ニューヨーク その34(6月4日)

okmrtyhk2008-07-02


ホイットニー美術館を出る。
体調は割りと回復していたものの、ギブアップ。
吐き気・めまいはおさまったとしても、これまでの疲れがどっと出てきて
なおかつ風邪はぜんぜんよくならなかったし。
後輩に電話する。もし図書館で勉強しているのなら鍵を借りて一足先に部屋に戻って寝てようと。
だけどつながらない。何回か掛けたけど、留守電になる。
とりあえず市立図書館のあるブライアント・パークへと向かう。
地下鉄の?号線に乗って、グランド・セントラルへ。
そういえば会社にお土産を買ってかないとなあ、なんかないかなあと中のマーケットに入る。
マーケットって言っても高級で、どれもこれも新鮮でみな高い。成城石井みたいなものか。


マックで「Sweetea」とかいうアイスティーが1ドルだと宣伝していて、喉が渇いたと買って飲む。
定価は1ドル。州税が入って1.08ドルとなる。
手持ちの1セントをレジにて財布から1枚ずつ取り出していく。7枚しかなかった。
さらに探しているうちに、レジの黒人の女の子がそれをガバッと掴んでオーケーにしてくれた。
1セントの違いぐらいたいしたことない、ってとこか。
「Sweetea」はただ甘いだけの砂糖水としか思えなかった。


15時。ブライアント・パークに入って空いている席を見つけて、「カンバセイション・ピース」を読む。
18時にスパニッシュ・ハーレムで待ち合わせということになっていた。
その前に着信に気付いて電話してくるだろう、そしたらそこから帰ればいいだろう、と考える。
周りのあれこれをシャットダウンして読書に没頭する。それが一番具合がいい。


16時半に後輩から電話がかかってくる。
後輩は後輩で具合が悪くなって1日寝てたらしい・・・
2人して食あたりか。昨日食べたもので。
地下鉄の(R)に乗って帰る。帰り着いたのは17時半。
水があったほうがいいなあ、と近くのデリでミネラルウォーターを買う。
何回か買ってたら店番のおばちゃんが僕のことを覚えたようで、
「Are You Korean ?」と聞かれる。「No, I'm Japanese」と答えると残念そうな表情を浮かべる。


部屋に帰り着いてベッドに横たわる。
そしたらもう、起き上がれなくなった。眠くはないが、体が動かない。
20時半まで、眠ったり起きたりを繰り返す。
真っ白な、部屋の天井を眺める。
窓の外の物音を聞く。
高架を列車が通り過ぎていく。
急ブレーキ。続けてクラクション。
パトカーがサイレンを鳴らす。
そういうのが絶えず耳に入ってくる状態で、電池が切れたようになって、
天井に差し込む光とその影を見つめる。
少しずつ、少しずつ部屋の中が暗くなっていく。
何もする気になれない。何もできない。
僕の中と外で何かが少しずつ変化していく。
移り変わって、消えていく。
ただそれを眺める。目を閉じて、時々、目を開けて。
時間が静止する。いや、目まぐるしく通り過ぎていく。


リビングのソファーで寝ていた後輩が起きてきて、この後どうするかという話になる。
後輩も具合悪そうだ。
このまま朝まで寝て、朝早く空港に向かうことにする。6時に目覚ましをセットする。
明らかに熱がある。今度は熱でめまいがする。
重い体を引きずり上げるように起こして、シャワーを浴びる。
部屋に帰ってきたときは正露丸を飲んだ。今度は風邪薬を飲む。


起きたときにメモった文章:
「夢の中の特定の時空間をチェックして存在証明として利用するビジネス」
今となっては何のことかよく分からない。
とにかく熱のあるまま寝てて、夢うつつのまま取り留めのないことを考えていた。


朝まで眠る。