スペイン一人旅 その2(要約の後半)

okmrtyhk2009-08-01


7/27(月)


母に絵葉書を送ろうとしていたら、ホテルのカウンターに小さなポストを見つける。
話が早いとホテルの従業員に聞いてみたら切手は売ってないとのこと。
街中のタバコ屋で売ってると言われる。
その後2日間、切手を探すのと手荷物を入れて運ぶ紙バッグの調達が至上命題となる。


この日は当初予定通り、ガウディ尽くし。
まずは大本命、サグラダ・ファミリア
昨日も見たけど、至近距離で見るとさらに大きい。
個人観光客向けの入り口は長蛇の列。
この日、カサ・ミラカサ・バトリョとガウディの建築物を訪れたけどどこも30分近く待たされた。
中へ。がらんどうで正に建築中だった。
エレベーターに乗って、上っていく。別途2.5ドル徴収される。
(日本からのツアーだと、中入るだけで上まで行かないのもあるみたいですね。
 そう考えると、ツアーじゃなくてやはり個人で行った方がいいんじゃないかと)
どこもかしこも建築中。ヘルメットをかぶったその辺の工事現場のおっさんがあちこちにいる。
様々な高さの何基ものクレーンが右に左に物資を運ぶ。
出来上がった尖塔の外壁や内壁には様々な装飾。
ここで見た光景を僕は一生忘れることはないだろう。
削岩機の音に、10時の鐘の音が重なる。ノイズ+安らかなメロディ。
Einsturzende Neubauten が目指していた音楽は実はこういうのだったのではないか。


次は、グエル公園とその中のガウディ博物館。
最寄の駅がなくて、直線距離だとここだろうか?と見当をつけて歩き始めたのだが、大変なことになった。
地図を見ると間違ってないはずだよなあと思いながら、公園を突っ切って坂を上ったり下ったり。
地図の通りに歩いていたら丘の上の大邸宅の裏庭に出て、巨大な番犬が鎖も首輪もなく放し飼い。びびった。
炎天下歩き続けて、ようやくグエル公園へ。ビールが死ぬほどうまかった。
ここもまた大勢の観光客。
スパニッシュ・ギターを鳴らしてチップをもらおうとするミュージシャンがあちこちにいた。
博物館はガウディの住処だったもの。
グエル公園は本来とても大きなもので、数時間では回りきれない。
遠くから見えた丘に上ってみる。楕円形のモニュメントのようなものがあって、その上に十字架。
とても、眺めがよかった。バルセロナを一望にする。
クレーンに取り囲まれたサグラダ・ファミリアが遠くに見える。けど、かなり大きい。
帰りは他の観光客に混じって歩く。やはり全然違う駅から向かってくるのが正しかったようだ。


次はカサ・ミラ、その隣の駅のカサ・バトリョ
カサ・ミラは最上階と屋上。今から100年近く前の生活が再現されている。
お土産コーナーはアール・ヌーヴォーな装飾品や工芸品が数多く売られていた。
1階のアート系ショップでバルセロナの写真集やあれこれ欲しくなるが、我慢する。
カサ・バトリョは建物の中をそのまま見ることができる。広間やキッチンなど。
海をモチーフにしたデザイン。屋上に水槽をイメージした部屋があった。


このカサ・バトリョの近くに郵便局があるのを、地球の歩き方の地図を何気なく眺めていたら発見。
行ってみるも営業時間は14:30までで、そのときは15時過ぎ。
明日の朝また来てみることにする。


カサ・バトリョ最寄の駅の改札を出掛けたところで財布をすられる。
しかしとっさに気付いて、スリの手首を捕まえて事なきを得る。


ガウディがおなかいっぱいとなって、次はバルセロナ現代美術館へ。
中心地であるカタルーニャ広場にいったん出る。
美術館は奥まったところにあって、
この辺だろうかと歩いていくうちにカバンを売ってる店を見つけて
これが斬新なデザインでかっこいい。「vaho」と呼ぶブランドらしい。
freitag のようなリサイクルものみたいなんだけど、
広告の紙から作ってるみたいで、値段は freitag の1/10程度。
あれこれ見たものが全て欲しくなる。店員さんと片言の英語で話す。
お金がそのときはなかったので、後でまた来ることにする。


