ニューヨーク その18(6月1日)

okmrtyhk2008-06-16


バッテリー・パークからロウアー・マンハッタンへ。
ウォール街を目指す。お堅い(?)場所柄かこの界隈は人通りが少ない。
まず目に飛び込んできたのは大きな牛。「ブロンズ・ブル」
やんちゃな人がその背に乗って、周りの人たちが写真を撮っていた。
地球の歩き方」にはこう書いてある。
「作者のダイアナ・モディカが、人々にクリスマスプレゼントをとゲリラ的に
 証券取引所に置いたという彫刻」


ウォール街へ。
ニューヨーク証券取引所とフェデラル・ホール・ナショナル・メモリアルが
斜めに向かい合わせに建っている。
ニューヨーク証券取引所の前は柵が設置され、入口の前にはガードマンが立っていた。
ローマの遺跡のよう。建物前面には大きなアメリカ国旗が掲げられている。
一方、フェデラル・ホール・ナショナル・メモリアルはギリシャの神殿のよう。
合衆国成立当時の連邦政府のホール。
ジョージ・ワシントンが大統領就任の宣誓を行ったことから
ホール正面の階段には彼の銅像が立てられている。
ウォール街はかつて大手銀行の本社が集まっていたが、
今ではみなミッドタウンなどより発展しているエリアに移転してしまっているそうだ。
自由の女神の後からここに来てみるとそれなりに観光客はいるものの閑散とした雰囲気を感じる。
しょうがないか。日本でも兜町の土日って人通りほとんどないもんな。


すぐ近くのトリニティ教会へ。ニューヨーク最古の教会であるという。
教会そのものは細長く大きく、教会堂の中は5階か6階の高さ。信徒席も奥の方までずらりと並ぶ。
祭壇の背後には大きなステンドグラスが控える。
外の喧騒が嘘のよう。空気が冷たくひんやりとしていた。


ワールド・トレード・センターへ。
ここは割りと普通にただの工事現場だったような・・・
囲いで覆われて、中ではクレーン車が何台か静止していた。
この日のこの時間帯は風もなく、アメリカの国旗がだらりと垂れ下がっていた。
交差点には写真の入ったファイルを手にした男性が何人か立っていて、観光客に話しかけていた。
ガイドなのだろう。ボランティアなのか、あるいはチップが目当てなのか。
幸いにも僕らは話しかけられなかった。


その隣には鉄道の駅があって、「PATH」と呼ばれるニュージャージー行きの路線。
ニューヨークにしてはモダンなデザインの駅。
地下の改札まで下りていく。
アッちゃんはエスカレーターの一番下でピョンと飛び降りるのがうまくいかなくて、ご機嫌斜め。
(これがきっかけとなったのか、その後いくらなだめても激しく泣きじゃくって駄々をこねて・・・)


最後に、聖パウロ礼拝堂へ。
これは先述のトリニティ教会の礼拝堂に当たる。
ここは 911 の聖地になった。
ワールド・トレード・センターの正面にあって、
崩壊跡地で救助活動を行っていた人たちの支援所となった。
礼拝堂の中には(恐らく)救助のさなかに命を落とした人やいまだ行方不明の人の写真や遺物、
あるいは世界各地から送られてきた
「祈り」の替わりを果たすもの(ぬいぐるみや千羽鶴)が飾られている。
妙に生々しい。失われた人は帰ってこないし、見つからない人もまた帰ってくることはないだろう。
写真のことごとくが笑顔だというのが心に突き刺さる。
バッテリー・パークの「The Sphere」と並んで、911 とは何かを後世に語り継ぐモニュメントだと思う。


地下鉄で GCT まで行って、そこで同期の奥さんとアッちゃんとはお別れ。
一足先に帰る。GCT で見送る。


同期と僕はシェイ・スタジアムでメッツ−ドジャース戦を見る。
メッツのクラブハウスが GCT の近くにあるみたいなのでそこでチケットを買おうとするが、
行ってみたら休みだった。GCT へと引き返す。


クイーンズを走る?番線に乗る。この終点の1個前がシェイ・スタジアムのある駅。
GCTの構内からメッツのユニフォームを着たファンの姿が目についた。
?番線は各駅停車で、後半は駅の間隔が短くなりまるでバスのよう。
こりゃ長くかかるかもな、と思ったが30分で着いた。


駅からスタジアムは直結。
歩く人がメッツのユニフォームを着てるのは当たり前。
当日券を買う。1階席奥、3塁側で49ドル。まあ安いんじゃないだろうか。
今シーズンの日程表と、オマケとしておもちゃの扇風機をくれた。
もちろん乾電池は入っていない。
大リーグの好きな人がいたらあげようと思う。


スタジアムに入る前に手荷物検査を受ける。
検査と行っても空港のようなゲートがあるわけでもなし。
人手でカバンの中を念入りに調べるというだけ。
この念入りってのがやっかいなので、
球場には鞄を持って行かないようにするべしというのが最近の傾向なのだそうな。
なので今日一日、同期は小さなセカンドバッグのみ、
僕はカーゴパンツのポケットにデジカメや財布を入れて「地球の歩き方を」手に持っただけにした。


スタジアムの中に入って、メッツ−ドジャース戦のプログラムがあったので記念に買う。5ドル。
でもこれはもちろんこの試合のためのものではなくて、今回の「節」のためのもの。
マリナーズ戦とドジャース戦が共用。
野手の打率や投手の防御率などあれこれデータが載っている。
スコアカードも自分で記入できるようになっている。
後は写真とコラムなど。


席の位置を確認するとさっそく売店にホットドッグとビールを買いに行く。
ホットドッグが $4.75 でビールが $8.00 、フレンチフライが $5.00 となる。
高いなあと思うがスタジアム価格か。
日本でドームに同じように飲み食いしても同じぐらいかかる。
その後ペプシを買ったら $5.25 だった。
ビールを買うときはIDが必要になるので、同期に一緒に買ってもらう。


目の前でドジャースの選手たちがウォーミングアップを続けている。
内野席に座ってホットドッグ食べながらビールを飲む。
夕暮。風が涼しい。最高のひと時。
これだよ、これ。僕がアメリカに求めていたもの。