ポニョ続き

昨日の続き。
「ポニョを一緒に見てくれる女性を募集」と呼びかけても現われない場合どうするか?
根が暗い僕はまず、そういうことを考える。


(1) 1人で見に行く
(2) 野郎2人で見に行く


ってことになりそうなのだが、他にないか?
一晩考えた。


結果、こういうことになった。
(3) マネキンと見に行く


表参道ヒルズとか東京ミッドタウンとかその手の商業施設の
ショーウィンドーの中に立っているお洒落なマネキンを服ごと買う。ウィッグをかぶせる。
連れて歩く。というか担いで歩く。
映画館でも、「いえ、2人です」と言い張る。隣に座らせる。
終わった後、喫茶店に入って向かい合わせに座って、僕は「ポニョ」の感想を語る。


アパートにも連れて帰る。
そこから先、一緒に生活する。
会社に行くときは「行ってきます」と言って、帰ってきたら「ただいま」と言う。
時々、服を変えてあげる。
そのために僕は表参道ヒルズとか東京ミッドタウンとか行って、高級な服を買って帰る。
休みの日は外に出してあげる。公園に行く。電車に乗る。など、など。


どうですか?
だめかな。

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それはさておき、書いているうちにこういう映画はどうか?というのを思いつく。


お笑い芸人。テレビ番組の罰ゲームで100日間、女性のマネキンと一緒に生活することになった。
四六時中一緒。どこに行くにも。テレビに出るときも隣に立ってる。コンビの相方と一緒に。
ズラをかぶせたり、変な衣装を着せたりでマネキンが人気になる。
番組の企画で名前を募集したりする。


部屋に連れて帰って、移動の車の中でも一緒で。
売れっ子で超多忙のお笑い芸人はほんの少しずつ心のネジがおかしくなっていく。
マネキンに対する執着が強くなっていく。時として、本当の人間の女性に見える。ハッとする。
擬似的な恋愛関係。妄想は激しくなるばかり。執着心を抱く。
一緒に眠る。常に話しかけている。手を握る。
そういう姿を、周りの人間も目にするようになる。
気味悪がる人もちらほらとはいるが、大多数の人は「芸のためとはいえ、熱心だなあ」と感心する。
彼の心の中にあるものを、誰も理解しようとはしない。
相方であろうと、長年の友人であろうと。


乱暴に扱われて腕が外れてしまう。彼は救急車を呼んで病院に連れて行こうとする。
そういうエピソードのいくつか。


そんなこんなで100日目を迎える。
番組の企画でマネキンとの結婚式を行うことになっていた。
教会の中で神父立会いの下、指輪を交換する。彼は泣き崩れてしまう。
撮影が終わって、「○○さん、お疲れ様でした。そのマネキンもういいですよ」ってことで
指示を受けた AD が花嫁姿のマネキンをどっかに運んで廃棄しようとする。
その時彼は、・・・

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別なアイデア


身寄りのなく、1人きり、都会の片隅で暮らす青年。
キッチンのテーブルには父と母と妹を模したマネキンが3体。
その、朝食光景。


それ以外には特に変わったことはなく、
青年を中心とした周りの人たちとの淡々とした日常生活が描かれる。


青年は恋をする。うまくいく。月日が流れる。
ある日、女の子は青年の部屋に行ってみたいと言う。
青年は女の子にキッチンを見せる。