普段よく聞くCD3枚

イシス編集学校のクラスで自己紹介しましょうとなったとき、
教室の師範代が普段よく聞くCD3枚を紹介していた。
僕も書きたくなった。
書いてみたら、案の定長くなった。


で、結局出さなかった。


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Damien Rice 「O」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00009V7P8/


アイルランドのシンガーソングライター。


ジュード・ロウ、クライブ・オーウェン
ジュリア・ロバーツナタリー・ポートマンが出演して
大人の恋の駆け引きを描いた「クローサー」という映画があって、
そのオープニングで代表曲「the blower's daughter」が
印象的な使われ方をしていた。


シンガーソングライターなので
ギターを弾いて自分の声で、自分の書いた曲を歌う。
そこに、オーケストラとか、バックの演奏が加わる。
ただ、それだけ。


ただ、それだけなのに。


僕は月に何十枚もCDを買う。ほとんどは1度聞いて終わりだ。
そんなのが部屋の中に何千枚もある。
その僕が去年から今年にかけて、何十回と聞いた。
毎日のように聞いて、しばらく遠ざかって、また毎日聞いて。


曲がいいとか、声が切ないとか。
いろいろあると思う。
だけどそれだけじゃなくて。
切実なのだ。
「ギターを弾いて自分の声で、自分の書いた曲を歌う」
それしかできない。
だから、ただ、それだけを繰り返す。不器用に。ぶっきらぼうに。


何よりもまず、自分に対して、自分の曲に対して、誠実であること。
この思いを伝えたいのだ、ということ。
何度聞いても、虚をつかれる。


僕が世界一の金持ちだったら、世界中の人に配って回る。

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The Bees 「Sunshine Hit Me」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005YXNQ/


イギリスのバンド、というかユニット。
ぐらいのことしかよく分からない。
ピンク色の地にマスクをかぶったレスラーが描かれているというジャケットがかっこよくて買った。


レゲエとかアシッド・フォークとかバブルガム・ポップとか。
いろんな音がごった煮になってゆるーく、ゆるーーく、ゆるーーーく、吐き出される。


音を例えるならば、
明け方までパーティーが続いて二日酔いで徹夜明けのところにデッキチェアがあって、
だらーんと寝そべっているところに朝の光を浴びてキラキラとしている中で(Sunshine Hit Me)
何も考えずボケーッとしてる感じ。
レイドバックってやつ?ゆったりとしたリズムがとにかく気持ちいい。


聞いてると、確実に人間がダメになる。

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「Waking Life」のサントラ
http://www.amazon.co.jp/dp/B000075ASJ/


リチャード・リンクレーター監督の、実写をアニメ化した実験系映画のサントラ。


30過ぎた大人が部屋で1人、ウィスキーを飲みながら聞く音楽と言ったら
ジャズではなくて、タンゴでしょう。
漆黒の闇が艶かしくて、しっとりしてて。


でも日本で手に入るタンゴって輸入盤でも
アストル・ピアソラかかなり昔の懐メロ系か、
見るからにイマイチそうなコンテンポラリー系か。
選択の幅があんまりないんですね。


どうしたもんかと悩んでいたところに映画見に行って「これだ!」と思った。
アメリカ人のミュージシャンが集まって、
アコーディオン、ピアノ、チェロといった楽器が奏でる、
パンクでフェイクな、「やさぐれた」タンゴ。


それが映画音楽ってことで映像的で思わせぶりな音になっていて。
ムードがやたら映画的。
ショパン夜想曲をやってたり。そこがまた下世話でいいんですよね。