千鳥ヶ淵

okmrtyhk2009-04-07


先週の金曜、PJですったもんだあって、
「もういい!午後はみんなで花見だ!!」というムードになる。
お花見をしよう、この辺りだとどこの桜がきれい?と聞かれて、
僕は千鳥ヶ淵と即答。夜桜が最高。


昼、靖国通りを歩いていって
目当てとしていた和風スパゲティーの店に入ろうとしたら満席。
いっそのこと千鳥ヶ淵まで歩いていって、桜見て、靖国神社の屋台でなんか買って食べる?
となる。九段下まで歩いていって、あ、そうだ、うまいカレー屋あるからと「kanchana」へ。
今回はチキンカレーのコロンボの方。相変わらず、うまい。
都内最高峰のカレー屋の1つだと僕は思う。神保町周辺ではここが一番。
食後にチャイを飲む。


ここまで来ると靖国神社は目と鼻の先。
九段会館前の横断歩道を渡るととんでもない大混雑。
歩道が人の海と言っても過言ではない。
こりゃ無理、と諦める。夕方また出直そうと。
(ここで、××な人を見かける。背の低いおじいさんなのだが、
 花笠をかぶっていて、その天辺には人形が座っていて、縁の方にも様々な飾りが。
 着てる服も色とりどりのなんとも呼びようがないもので、芸術家なのか、××××なのか)


空は雲ひとつなく晴れていて、ポカポカと暖かい。
あーこのまま午後は仕事しないで・・・
誰もがそういう気分となる。
会社戻るのがもったいない!


いてもたってもいられなくなって結局、何人かで「場所取り」と称して午後3時にオフィスを出る。
どこに行こうか決まってなくて、千鳥ヶ淵が混んでるとなると
座って落ち着ける場所がいいってことでどっか探すかとまずは皇居方面に歩き始める。
神保町の交差点から竹橋方面に歩いていって、平川門まで行ってみると即に閉まっている。
もしかして皇居で花見はできない?
ここで半蔵門の方に歩いていけばよかったのに、反対側の大手門へと向かってしまう僕ら。
大手門前の四角い公園って桜咲いてなかったっけ?
市民ランナーたちをかいくぐって行ってみたら、桜、1本もない。
じゃあ日比谷公園は?
ここで初めて持参してきた千代田区のさくらマップを見てみたら、日比谷公園もまた桜のマークなし。
え?そういうものなの?日本の有名な公園って必ず桜が植えられているものと僕は思っていた。
皇居の東側は桜全くなしと分かり、タクシーを捕まえて半蔵門へ。


晴海通りから内堀通りへ。
桜田門国立劇場と満開の桜。半蔵門で下りて、お堀の側の公園へ。
早い人たちは即にビニールシートを敷いてスタンバっている。
四角形の噴水の裏に空いているスペースを見つけて、僕らの場所とする。
東京FMの建物が向こうに見えた。


缶ビールを飲んで乾杯、飲み始める。
日が暮れかけてきて、寒くなる。
花見するつもりじゃなかったから上に何も着てなくてスーツだけ。
どんどん冷えていく。
後から来る後輩たちにおでん、焼き鳥、ピザを買って来いと注文する。
(でも誰も買ってきてくれない)


定時を過ぎて暗くなった頃、残りのメンバーが合流。
それぞれ食べるものを買いに行く。
靖国神社の屋台に行くことを僕は主張するものの、調べてみたら2km先。諦める。
途中まで歩いて、引き返して、屋台の焼きそばとたこ焼きを買っていく。
戻ると即に1人、全く同じ焼きそばとたこ焼きを買っていて、
後から戻ってきたメンバーも同じ焼きそばを買ってきた。
7個ぐらいはあっただろうか。おもいっきりかぶった。帰り際、結局余った。
こういうの、事前の詰めが必要だなあと反省。


僕らの裏側に陣取って場所取りをしていたサラリーマンが可愛そうなことに
いつまでたっても誰も現れない。
最初のうちはビニールシートの上に寝っ転がって仰向けになって本を読むという
伝統的な、日本人のお家芸的な場所取りの姿を披露。
それが飽きてきたのか缶ビール片手にあちこちと放浪し始めて。
鞄とか缶ビールのパックとか置きっぱなしで戻ってこなくなる。
夜に真っ暗になっても1人きり。
「もしかして、あれ、いじめじゃない?」と僕らはコソコソ言い合う。
それがどれぐらい経ったのか、ようやく中間たちが合流。
1人待っていた彼は満面の笑みを浮かべ、楽しそうにする。
いやあ感動的だなあ、いい場面見たなあ、今日の MVP だなあと僕らは勝手に囃し立てる。
でも、あれだけ待たされた割には宴会は1時間もしないで終わってしまった。
外国人が観察していたら日本人は不思議な民族だと結論付けたのではないかと思う。


あまりの寒さに20時ぐらいには撤収。
さあ帰るか別の店はいるかってときに仕事していた後輩たちが合流。
せっかくだからと千鳥ヶ淵を北に歩いていく。
桜の名所として名高い夜間ライトアップされる箇所で、
皆、口々に「すごーい!」「すげー!!」と。
ここまでの美しさ、期待していなかったようだ。
スポットライトを浴びた、水面スレスレに伸びた桜の枝。
近景:目の前の桜たちと重なり合う、遠景:対岸の桜たち。
さらに、穏やかな水面にその像が反射する。
この二重・三重の「重なり」が日本的な美なのだな、と思う。
この日の桜は満開の寸前、という状態なのもよかった。


靖国神社を通って帰る。
鮎の塩焼きに牛肉のステーキの串に。珍しい食べ物がたくさん。
しかもどれも老舗なのか、風格がハンパない。どれもこれもおいしそう。
全国から勝ち上がってきた屋台の甲子園じゃないかとすら思う。
なのに腹いっぱい食べ過ぎて、何も食べれず・・・
ビニールシートをびっしりと敷き詰めて、あちこちで日本的大宴会。
一気飲みのコールがかかって、ビールビン片手に若手が喝采を浴びる。
巻き起こる拍手。頭にはネクタイを巻く。それが右も左も。渦を巻く宴会パワー。
すごかった。外国人は、何よりもこの光景をこそ、見るべきだ。
これぞ、日本。


心残りはやはり、この屋台たち。
来年はこの大宴会に入り込むぞと心に誓うのだった。