ニューヨーク その20(6月2日)

okmrtyhk2008-06-18


6月2日、月曜。起きた時刻をメモっていた。「6:19」4時間しか寝ていない。
同期と一緒に早けりゃ 7:20 ないしは 7:40 の
GCT(グランド・セントラル・ステーション駅)行きに乗ることになっているので
慌てて荷造りをする。ここ2日間で買ったものなど、スーツケースに詰め込む。
デジカメや携帯の充電器も片付ける。
3日間泊めてもらった同期の家とも今日でお別れ。


風邪は治らず、喉が焼け付くように痛い。
また、昨日一日Tシャツ1枚で行動していたら腕が日に焼けてしまった。ヒリヒリと痛む。
日焼け止めは塗ったものの、この日1日は上に長袖のシャツを着て行動することに決める。


下に下りていく。月曜の朝なので同期の奥さんは既に起きて朝食の準備をしていた。
トーストにジャムを塗って食べる。
アッちゃんがトテトテとキッチンに入って行って何かを取り出して、また戻ってくる。
「はい」と僕にまだ封を切ってないチョコレートをくれる。
メイプルシロップ入りのチョコレート。食べるとものすごくものすごーーく甘い。
僕は2切れ食べるのが精一杯。
「先週モントリオールに行ったときに買ってきたんです」と同期の奥さんが言う。
そういえば同期は F1 の試合を見に行こうと車で一家3人でまずは下見に行ったんだけど、
(ニューヨークから車で何時間というレベルなので
 実は普通に行けなくもない。ナイアガラに行くのとたいして変わらない)
レース観戦中に小さい子供を預ける施設もなく、これではムリと断念したのだそうだ。
本当ならばレースは僕が泊まった週末の翌週に行われることになっていた。


その小さい子供:アッちゃんは僕を庭に連れ出して遊ぼうとせがむ。
僕の腕を引っ張る。人形やブロックを持って走り回り、おもちゃのバイクに乗って駆け回る。
僕は「おねえちゃん、おねえちゃん」と何度も呼ばれる。
(おにいちゃんとおねえちゃんの区別がついていない)
すっかりなついたそのおねえちゃんが気がつくと居なくなっているわけで
夜は「おねえちゃん、どこ!?」って泣き出すんだろうな。
そう思うと、ちょっと切ない。


同期がなかなか起きてこない。
月曜の朝だからメールをチェックしたい、
時差の関係でこちらが1日近く遅れていて日本の本社から月曜分の問い合わせも来ているだろうし。
ってことで8時過ぎには会社に着きたいってことになっていたのに、
結局 7:57 の9時出社ギリギリに間に合う時間の列車になる。
昨日遅くまで起きてたもんな・・・
悪いことをした。
メジャーリーグの試合とミュージカルは日にちを別にすればよかったか。
そもそも僕自身も寝不足。


奥さんの運転する車で駅まで送ってもらう。
同期は日本と違ってラッシュというものはない、
どこかしら空いている席があっていつも座っていると言う。
その同期は空いている席を見つけたが、
僕はスーツケースを持っていたので、僕は席には座らずドアの近くに立つことにする。
マンハッタンへと向かうビジネスマンが
顔見知り同士なのか固まって座って持ち寄った新聞を回し読みしている。
車掌は1度だけ回ってきて、僕の持っていた切符を回収される。
立ってる乗客って、いつもの、パンチして座席の背に挟み込む細長いカードってどうするのだろう?
また回ってきたときに切符のことを聞かれたらどうしたらいいのだろう?
と不思議に思うが、カードをもらえたりはしなかった。
見ると座ってる乗客たちの座席の背にもカードはなし。
その後車掌も改札に回ってこない。
どこかの駅を出たら、その後川を渡りマンハッタンに出てスパニッシュ・ハーレムの駅まで停車せず。
通勤快速みたいなもの。だから一度回収したらそれっきりでパンチしたカードは不要というわけか。


GCT で同期とは別れる。次に会うのはいったい何年後になるだろう?
駐在生活を終えて日本に戻ってきたときか。
それともこちらにいる間に僕のニューヨーク再訪はあるのか。
「じゃあ」ってんであっさりと別れる。


地下鉄に乗る。
土日は常に同期やその家族と共に行動していて、1人きりでの移動は空港到着以来となる。
初めてニューヨークの地下鉄に1人で乗る。しかもスーツケースを持って。
とはいえ身の危険は何も感じない。
9時を過ぎていて、ピークをずれて通勤先へと向かう人々が大半か。車内は静かなもの。


GCT から?番線に乗って Downtown 方面へ。ユニオン・スクエア駅で (R) に乗り換える。
イースト・リバーを渡って、「4AV-9ST」駅へ。
ここに大学の映画サークルの後輩がルームシェアしながら住んでいる。
何の問題も着く。後輩に携帯で連絡を取る。
「何が見えますか?教会あります?」見ると通りを渡って向かいに教会がある。
「じゃあ間違いないですね。今から迎えに行きます」
駅から5分もかからないと言う。


ブルックリン。様々な色に塗られた、古びた壁を持つ建物が密集している。
3階建てのアパートが多い。ゴミゴミしている。
これまで滞在していたホワイトチェスターの郊外の高級住宅地とは180度違う。
あちこちにデリ・グローサリーがあって、看板を出している。壁一面に大きな広告を貼っている。
だけど僕がイメージしていたブルックリン、「グラフィティ・アートだらけ」ではない。
というか、見かけない。
僕の印象としては、総じて3年前に訪れたメキシコシティの街並みに似ている。


後輩が到着する。1年ぶりの再会か。前に飲んだのはいつだろう?
アパートは確かにすぐ近くだった。2ブロック先。
ニューヨークを舞台にする映画でよく見かけるような、薄暗い通路、狭い階段。
「ああ、ニューヨークだなあ」と思う。


部屋に到着する。
僕は後輩の部屋に寝泊りすることになり、
後輩は共用のリビングのソファーに寝ることになる。申し訳ない。
お土産の焼酎を渡す。


9時半。さっそく「どこ行きます?」となる。「今日はお供しますよ」と。
後輩は資格試験の勉強のためにニューヨーク滞在をしていて、こっちで働いているわけではない。
午後は図書館で勉強するが、それまでだったらニューヨークを案内しますと。
予定を聞かれて、特に決めてないと答えると
ブルックリン・ハイツを散策して、ブルックリン・ブリッジを歩いて渡り、
マンハッタンに入ってチャイナタウンまで行って飲茶を、となる。いいね。
旅行会社の「ニューヨーク1日観光」みたいなオプショナルツアーには出てこない、
ニューヨークに住んでいる人ならではの観光ガイド。


あっとその前に、と「ニューヨークいる間、これあると便利ですよ」と
「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」
http://www.amazon.co.jp/dp/4062130831
小さくて持ち運びに便利で。
アメリカンな食べ物だけじゃなく、各国・ジャンル別の料理で
安くておいしいものがカラー写真で紹介されている。
お薦めです。


前の日、日に焼けて腕がヒリヒリと痛むので
この日は日焼け止めを塗ってさらに長袖のシャツを着て歩く。
次の日もその次の日も、結局どんなに暑くても長袖のシャツを着て歩いた。
ニューヨークいる間に鼻のてっぺんの皮が剥けた。