和歌山出張2回目 その1(深夜の和歌山駅に到着)

9/18(金)和歌山出張。
打ち合わせのスケジュールを立ててみたら
朝から夕方までびっちりということで
前日木曜から和歌山入り、金曜も一泊ということにする。
出張なので往復の乗車券・特急券は会社持ち、ここまでの宿泊費も会社持ち。
ついでに自腹で19日土曜も一泊して、和歌山観光。帰りは20日日曜。
大学の映画サークルの後輩が和歌山に住んでいるので、案内してもらう。


9/17(木)木曜の17時半、オフィスを出る。
出張は本来3名なんだけど、諸事情により僕は和歌山まで一人旅。


東京駅へ。
Granstaで行きの新幹線で食べるつまみを買う。
今回もまたあれこれ迷って、「RF1」で惣菜のセットと
「串揚げ 門左衛門」でおつまみセット。
缶ビールを買って乗り込む。


飲みながら小説を読む。
ジョー・R・ランズデールのハップとレナードのシリーズ
「罪深き誘惑のマンボ」を持ってきたつもりが、どっちにしようかと迷った
(「国家の品格」で有名な藤原正彦の)「天才の栄光と挫折―数学者列伝」が鞄に入っていた。
まあ、いいかと読み始める。
アイザック・ニュートン関孝和、フィリップ・ガロワに始まり、
アラン・チューリングやインドの独学の天才シュリニヴァーサ・ラマヌジャン
そしてフェルマーの最終定理を解いたアンドリュー・ワイルズなど
歴史に名を残した数学者9人の評伝。
http://www.amazon.co.jp/dp/4167749025/
みな一様に、我々一般人からしたら不幸な生涯を遂げるんですね。
今でこそ後世の人々に高く評価されているものの、存命中は不遇だった。
フランス革命に共感したフィリップ・ガロワは問題児扱いされた末に若くして決闘で死亡。
コンピュータの生みの親アラン・チューリング
第2時対戦中の暗号解読を手掛けていたためにその業績が公開されなかった。
(近年徐々に明るみに出されていく中で、世界最初に作られたコンピュータは
 アメリカの「エニアック」ではなく、イギリスの「コロッサス」だと判明)
アイルランドのウィリアム・ローワン・ハミルトンは
報われなかった初恋に何十年と焦がれる余りに、晩年はアルコール中毒となった。
アンドリュー・ワイルズだけは暗い影が落とされていないが、
その解明は若くして自殺した日本人数学者のヒントによりなされたものだった。
などなど。
それぞれの人間の生き方、生き様が強烈なので面白く読んだ。
元々がエッセイなのか、藤原正彦がその人ゆかりの地を訪ねていく中でその人生が語られるんだけど、
藤原正彦の旅した過程とその中で思ったことをいっそのこと排除して、
評伝だけに限ったらもっと素晴らしいものになったかもしれない。


新大阪に着いて、和歌山行きの特急「スーパーくろしお」に乗り換える。
22時近くの最終。これ以外は新宮が終点となっているが、最終は和歌山まで。


23時を過ぎて、和歌山着。
駅間の商店街は閑散としている。
どこもかしこもシャッターが下りている。
歩いている人はほぼ皆無。
仕事帰りに歩いている人や、飲んでた帰りの人ってのもいない。
夜遊びしている少年少女や暇そうにしているホストとばかりすれ違う。
シンガーミシンの看板に、昭和の時代に端を発する緩やかな寂れ具合を感じる。


宿泊先のウィークリーマンションを探す。
じゃらんで探したら1泊6000円弱でとても安かったのでここにした。
行ってみると建ってるのはラブホテル。
賑やかな明かりに照らされた、その名も「天使のおさんぽ」
地図を見るとどうもここのようで、なぜ?と思う。
どこにウィークリーマンションがあるのだろう?
敷地の周りを一周してみたらあることにはあった。
ラブホテルの別館だった。
しかし、受付がどこなのか分からない。
意を決してラブホテルの裏口をくぐる。
男一人、スーツで、打ち合わせ資料の入った会社の紙袋を抱えて。
中はドのつくピンク。壁一面に趣向を凝らした各部屋の写真が並んでいる。
受付はカーテンのようなものがかかっていて、中に誰かいる。
聞く気になれず、外に出る。


そういえば、プリントアウトした予約申し込みに連絡先の電話番号が書かれていたな、と思い出す。
掛けてみるとおばちゃんの声。今すぐ行きますと。
・・・やはり、ラブホテルの中から出てきた。


3階の部屋へ。
ロフトあり。なかなか広い。
学生時代住んでいたロフト付きの部屋を広くしたようで、なんだかとても懐かしかった。
前金で支払うことになっていて、手持ちなし。
カードで支払ってもいいかと聞いたら 5% アップだというのでやめる。
というか、ラブホテル内のリーダーを使うというのはなーんかいや。
そんなわけで今から下ろしに行って、翌朝8時に支払うことに決まる。


管理人のおばちゃんは話好きで、
東京から?駅から迷わなかった?和歌山は初めて?とあれこれ聞いてくる。


荷物を置いて一息つくと、外に出る。
ネクタイを外し、上着はクローゼットの中へ。
近くに飲み屋街があって、パブやスナックの赤や青のネオン。
小さい頃住んでいた青森市本町の風景を思い出して懐かしくなる。


ローソンを見つけて、ATMで下ろそうとする。
18日は給料日。午前0時を待って残高照会してみたら振り込まれていない。
こういう振込みって午前0時ぴったりになされるんじゃないのね、ってことを生まれて初めて知る。
その日の振込み対象者ってのは全国に大勢いる。
朝までのどこかで随時なされていくのだろう。
別の口座から引き出す。
ついでにサントリー白角の水割りを買う。


帰ってきて、風呂を沸かして入って水割りを飲んで寝る。
午前1時。