「崖の上のポニョ」「アキレスと亀」

9/29(月)
会社を休んで、渋谷に映画を見に行った。
この日は1日中、雨。

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崖の上のポニョ
賛否両論あるけど、僕は十分面白かった。


人間になったポニョが宗介に会いたいばかりに陸へと向かうとき、
嵐を巻き起こして人間たちの住む下界:ふもとの町が水没、
選ばれた人間である宗介の住む崖の上がからくも荒れ狂う波から逃れる
ってストーリー展開がなんだか神話の領域に踏み込んでるみたいで
いいなあと思った。


以前の作品ならば「敵」が押し寄せてくるには
なんらかの理由付けが必要で、
あれこれと盛り上げていって後半へという展開だったのが
「ポニョ」には何の理由も無く、序盤戦でいきなり嵐が。
単純な、人間的な敵ではなくただ単に相手が自然界だったから
理論的な理由は不要ということなのだろう。


「ポニョ」が完全に人間になることで
嵐=地球を襲った災厄も収まっていくというのもなんだか神話的。


そう考えるとなかなか深いなあと思うのだが、
見てる間はそんなこと考えてなくて
「ポニョ」がブサイクなのにかわいい、ブサカワだなあ
ってことばかり気になってた。


あっさりしすぎてたけど、これはこれでいいんじゃないかな。
ハウルの動く城」は初めてのあっさり路線で違和感を感じたけど、
崖の上のポニョ」はしっくりきた。

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アキレスと亀


「小説家になりたかった自分といかに折り合いをつけるか?」
ってのが30過ぎてからの課題だった僕としては
いろいろありつつも「まだ諦めない」ってのが
その時々の答えだった。はず。


こういうの見ちゃうと揺らぐよね。思いっきり。
僕ってビートたけし扮するところの倉持真知寿と一緒じゃん・・・
っていう。
世の中の人、周りの人からすると、
僕って多かれ少なかれこんなふうに見られてるのではないか・・・
辛い気持ちになった。
貫き通すならば、それなりに覚悟がいるんだなと思い知る。


作品そのものの出来は、
うーん、こっちが期待しすぎだったなー、ってとこで。
予告篇から察するに
ソナチネ」「HANA-BI」みたいな硬派な路線かと思ってたら
「Takeshi's」とかああいうゆるーいギャグばっかりで。
笑えるけど、笑えない。
笑いたくてもこっちとしては笑えない。


「芸術家になりたかったけど成しえなかった男」
「寄り添ってずっと支え続けた妻」
ってのを「ソナチネ」みたいに静かにギラギラと描いていたら
鬼気迫る名作になったと思う。残念だ。
ものすごくいいテーマだったのに。

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シネ・アミューズのカフェがなくなってた。
なんかちょっと寂しい。


QUATROパルコのスポーツ用品店BOOKOFFに変わってた。
世の中の流れなんだろうけど、なんつうか、その、驚いた。
みもふたもないね。

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昼は博多風龍でとんこつラーメン。
けっこういけるじゃんと思って食べてたんだけど、
家に帰ってきてあれこれブログを探してみたらどこも酷評してた。
僕の舌ってなんなのだろう。


スープがまろやかなんだけど薄味だったので
卓上のタレに芥子高菜に白ゴマに紅ショウガと
あれこれ足したらうまかった。