Rivers Cuomo & Friends「Not Alone」

Weezer のフロントマン、Rivers Cuomo がこれまでのデモ音源をソロ名義で発表している。
最初の2枚が「Alone」と「Alone 2」というタイトル。
そのシリーズの最新作が「Not Alone」
それまでと違ってベッドルーム弾き語りのデモではなく、
ロスの Fingerprints という CD ショップでのイベントを収録したもの。
ファンは各自演奏できる楽器を携えて参加、
ステージで Weezer の曲を演奏してそれをバックに Rivers Cuomo が歌うという。


これをまず、CDで聞いてぐっと来た。DVDで見て、確信に変わった。
これは素晴らしい。今年を代表する1枚に僕は選ぶ。
音楽を演奏する、歌うということの原点にあっさりと立ち返っていて、見ててとても楽しい。
ほっこりとした気分になる。
そうだよ、音楽って難しいものとか巧い人のものではなくて、
例えばキャンプファイヤーの周りに


オーバーオールを着た Rivers Cuomo が登場。
すぐ目の前にファンたち。
歌う曲目は何も決まっていない。挙手で求めようとしたら収拾がつかない。
ということでアルファベットのAから順に、持ってる楽器ごとに意見を求める。
A:アコースティック・ギターはダメ。
B:バンジョーを持ってた男性が「Butterfly」をリクエスト。
そんなふうに進んでいって、O:ではなんとオムにコードが登場。
Rivers Cuomo 自身は「Can't Stop Partying」をリクエスト。特別枠で採用。


曲のリストを募ってもそれがどういう曲順で?ってとこでまたはまって。
最初の曲が一番最初に声のかかった「Blast Off」でそれはそこに収まって、
2曲目以後は結局アルファベット順。


演奏が始まる。楽器を演奏できる人がステージに上がる、というか
ステージと客席の区別は無く、前に出るだけ。
で、ギターを弾いてそれをバックに Rivers Cuomo が歌う。
2曲目の「Across the Sea」ではフルートにクラリネットの女性が現れ、
3曲目の「Buddy Holy」ではサックスの男性が登場。
もうやりたい放題。
4曲目、「Butterfly」ではリクエストしたバンジョーの男性とドラムだけで歌う。
これ、かっこよかった。


そんで「El Scorcho」
これ、ほんと名曲だよなあ。場内大合唱。
Weezerの2枚目「Pinkarton」って日本でしか売れなかったって言うけど、
コアなファンは皆これが好きなんだろうな。
「El Scorcho」の前に歌われた「Devotion」って、
この曲がシングルで切られたときのB面ですよ!?
それがリクエストされて皆歌えるとは・・・
(この「Devotion」はリクエストしたオムニコードの男性が伴奏に加わる)


ちなみに、僕は Weezer の1枚目と2枚目は全然リアルタイムに聞いてなかった。
映画サークルの後輩の家に行ったとき、いいんで聞いてみてくださいと CD をかけてもらって、
それでも他の事に気をとられていたのか、ピンと来ない。
2002年サマソニ千葉マリンスタジアム、 Guns 'N Roses の前に出たのを見て、
それをきっかけにちゃんと聞くようになった。
僕としては2枚目の「Pinkarton」よりも1枚目の「Weezer」だなあ。
何度聴いてもいい。
Rivers Cuomo って90年代屈指のメロディー・メイカーだと思う。
90年代と限定するのは、僕が3枚目以後のアルバムは、
出る度に律儀に必ず買うけど結局どれも1回しか聞いてないってこともあって・・・
ハーヴァードを出ているとか、妻が日本人だとかあれこれ気になる要素はありつつも。


さらにちなみに、会場となった Fingerprints ってのが、どうも。
最近、「Live at Fingerprints」ってのをあちこちで見かける。
僕もこの、Rivers Cuomo と、Damien Rice と Cold War Kids と3枚持っている。
気になる人たちがことごとく
ここでアコースティックなライブを夜な夜な繰り広げているような・・・