スペイン一人旅 その6(7/24:幻のマカレナ)

okmrtyhk2009-08-05


スペイン広場に戻る。
いつのまにかステージ前にはびっしりと人が集まっていて、演奏が即に始まっていた。
賑やかな、これぞまさしくラテン系の音楽。
ギター、ベース、キーボード、コンガ、ドラム、コーラス兼ダンサーの妙齢の女性が2人と、
みのもんたのような男性ヴォーカルが2人。
1曲終わったところで盛大な拍手。次の曲が始まる。
2人が掛け合いのように歌ったり、ユニゾンだったり。
サビの部分を観客に歌わせて、意外なことにみんなが大合唱。
目の前の70近いおばあさんがグルグル回るように踊ってて、
その前では20代の若者もクネクネとラテンっぽく踊っていた。
今調べてみると、Stravaganzza は何かの間違いで、どうも Ros del Rio らしい。
あの、「恋のマカレナ」の Ros del Rio ですよ。
いやー懐かしい。1996年の世界的大ヒット曲。えーそんな昔なの?と驚く。
Ros del Rio って大所帯のダンス・グループかとずっと思っていたのですが、オヤジ2人組なんですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sN62PAKoBfE
このビデオクリップも懐かしい。
ヒット曲だからってたまたま目にしてるだけだと
このクネクネと歌って踊ってるセクシーな女性たちのことを Ros del Rio と思っちゃうよね。
途中出てきて合いの手のようにサビを歌ってるオヤジ2人は単なるオマケのコーラスなんじゃないかと。
その「マカレナ」を生でやるというのなら見たかったなあ。
セクシーな若い女性ダンサーなしで、相応に年食った女性コーラスだけの「マカレナ」
でも、その時よく知らなかった僕は2曲見て「懐メロだね」と広場を後にする。


なお、Stravaganzza は実在するミュージシャンで、全然違ってた。
http://www.stravaganzza.com/
音は聞いてないけど、メタルなのかねえ。
「vera nos dellavilla 09」のサイトで調べたらたくさんヒットするので、
別な会場で演奏していたものと思われる。


広場の芝生では高校生ぐらいの若者たちのグループがいくつもたむろしていた。
グループごとに追い求めているテイストが異なるようで、
パンクだったり、ゴシックだったり、拳法!?(おもちゃの刀を振り回していた)だったり。
なぜか皆、どのグループも黒のTシャツを着ている。


観客の間を、ビールの6巻パックを手に売り歩く、底辺層の男性たちの姿。


スペイン広場からマドリード中心部の広場プエルタ・デル・ソルまでは
1つの通りを一直線に進んでいくことができる。
ここがどうもマドリードの目抜き通りのようだ。ニューヨークで言ったら5番街。
古い建物をそのまま利用した瀟洒な高級ホテルもあれば、若者向けの派手なショップも並ぶ。


お土産屋のキオスクが立っていて、プエルタ・デル・ソルを撮った同じ絵葉書を2枚買う。
1枚は自分用で、1枚は母に送る。0.3ユーロ×2となる。安い。


プエルタ・デル・ソルに行くつもりが、1本間違って「Gran Via」駅へ。
ここの通りは新宿で言ったら歌舞伎町のような場所なのだろうか。
狭い通りを大勢の人が行きかう。高そうな服を売っていたり、派手な佇まいの店が多い。
小さなハンドバッグに、肌も露な格好の女性が1人か2人ずつ立っている。
何をするわけでもなく、誰かを待っているわけでもない。
商売女なのだと思われる。
歩いていたら僕も声を掛けられた。スペイン語なので何を言っていたのかさっぱり分からず。
付いていったら何がどうなっただろう?
どれぐらいの値段で、どこまでしてくれただろう?
スペイン語の話せない外国人観光客だと身包みはがされそうで怖い。


プエルタ・デル・ソルへ。なんと工事中で、風情なし。
18世紀のスペイン王、カルロス3世の馬に乗った銅像が離れた場所に見える。
スコットランドから来たと思われる人がバグパイプを吹いていた。


小さな通りに入って、マヨール広場を探す。
マドリードは坂が多くて、上ったり下りたりする。
3・4階の古びた建物が立ち並ぶ。その多くがバル。
とある店の前に、道路を掃除するブロンズ像が立っている。写真に撮る。
その近くに、シルクハットをかぶった男性の黄金の像。
これも撮っとこうとカメラを向けたらパッとポーズを取って驚く。
チップとして1ユーロ払う。
この後、この手の大道芸人マドリードでもバルセロナでも街中でたくさん見かけた。
もしかして先ほどのブロンズ像もそうだったのかも。
次の日ここを通ったときには見かけなかったような・・・
カメラを向けても動じないなんて、プロ中のプロだ。


マヨール広場が見つかる。
四方を建物に囲まれた、石畳の広場。
ミッキーマウスの気ぐるみを着た人や、太ったスパイダーマンの姿が見える。
首を切られた屍骸に扮する3人組。首が3つ並んでいる。
地面の鉄格子に括り付けられた無数のトイレットペーパーが
鉄格子下の送風機に煽られてウネウネとシュールにくねっている。
観光客がその中で写真を撮る。


ここは観光客向けのレストランがひしめいていて、外にテーブルを並べている。
空は暗くなりつつあって、どこも混雑している。
機内食で腹いっぱいだった僕は明日の夜、ここのどこかでパエリヤを食べようと決める。


小さなステージが設営されていて、この日は夜、ジャズのピアニストが演奏するようだ。


広場を出る。
ガラス張りのおしゃれな建物があって、
中に入ってみると毟った鴨?を吊るした肉屋だったり、新鮮な果物を売っていたり。
大半はカウンターだけのバル。知的富裕層が集まっていそうな。
建物は「mercado de san miguel」という名前。
↓サイトと思われる。
http://www.mercadodesanmiguel.es/
ここでワインの一杯でも飲めばよかったんだけど、今回、正直気後れした・・・


マヨール通りを歩く。
小さな教会の前に差し掛かる。
大きな羽を持つ天子の像が通りに面して置かれていた。


歩いているうちに、アルムデーナ大聖堂の前に出る。
外はもう暗くなっていて、あちこちに灯かりが点っている。
その先が王宮前の広場。夕涼みの人たちなのか、歩いていたり、ベンチに腰掛けている。
子供たちがスケートボードに乗っている。
バンドネオンを演奏する人。女性の大道芸人が歌手を模した操り人形の芸を披露する。
通りには19世紀っぽい、オレンジ色の街頭が等間隔に並んでいる。
庭園にはいくつか、白い聖者の像。


王宮の前を通って、サン・ビセンテ坂に戻ってくる。
肌の浅黒いアジア人の経営する小さな店でミネラルウォーターを買う。0.8ユーロ。


戻ってきたのは22時過ぎだっただろうか。
シャワーを浴びて眠る。
テレビをつけると、サッカーの中継をやっている。