ニューヨーク その26(6月3日)

okmrtyhk2008-06-24


さらばコニー・アイランド。
ブルックリンの南の端からマンハッタンのアッパー・イースト・サイドまでえんえん戻る。
グッゲンハイム美術館へ。
地下鉄は(R)ラインに乗る。途中乗り換えをあれこれすれば早く着いたのが、
今日は時間があるってことでぼけっとそのまま乗っていく。
ずっと「カンバセイション・ピース」を読む。


ユニオン・スクエアで各駅の?号線に乗り換えて、「86ST」で下りる。
セントラル・パークまで東に2ブロック歩いて、北に2ブロック。
丸みを帯びたラインが特徴的な、グッゲンハイム美術館の建物が見つかる。
かのフランク・ロイド・ライトが設計している。
http://www.guggenheim.org/new_york_index.shtml


なんと、工事中・・・
周りを足場で囲まれ、工事現場用のカバーで覆われている。
2007年「地球の歩き方」を参照すると「2007年3月現在改装工事中」とあるが、
1年かかってまだやってるか。
(後輩も、ニューヨークは工事が遅い、アパートの前の工事もずっと続いているとぼやいていた)


中も工事中で、展示が下半分だけになっている。それもあって、入場料は半額の9ドル。
6階建てのドームを螺旋のなだらかな通路が取り囲み、この通路に特別展が展示されるという構造。
このときの特別展は Cai Guo-Qiang の回顧展「I WANT TO BELEIVE」
天井から吊り下げられた9台の車から、火花を模した光るチューブが無数に伸びている。
この製作過程が下のページで見ることができます。面白いので時間のある人は見てください。
http://www.guggenheim.org/exhibitions/exhibition_pages/cai.html
蔡國強(ツァイ・グオチャン) Cai Guo-Qiang は中国福建省出身で現在ニューヨーク在住のアーティスト。
80年代半ばから90年代半ばまで日本に滞在している。
http://www.caiguoqiang.com/pdf/cai_cv_jap.pdf
この回顧展のその他の展示物としては、無数の矢を撃たれた虎たち、群れを成して走る狼たちの剥製など。
螺旋の通路をこれら狼たちが一点をめがけて走ってるんですよ。
グッゲンハイム以外の場所で見たら、つまらなかっただろうな。
これは面白いものを見た。


常設展はちょっとだけ。
何を見たか記憶がはっきりしない。パウル・クレーカンディンスキーの小品だったか。
ミュージアム・ショップでは、画集を買おうかどうか迷って結果買わない。
作品を見たわけではないし、30ドル近くして高いし、大きくて分厚いし。
絵葉書を3枚だけ買う。ピカソが1枚、グッゲンハイム美術館を描いたものを2枚。


グッゲンハイム美術館って言うと、
現代アートの寵児マシュー・バーニーbjorkのパートナーでもある)の摩訶不思議な映像作品
「The Order」がここで撮影された。
http://db.geneon-ent.co.jp/search_new/show_detail.php?softid=450421
それを自分で歩くことができたので、それだけでも僕としては満足。
この美術館の建物そのものが現代アートの頂点の1つであるように思う。


グッゲンハイムを出て、5番街に戻る。
歩いていくうちにホイットニー美術館に行き着く。
月・火と休みなので次の日、水曜に入るつもりでいた。
玄関が開いている。やってるのだろうか?と入ってみる。
しかし休館日なのは変わらず。ミュージアム・ショップと地下のカフェだけ営業していた。
ミュージアム・ショップであれこれ見てみる。
CDが売られていて、Tony Conrad, Charlemagne Palestineといった現代音楽系のアーティストや
John Zorn や D.N.A. などの NY アンダーグラウンドなミュージシャンの作品が売られていた。
Soul Jazz Records 「New York Noise」シリーズとかね。
(これまた欲しくなるけど、日本でも買えると我慢、というかめぼしいものは持っていた・・・)
Soul Jazz Records のコンピで「Big Apple Rappin'」ってのがあって、
ニューヨーク土産によさそう。
70年代半ばのニューヨーク、ヒップホップ・カルチャーの創成期の音を集めている。


いわゆる「5番街」を歩いてみよう、と思う。ティファニーとかね、そういうイメージの。
その前にセントラル・パークを再訪。
土曜に見逃したダコタ・アパートとシープ・メドウをこの機会にちゃんと見ておこうと。
セントラル・パークの東側から西側へと突っ切る。
ジョギングしている人は土曜と比べて少ない。当たり前か。
小さな子供を連れたお母さんたちのグループ、ってのが多かった。
売店でコーラを買おうかと思って歩いているうちに、ワインの飲めるカフェがあった。
「あー飲んじゃおっかなあ」と迷う。
緑茂るセントラル・パークの芝生を眺めながらワイン。いいじゃないですか。
ダコタ・アパートを見た帰りにするか、と考えて通り過ぎる。
(で、帰りは道が分からなくなってカフェを見つけられず・・・)


シープ・メドウ。
セントラル・パークと言って思い浮かぶ光景「マンハッタンの摩天楼に囲まれただだっ広い芝生」
正にその場所。
ビニールシートを広げて、ピクニック。
走り回る我が子を見守る両親。
ベビーカーを押すまだ若い母親が連れ立って、木陰に向かって歩いていく。
木々のやっぱ向こうに見えるビル群がどことなく、シュール。
空の青、照り映える緑の芝生。
ブルックリン・ブリッジと並んでニューヨークで見た忘れられない風景の1つ。
(ビキニな女性もちらほらといましたよ)


「72ST」側出口を出て、すぐにダコタ・アパート。荘厳な雰囲気の由緒ある建物。
入口に門番が立っていて、バックパッカーに「ここがダコタ・アパート?」と聞かれていた。
ジョン・レノンはここに住んでいたのか。
そしてここで殺されたのか・・・
入口の前にとても大きな高級車が停まって(車のことはよく分からず)
運転してきた男性が門番の男性と談笑する。
ジョギングしてきた女性が中に入っていく。
一見して普通のニューヨーカーだけど、恐らく資産家の娘なのだろう・・・
オノ・ヨーコは今でもここに住んでいるのか。


セントラル・パークに戻る。
広場にフラフープを広げ、ボンゴを叩きながら黒人が
「フーラフ〜プ、フーラフー〜プ、フッフー」と歌っている。
まだ小さな黒人の女の子がフラフープを見よう見まねでヘロッとやってみて、
母親が脇でそれを退屈そうに見ている。
白人の観光客っぽい女性2人がトライする。
フラフープ使用料は任意の寄付。カゴの中に入れる。


土曜に来たときは気付かなかったけど、
セントラル・パークは馬車が多く走っていて、馬の匂いが園内を常に漂っていた。


東側の出口に戻る。
このまま5番街に行くのもつまらんよな、とセントラルパークの中を南に下って行って
そこから5番街に入ることにした。
緑が多くなる。巨大な岩が地面からにょきっと突き出ている。池というか沼があったり。
南の端に動物園があって入ろうかとも思うが、入場料が10ドルと高くて諦める。
この入口の前の広場にてジャズバンドが演奏していた。ベースと女性のドラム。
トランペットの日本人らしき男性が帽子を持って回って、
ベンチに座っている人たちに寄付を求めていた。


この近くの丘の上にチェス・クラブの事務所が。園内の地図を無料でくれる。
クラブハウスの周りには木陰にベンチと台が用意され、多くの人たちがチェスを差していた。