺りをブラブラと歩く。
就職活動中なのか、リクルートスーツに身を包んだ女子学生の姿をちらほらと見かけた。


出国審査へ。
「自動化ゲート」ってのがあって驚く。去年はなかった。
でも、これを利用するには事前登録が必要みたいで。
見てたら一人、日本と海外を往復してそうな風情の
(つまり、どことなく日本人っぽさを漂白したような)40代ぐらいの男性が利用した。
この出国審査というやつも行列にはなるけどそんなたいした時間がかかったり
あれこれ質問されることもないのだから
わざわざ自動化するまでもないと思うんだけど、どうなんだろう?
やはり必要なのだろうか。


AA168のロビーに移動する。アジア系の人たちが多い。
日本で乗り継ぎということなのか。
隣のロビーでは何かの社内イベントなのか、
整備士の制服を着た若い職員たちが20人ぐらいとパイロット、
空港職員の女性が窓際に集まってJALの機体を皆で眺めていた。
整備士の訓練生が初めて整備した機体とか、そういうことなのだろうか。


「AKIHABARA」という名の電化製品の DUTY FREE があって
大勢の外国人観光客で賑わっていた。


シャトルに乗って向こう側へ。
こちらでもまた本屋でヘミングウェイを探す。見つからない。
日本の作家で気になるのを読もうと物色する。
山本文緒の「プラナリア」と奥田英朗の「イン・ザ・プール」と乙一の「ZOO」で迷って
「ZOO」にする。
あと、泊めてもらう友人に頼まれていた日本の雑誌ってことでAERAとFALSHを買う。
ロビーに戻って中上健次の「枯木灘」の続きを読む。
もう一冊あったほうがいいだろうと思って、再度シャトルに乗る。
村上春樹の「シドニー!(コアラ純情篇)」を買う。


母に「今から行くよ」と電話をする。
母は「絵葉書送ってくれればそれでいいから。お菓子とかいいから」と言う。


海外旅行慣れしてきて、成田空港ごときでは写真を撮らない。
時間が来て、機内に乗り込む。


搭乗前、「お客様のお呼び出しを申し上げます。○○様、○○様」というのを日本語や英語で繰り返す。
「AA168 Mr. …」
いろんな人の名前が呼び出される。
あれってどういう状況なのだろう?○○様にどういう問題が起きているのだろう?
といつも不思議に思う。