The Beatles '09

9/9(水) ビートルズのアルバムがデジタル・リマスターされて発売。
朝のNHKのニュースを見ていたら銀座の山野楽器が映っていて、
午前0時のカウントダウンを待って
アルバムやボックスセットを購入しているファンたちの姿が。


僕もボックスセットを買った。
STEREO版とMONO版とがあって、
STEREO版は通常の商品としてバラ売りされるアルバムをセットにしたもの。
MONO版は一般販売されなくて、ここでしか聞けない。
HMVのサイトでMONO版を予約注文する。
これ、たぶん即日完売だろうと。
案の定、12日の土曜に渋谷のタワレコHMVに行ってみたら輸入版、国内版どちらとも完売。
予約しといてよかったとホッとする。
どちらの店も、中に入ってすぐのところで大々的にフィーチャーされていて、
店の外でも販促していて、大きな音でビートルズの代表曲を細かくつなぎ合わせたものが
大きな音でかかっていた。


家に帰って、夜、宅配便で受け取る。
さっそく聞く。後期のアルバムから、順に遡っていく。
まずは「Mono Masters」
これって「Past Masters」じゃないんですね。ちょこっと変わってる。
「Let It Be」「The Ballad Of John And Yoko」「Old Brown Shoe」が入ってなくて、
その代わりに「Yellow Submarine」のサントラに収録されていた
「Only A Northern Songs」「All Together Now」「Hey Bulldog」が収録されている。
聞いてみて、やっぱなんかしっくり来ない。
「Past Masters」がビートルズの入口で、長年聞いてきた身としては。
amazonのユーザーレビューを見てみたら「Yellow Submarine」って
以前モノラルのレコードで発売されたこともあるみたいなんだけど
今回のボックスセットには入っていなくて、
そういう事情でここに押し込んだんだろうな。
このMono版ボックスセットには活動末期の「Abbey Road」と「Let It Be」が入っていない。
そもそも Mono Mix が存在しないのだろう。
なので「Past Masters」も晩年の曲をカットせざるを得なくなった。


それはさておき、久しぶりにビートルズの曲をまとめてたくさん聞いた。
どこかで耳にすることはあっても、今更特に興味を持つことは無かった。
アルバム単位でちゃんと向かい合って聞くというのは、
もしかして30代になって初めてかもしれない。
もちろん、音がかなりよくなっている。
ビートルズに限らずどのデジタル・リマスターもそうだけど、ベースの音が全然違う。
ウネウネとしたラインがはっきり聞こえる。
霞が晴れてくっきりとしていて、初めてビートルズを聞いたときのことを思い出した。
13歳か14歳のあの日、僕にはこんなふうに聞こえたのだろう。


あくまで印象だけど、音がよくなったなあ!と実感したのは
「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」の目くるめく音の絵巻を聞いたとき。
心の中に思い描いていたよりもずっとカラフルになった。
「Magical Mystery Tour」は音に深みが増した。
ホワイトアルバムはまるでデモテープであるかのように音が生々しくなった。
「Revolver」より前はあんまり変わらないかな。
きめ細かくなったようではあっても、全体の印象はそれほど変わらない。


Monoでデジタル・リマスターだからどうこうと関係なく、
初期のシングル曲の勢いというか
例えば「She Loves You」なんかを聞くとやはり
ビートルズのポップな曲の破壊力ってとんでもないなと。キラキラしすぎ。
ストーンズもここだけは勝てない。
あの「Yeah Yeah Yeah」を聞いてしまうと、
ロックで世の中は変えられると信じてしまいたくなる。


こういうのを聞いちゃうとやはり気になってくるのは、
オリジナルのアナログ盤ではどういう音だったのか?ということ。
聞いてみたいなあ。どっかで聞けないかなあ。