ニューヨーク その32(6月4日)

okmrtyhk2008-06-30


食べた後、とにかく具合が悪い。
吐き気がして、めまいがする。
しかしさすがに道端で吐くわけにはいかない。
公共の場をなんちゃらってことで通報を受けて逮捕されるかもしれないし、
周囲の人間が感染するようなウイルスを抱えているかも
っていうことで病院に搬送されるかもしれない。
明日帰るって時にそれはやっかいだ・・・
というか、いいもの食べたら腹壊したってのが納得いかない。
高級店入って片言の英語でオーダーするという難行も果たしたわけだし。


地下鉄の駅を探して、乗る。イースト・ビレッジへ。
?号線に乗って、「Astor Pl. 8St.」まで引き返す。


車内の広告でよく見かけたので、なんとなくメモったこと:
Last year 1,944 New Yorkers saw
something and said something.
Thank you for keeping your eyes and ears open.
And not keeping your suspicions to yourself.
If you see somthing, say something.
Tell a cop or an MTA employee, or call
1-888-NYC-SAFE


MTA とは Metropolitan Transportation Authority のこと。
安全だと思っていた地下鉄であっても、通報されただけで 2000 件近い、
犯罪につながる可能性のある不審な行為があったわけだ。
365で割ると、1日7件弱で、各路線に割り当てると
2日に1度はどの路線であっても何かが起きているということになる。
通報されていない出来事を加えるともっとというか、かなり増えるだろう。


「Astor Pl. 8St.」で下りる。
駅を出ると大きなさいころ型の黒いオブジェが、頂点の1つを下にして立っている。
イースト・ビレッジは小さな日本人街のようになっている。
ガイドブックにも載っている居酒屋「ケンカ」と「大将」を見かける。
日本人らしき人たちが歩いていて、蕎麦屋だったり焼肉屋だったり日本食の店がたくさんある。
「来来軒」とかね。冗談としか思えない。
日本人向けの美容室なんかもある。


こういう中に、CBGBがあったかと思うと不思議だ。
CBGBパンク系ライブハウス。
1977年より前から、Ramones や Television に Blondie など名だたるバンドが出演してきた。
後の世代だともちろん、Sonic Youth 辺りも普通にライブを行っている。
さらに後の世代、Agnostic Front といったハードコア・パンクも利用してたはず。
ニューヨーク・パンクの聖地。
見たかったんだけど、どうにも見つけられず。いろんな通りを行ったり来たりウロウロする。
元々の店舗は諸事情により閉店して近くに移転したみたいなんだけど。
ライブハウスじゃなくてショップとして。
CBGBについては↓このサイトが詳しい。
http://blog.excite.co.jp/cbgb
あと、オフィシャルサイト。
http://www.cbgb.com/


歩いているうちに、STOMPの劇場を見つける。
ブロードウェイじゃなくてここだったのか。
あと、Theater for the New City ってのがあった。
オフィシャルサイトを見たらピューリッツァー賞受賞の演劇コミュニティーとある。伝統ありそう。
「God Loves Tiny Tim」っていう1人芝居があった。タイニー・ティムの生涯かあ。
http://www.theaterforthenewcity.net/tinytim.htm
こういうところからオフオフ・ブロードウェイが始まるのだろうか。
下北沢の劇場みたいなものなんだと思う。


後輩から聞いていた Kim's Video に入ってみる。品揃えがいいからと。
確かにこれはいい。1階は新譜と中古のCDで、2階はDVDとなる。
「tzadik」コーナーとかちゃんとあってさ。パンク・ニューウェーブ以後全般揃ってる。
掘り出し物ありそう。絶対。
だけど、いったん蓋開けてしまったら10何枚と買い込むことになりそうでお金が続かない。
なくなく断念する。
John Cassavetes 「Love Streams」のDVDが実はアメリカ版だとある、とかさ。
ずっと探してる Sonic Youth 「Walls Have Ears」だけは「S」のコーナーを見てみた。
http://www.yelp.com/biz/kims-video-new-york-2
↑このレビューを読むと、この店はニューヨークでも随一のマニアックさ。
集まってくるバイトの店員もとてつもない知識レベルでないと雇ってもらえなさそう。
日本にこういう店があったら僕が働きたくなった。


ここまで書いているのを読むと体調の悪さがそんなでもなさそうだけど、
実際はヨレヨレになって最後の体力を振り絞って歩いていた。
余りにも辛くなって教会の外のベンチに腰を下ろしたら立てなくなる。
これではいかんとなんとか立ち上がって近くにあったスタバに入って、
アメリカン・コーヒーをオーダーして、外の席に座ってしばらく体力の回復を待った。
本は読めたので「カンバセイション・ピース」の続きを読んだ。
隣の席ではフランス語の個人レッスンが行われていて、
僕がボールペンを落とすと教えてくれた。
しかしそれを手を伸ばして拾い上げるのが大変で・・・
コーヒーも砂糖とミルク無しで飲んでたら、
焦げたような苦味だけで全然飲めなかった。
街行く人を眺める。日本人っぽい人たちがやはり多い。
あと、アメリカ人だと大学院生みたいな人たちとか。
髑髏だの十字架だのを描いた黒いTシャツを着た
メタルかパンクのミュージシャンみたいな人たちも見かける。


30分か1時間ぐらいいて、ようやく立ち上がる。
日本人向けのスーパーマーケットを探す。
これまた歩き回って、こっちは最後の最後に見つけることができた。ビルの2階。
日本人が働いてて、日本人が買いに来る普通のスーパー。日本語ばかり聞こえてきてほっとする。
日本のスーパーのように整然としてるかというとそんなことはなく、
どことなくごちゃっとしてるのはここがアメリカだからか。
確かに日本の食材の多くが買える。普通のものだったら不自由しない。スナック菓子なんかも。
弁当のコーナーでは普通に幕の内弁当や巻き寿司が売られていた。
肝心のポケット・ティッシュを探すが見つからない。
店員に聞いてみても「ない」と言われる。
なぜないのだろう?後輩が言うようにみな、スタバやマックの紙ナプキンを使うからか?
とりあえず諦める。さっき入ったスタバで紙ナプキンを束ごともらってきたので差し当たり困らない。
入口のボードには「英会話教えます」「ベビーシッター急募」といった貼り紙が。
バイトの募集やコミュニティーの催し物もあったりして。
こういうところで日本人たちは情報の交換をしてるんだろうな。