バンコク その8

okmrtyhk2008-09-27


「アヌサーワリー・チャイ」という駅からスカイトレインに乗って「サヤーム」へ。
HISからは到着日に1日乗り放題のバウチャーをもらっている。
スカイトレインとは何かと言うと、モノレール。
99年に開通して、現在は2路線。バンコクは地下鉄も1路線走っている。


改札の前の窓口でバウチャーのカードをチケットに引き換えて、
というか機械に通して何かを打ち込んで登録?して同じカードが返ってくる。
昔のイオカードみたいなもの。自動改札に通す。
バンコクの人たちはこういうカードじゃなくて SUICA みたいなのがあるのか、
パスケースをタッチさせていた。


ホームに立ってモノレールが来るのを待つ。
乗り込む。危険は全くなさそう。純然たる市民の足。
1駅の区間は短く、ゆっくり走る。
このスカイトレインの走っている区間バンコクでも最も繁栄している地域のようで、
窓から見える風景はショッピングモールとそれに付随するシネマコンプレックスだとか
密集した露店の連なる商店街だとかそういうのばかり。
バラックはほとんど目につかなかった。


3駅先の「サヤーム」へ。
バンコクの原宿。日曜ということもあって、人だかりが凄かった。
YAMAHA の主催するなんかのコンテストがステージで行われていた。
まずは駅からつながっているショッピング・モール「サヤーム・センター」に入ってみるが、
僕ら3人特にこういうの興味なし。
どこに行きたいかって言ったら「バイヨーク・スカイ」の展望台。タイで最も高い建物。
これがどこにあるかとガイドブックを改めて見てみたら場所が全然違ってた。
最寄の駅は2つ手前の「パヤー・タイ」
しまった。ガイドブックを事前にちゃんと見ておけばよかった。
スカイトレインに乗って引き返すのも能がないので、歩いて行ってみようか、となる。


学生たちの歩く通りを東に歩いて
「セントラル・ワールド」というさらに巨大なモールを突っ切って、
(横浜のランドマークよりも大きいと思う)
角を曲がって大通りをしばらく歩いたら伊勢丹があった。
この「セントラル・ワールド」と伊勢丹が同じ建物で隣り合っているというからいかに大きいか。
僕の知っている限り、アジアと中東(ドバイ)は
いかに経済が発展しているかをショッピング・モールの大きさで誇示しようとする。
周りを見渡してみても、通りの向かいはやはりショッピングセンター。
比較的小さめの。でもそれだって日本だと地方の大きなイトーヨーカドークラス。
バンコクの人たち向けなのだろうか、それとも観光客をあてにしているのか、というのが気になった。


伊勢丹の前の広場には象を祭った祭壇?があって、
市民たちが立ち止まってお祈りを捧げていた。


北に向かって通りを歩く。橋を渡る。チャオプラヤー川の支流が街のあちこちを流れている。
バンコクはゴミを投げ捨てたら罰金となっているせいか、道はきれい。
しかしどことなく埃っぽく、
橋を渡る人たちが何人か口元をハンカチで押さえたり、咳をしていた。


大通りのぶつかる四辻に出て、東西としては逆行するように西へ歩く。
バイヨーク・スカイは高いだけあって見上げると常に視界に入ってくる。
だから迷う必要がない。
近道がしたくなって、露店の集まっている狭い通りに入ってみた。
プラトゥーナーム市場」と呼ぶようだ。
下着の店、Tシャツの店、靴の店、カバンの店。衣料関係が多い。
バンコクの若い人が着るような派手な服もあれば、
世界各地のこういう市場で見つかる、
観光客向けのマクドナルドやケンタッキーをおちょくったTシャツもある。
それら全て店ごとに空いている空間に押し込めるだけ押し込んで、店によっては投売り。
キラッとしたブティックを意識したような(でも安っぽい)店もあるけど、数としては少ない。
余りの人の多さに歩いていて身動き取れなくなる。
そんな中、竿に担いでパパイヤみたいな果物を売って歩くオヤジがいたり。
ロッコのフェズの迷路のような市場を僕は思い出す。


どうにかこうにかバイヨークに到着する。
チケットを買う。200バーツで1ドリンクつき。
ホテルの中にあって、展望台行きはごく普通のエレベーター。
何の案内も無かったから、係りの若者に呼び止められなかったらホテルの中に入っていくところだった。
余りにもそっけなくて、エレベーターが今何階を通過しているかといった表示もない。
なんかいきなりドアが開いて、「乗れ」ということになった。
乗ってる間も目くるめくような特殊効果は無く、途中で一面がガラス張りになって「おおっ」と思うぐらい。


77階で下りて、ぐるっと見てみる。ビルの模型があった。
ガラスがところどころ汚れていて、バンコクもまだまだだなと思う。
83階まで次のエレベーターに乗って、最上階の84階へ。
その前にバーに寄って1ドリンクもらう。
どうせコーラとかソフトドリンクだろうとタカをくくっていたら
なんとアルコールも飲めた。
僕は「メコン」というウィスキーをロックで。
展望台まで上って200バーツでこれだったら安いね。日本円だと600円。
東京だとこういうの、お洒落な展望台にお洒落なホテルのバーだとセットで2000円はするよね。
バンコクは物価が安いんだけど、「安いねえ」と実感したのは実はこの時ぐらい)


どことなく土っぽい味わいのウィスキーをチビチビ飲みながら83階の眺めを楽しむ。
競馬場とその向こうに宮殿が見えた。
僕らがさっきまでいた「King Power」のモールがすぐ足元にあって愕然とする。
僕らは実に3駅分の道のりをテクテクと引き返したのか!
これだったら最初から歩いて来ればよかった。


84階の最上階に上がる。強化ガラスではなく、金網が貼ってあるだけの質実剛健な展望台。
一周してみる。360度地平線の果てまで広がるバンコクの町。
ああ、意外と広いんだなあ、発展してるんだなあと驚く。
白いビルがあちこちに立っていて、その隙間には緑が生い茂っていて。
すくすく・のんびりと成長していって無駄や無理がない感じ。
目につく色は緑と白、それにハイウェイの灰色。どぎつくない。
観光地ずれした人に会うことは少なく、性格は穏やかそうで、
気候も変に暑かったり寒かったりジメジメしたところはなさそうで、
バンコクの町は住みやすそうだな、と思った。


なぜか階段の片隅に宇宙人の像があったり、
トイレのドアにスターウォーズっぽいシールを貼っていたり。
なんなのだろう。この辺の詰めの甘さもなんとかしたい。


なお、200バーツの入場券の提示を求められたのが83階のバーだけだったので、
酒を飲まない人はもしかしたら入場券を買わずに最上階まで行けるかもしれない。