サマソニ 2008 (4/5) TRIVIUM / マキシマム・ザ・ホルモン

マキシマム・ザ・ホルモンを見るために千葉マリンスタジアム側を出て、幕張メッセ側へ。
メッセに入ったら巨大なモニターが。マリンスタジアムでの映像が映し出されている。
床にはシートが引かれていて、そこで大勢の人が寝そべっていた。寝ていたり、映像を眺めていたり。
ここに限らず、あちこちで疲れた人々が座り込んで、寝っ転がって。
僕みたいな「あれも見なきゃ、これも見なきゃ、休んでなんかいられない!!」
という人ってやっぱ少ないんだろうね。
海外旅行行ってもそうだし。ガイドブック片手に「あれも見なきゃ、これも見なきゃ」と。
こういう性格、損なのか徳なのか。
もっとのんびりするでもいいはずなのに。
たくさん見たからより多く、より深い感動に出会えるってわけでもないのに。
フジロックに毎年行ってた先輩がこんなことを言っていた。
「理想は、3日間キャンプしてフジにいるんだけど、どのステージもみないって言うね。
 その場の雰囲気だけで十分楽しい。そういう仙人みたいなことできるといいよね」


Mountain Stage に行ったら、ヘビメタのバンドが演奏していた。
超剛速球ど真ん中のメタル。スラッシュでグロールで速弾きで変拍子
うまい。次元が違う。(髭[HiGE]の演奏を見た後だけになおさらそう思う)
TRIVIUMというバンド。
バックには剣(ケンではなく、ツルギ)と
ルーン文字系のシンボルを組み合わせた紋章のようなものが吊るされ。
ここまでコテコテのメタルって21世紀の今も生まれ続けているのか!!
メタル恐るべし。デトロイト・メタル・シティがヒットするのもよく分かる。
みな、普通にメロイックサインを頭上に掲げている。
(親指・人差し指。小指を突き上げ、中指・薬指は閉じる)


ヴォーカルは「将軍」と書かれたTシャツを着ている。
曲が盛り上がると「とべぇ!」「さわげぇ!」「あばれろぉ!」と日本語で観客に指示を。
なんか妙に達者だなあと思って調べてみたら、ヴォーカルは日本生まれだった。ハーフなのかな。


とにかくうまい。聞いてて僕も盛り上がる。
こういうバンド、僕自身はCDを買うこともないし、来日公演があっても見に行かないだろうけど、
サマソニのようなフェスで出会う分にはウェルカムなもんで。
TRIVIUMって「たまに聞くメタル」としては最高峰なんじゃないか。


前で見ていた中学生っぽい男の子たちが「かっこいい!」「メタルかっこいい!」と興奮していた。


引き続き、マキシマム・ザ・ホルモン
TRIVIUMが割と後ろで見てて、客が多少引けた後、
ステージとモニターが両方無理なく見えて
なおかつモッシュピットの柵に寄りかかれるというポジションが取れたので
そのまま後ろで見ることにする。
ホルモン登場。モッシュピットは即沸騰。跳んだり跳ねたり暴れたりとんでもないことになっている。
僕はライブを見るとき、必ずモッシュピットの中に入って極力前で見ようとするんだけど、
そうか、ああなっていたのか・・・
こんな危険な場所に僕はいつもいたのか・・・
最前列前から5列目みたいなところにいて、
モッシュだとゴール地点で転げてくる連中を交わしてばかり、
つまり後ろから押し寄せてくるばかりだったけど、
今回はそれを初めて引いた立場から眺めることができた。
そうか、あんなふうにしてモッシュが生まれるものなのか。
他人の背を借りて持ち上げてもらって、人々の頭上に出て運んでもらう。
後はひたすら怒涛のように転がっていく。
台風が発生して発展していく状況をアメダスで眺めるような感覚だった。


って達観してられなくて、
僕がいたのはモッシュピットの柵だというのに、後ろからどんどん人が押し寄せてくる。
ぶつかって、リズムに合わせてもがいて。
柵にしがみついてないととてもじゃないけど見ていられなかった。


それぐらい、今のホルモンがすごいってことなんですよね。
Mountain Stage いっぱいに人が入っていて、しかもみなホルモンを求めている。
ホルモンの一挙一動に喜んで体いっぱいに受け止めている。
マキシマム・ザ・ホルモンのTシャツを着ている人がとても多かった)
今、日本で最も旬なバンドってマキシマム・ザ・ホルモンなのだろう、僕はそう思った。
バンドマジックというか勢いに満ち溢れていて、曲も演奏も一家言あって、
何よりもキャラが立っている。4人それぞれ。
ナヲちゃんの MC は最高に面白かった。芸人でも食っていけるよね。


いいわ。最高。もう言うことはない。全ての瞬間が面白かった。
また見たい。フェスの短い時間じゃなくて。
恋の街八王子の恋のおまじない「麺カタこってり」をステージの観客全員でやったのは
今年のサマソニのハイライトの1つだと思う。
居合わせてよかった。


この前出たシングルはオリコンチャートで1位。
自らステージで「八王子の綿ぼこり」と言っていた
異形のはみ出しものがあれよあれよというまに天下を取った。
世の中は素晴らしい。