美術館へ。世界各地の若い現代アートの作品を集めている。
これはこれでとても面白かった。青田買いなんだろうな。
帰りに、「CCCB」というスペインの現代アートの美術館を見つける。
「ジャズの世紀」という企画展と80年代のB級映画の企画展をやっていた。
明日、時間があったらどっちかを見ようと決める。


デジカメのバッテリーがなくなって、かつ「vaho」のカバンがほしくなって、いったんホテルに戻る。
充電して、クレジットカードを財布から取り出して、またカタルーニャに引き返す。
(日本から持ってきた財布に入ってたんだけど、普段使うつもりはなかった)
「vaho」の店に戻って、ショルダーバッグを2つと書類入れを2つ買う。これで156ユーロ。
とても安い。


夜はディナー付きフラメンコ。日本で申し込んだオプショナル・ツアー。
「コルベドス」って店なんだけど、どうにもこうにも観光客向け。地元客、皆無。
ヨーロッパかアメリカのどっかの国からきたおじさん・おばさん連中のグループが2つ、大はしゃぎ。
ディナーはビュッフェ。可もなく不可もなく。
パエリヤはマドリードのマヨール広場で食べたものよりはうまいけど、
これが本格的においしいスペイン料理かというとそれは絶対違うように思う。
開演間際にディナー無しで日本人団体旅行客が大勢入ってきて、満席。ディナー無しは正解。
フラメンコや真横の席で、真横の角度からしか見られなかった。
でも、まあ初めて見る分にはよかった。
バルセロナはフラメンコが盛んでもなんでもないようで、
(たぶん、東京で火祭りを見たいと言うようなものなんだろう)
いつか機会があったら、もっと田舎の町で見たいと思う。

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7/28(火)


この日はモンジュイックの丘がメイン。
先に昨日見つけた郵便局に絵葉書を出しに行って、引き返す。
宿泊しているホテルのある、Paral lel駅から出ている
「フニクラ」と呼ばれるケーブルカーに乗って、すぐ到着する。


9時半には到着したのに、ミロ美術館など見たかった場所はことごとく10時スタート。
ブラブラと高台に上ったりして時間をつぶす。


ミロ美術館。ミロの絵が好きかって言うと取り立ててそんなことはないんだけど、
せっかくの機会だし見てみる。
1974年の「死刑囚の希望 I・II・III」がとても素晴らしかった。
晩年の作品には鬼気迫るものがある。


カタルーニャ美術館の前に、近くの民族博物館に入ってみる。
観客ほぼ皆無。最初、僕だけかと思った。
カタルーニャ地方の民族衣装などが飾られているのかと思いきや、対象は全世界。
日本もあり。なぜか少年ジャンプや週刊マーガレット
クレヨンしんちゃん石川啄木の伝記マンガのスペイン語翻訳が展示されていた・・・


カタルーニャ美術館。これはこれでハンパなく大きい。中にはアリーナ?まである。
本気でちゃんと見ようとしたら1日かかると思う。
ロマネスク、ゴシックの芸術品が果てしなく続く。
プラド美術館と並んで、好きな人にはきっとたまらないだろう。
後の時代の芸術品も2階に展示されている。
ほぼ100%スペインの芸術家のものと思われる。


次にスペイン村。スペイン各地の工芸品が買える。日本だとハウステンボスみたいなもの?
これがどこをどう行ったら辿り着くのか分からず、
近道はこっちだろうと試行錯誤するうちに、炎天下、ものすごく遠回りしていたことに気付く。
銀器の店、白の民族衣装の店。軽食系のレストランの数々。
1軒だけちゃんとした佇まいのレストランがあって、ランチコースを頼む。
ガスパッチョとミートボールのトマトソース。
おいしかったけど、ウェイターが回ってなくて何が出てくるのも遅い。
デザートはフレッシュジュースで、手間がかからないはずなのに30分待っても出てこない。
怒って出てきてしまう。彼らは悪くないんだけど・・・


かなり歩いて、オリンピック・スタジアムへ。
この日は休みってことになってたけど、入り口が開いていて中に入れた。


ゴンドラに乗って、丘の頂にあるモンジュイックの城へ。
バルセロナの都市と地中海が見渡せて、とても眺めがよかった。
ここが最も美しい景色だったなあ。バルセロナに行く人には絶対お勧めします。
丘を下っていって、ケーブルカーで今度はバルセロネータへ。
これがまたいいんですね。海の上を走って。これが2番目の景色かな。


この日はビーチを見ることなく、バルセロネータから駅へ。
途中、探していた大きな紙バッグがなぜか公衆電話の中にあって、ラッキーともらっていく。


一駅移動して、王宮とカテドラルへ。
カテドラルは17時から開くことになっていて、ちょうどいいタイミング。
ごく普通のヨーロッパの若者たちが祈りを捧げていたのが印象的だった。


その近くのピカソ美術館へ。
途中にいい感じのバルを見つけて、帰りに寄っていくことにする。
美術館はその名の通り、ほぼ全部がピカソの作品。
一部企画展的に後の世代の若者の作品が飾られていたように思う。
ここの見所はまだ10代に入ったか入らないかという頃の習作の数々。
正に天才としか呼びようがない。


昨日見つけた CCCB の開館時間に間に合うかもと、いったんカタルーニャ広場の方へ。
地下鉄で一駅乗って、テクテクと通りを横切って、うろ覚えの CCCB へ。
開いていて間に合う。「ジャズの世紀」の方を見る。
20世紀初めから今に至るまでのジャズにまつわるあれこれを展示する。
今から100年近く前のレコードのジャケットやポスターに始まり、
70年代に撮られた写真など。現代アートインスタレーションまで含む。
ずらっと並んだスピーカーから当時の楽曲が流れ、記録映像の数々も上映。
これはとてもいい内容だった。時間がもっとあれば、映像の多くも見れたのに・・・


ピカソ美術館の方に戻って、先ほど見つけたバルへ。
カタルーニャ風のオムレツと、ポーク・ソーセージを頼む。
パンとオリーブが付け合せとして出てくる。
ウェイター長?はもう60歳ぐらいになろうとしているおじいさん。
オムレツも、にんにく入りマヨネーズをつけて食べるソーセージもおいしかった。
最後の最後、いいバルに入ることができてよかった。
ビールを3杯飲んで全部で19ユーロだったか。安いのもいい。


荷造りしてさっさと眠る。

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7/29(水)


7時過ぎにチェックアウト、カタルーニャ広場へ。
空港までのバスに乗る。
行き先のターミナルは「T1」「T2」に分かれていて、どっちに乗ればいいのか分からない。
こっちの方がスーツケースを抱えて外国人っぽい、ってことでT1行きに乗る。当たり。
ルフトハンザのカウンターでチェックイン。
あれこれ買って重くなったからと今回はリュックを預ける。


行きのときと同様、出国手続きはなし。手荷物検査だけ。
会社へのお土産を買おうと DUTY FREE の店を覗いて、
タバコを1カートンとお菓子の詰め合わせをいくつか買う。
支払おうとして、搭乗券をなくしていることに気付く。
心臓がバクバクする。落ち着け、と思う。
とりあえず近くのインフォメーション・カウンターに行ったら届けられていた。ほっとする。


機内では中上健次選集の「奇蹟」を読む。
フランクフルトで乗り換え。時間はあんまりない。
Passport Controlを通ったりしていたらちょうど搭乗時刻に。


「奇蹟」の合間に、村上春樹の文春文庫「意味がなければスイングはない」を読む。
乗ってる間はドイツビールに白ワインにコニャック。飲み続けて、眠る。

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7/30(木)


7:50成田到着。
手荷物受け取りで、なかなか自分のリュックサックが出てこなくて焦る。
125ユーロ余って、両替して1万6000円ほどになる。


成田エクスプレスも京成スカイライナーもちょうどいい時間のがなくて、
京成線の快速特急に乗って帰ってくる。上野まで1000円、安い。
今回はスーツケースじゃなかったので、この選択肢はありだった。


京成線のホームで母に電話をする。
こんな早くに到着するものと思っていなかったようで、驚かれる。


上野駅
東京の余りの蒸し暑さに驚く。