終わった

昨日の夜、とある企業の最終面接。
終わった。受かろうが落ちようがこれで全てが終わった。


面接は定時後あっさり終わって、19時過ぎに解放される。
荻窪に戻ってくる。
このところまた仕事が忙しくて帰りが遅くて、それが久しぶりに速く帰ってくる。
編集学校の課題に関連する映画を借りようと駅前の TSUTATA へ。
初めて入る。というか、会員証をもってない。作らなきゃ。
でも、作ったら土日映画ばっかり見てそうだな・・・
店舗はとても小さくて、探していた映画は見つからず。


このところずっと、今日の面接が終わったら温泉に入りたいと思っていた。
荻窪駅前に「なごみの湯 湯〜とぴあ」ってのがあって、そこへ。
これまた初めて。
荻窪に10年以上住んでいて、いまだ駅前は入ったことのない場所ばかりだ)
http://www.yu-topia.com/index.html


26日は語呂合わせで風呂の日ということで、
通常の入場料2,000円が1,800円となっていた。
そう言えば朝のNHKのニュースでも、11月26日は「イイフロ」の日って言っていたなあ。


1Fの受付でコインロッカーの鍵を受け取って、4Fへ。
コートを脱いで、スーツを脱いで、ロッカーの中へ。
泡の湧き出る広い浴槽に浸かる。
ボチボチと客が入っている。40代〜50代の人たちが多かった。


何もかもが終わって、何も考える気がなくなる。
ただひたすら、抜け殻のようになって湯の中へ。


「アルス玉檜風呂」ってのが入って、そっちに移ってみる。
数億年前のなんとかのかんとかのセラミックらしい。
小さくて固い、梅干のような粒々のセラミックがわんさと浴槽に敷き詰められていた。
これ、保温効果とかありそうだけど余り居心地がよくない。
露天風呂へ。赤ワインの湯とかで薔薇の花が浮いていた。
湯がほのかに赤い。外は何も見えず。荻窪の曇った夜空を眺める。


風呂から上がって、3Fの食事処へ。
生ビールを飲む。ソーセージの盛り合わせを頼む。
テレビでは「奇跡体験!アンビリバボー」をやっていて、ボケーッと眺める。
ハインズ・ウォードというアメフトのスター選手の生い立ちを紹介していた。
今から30年前。韓国人の母親と米軍の黒人との間に生まれる。
偏見を避けるため渡米するが、間もなく離婚。英語が話せず、収入もなく、親権は父親側へ。
そこから母は必死の努力をする。韓国には絶対帰ろうとしない。
自給3ドルで3つの仕事を掛け持ちして1日16時間働いて、寝る間も惜しんで英語の勉強。
5年かけて貯金してようやく親権を取り戻し、親子2人で暮らし始める。
しかし喜んだのも束の間、ハインズは混血児といじめられるようになり、
それを目にした母はアメリカに来て初めて涙を流す。
母子家庭で育った僕はこういうのほんと弱い。涙が出そうになる。
生ビールを飲みながらソーセージ盛り合わせの鉄板の上のコーンをスプーンで掬って、
そんで1つ置いた隣の席に他に客がいるからって涙をこらえる。
息子が2006年、アジア系アメリカ人初のMVPを獲得を機に母、30年ぶりの韓国。
空港で出迎える大勢の人々。


そんなこんなで帰ってくる。
相変わらず、iTunesへの取り込みに精を出す。50G近くまで来た。
Fred Frith「Step Across The Border」を聞く。
音楽、音というものを求めて世界中を放浪する Fred Frith の姿。
音楽関係のドキュメンタリーとしてとても秀逸だった。そのサントラ。
Henry Cow ってケンブリッジ卒のインテリばかりが結成したバンドだった。
そして社会主義を信奉していた。
編集学校の課題の関係で、
第一次大戦後のケンブリッジ社会主義の関係について、調べなくてはならない。
つうか当時、フランスだってどこだって知識人たちはハシカのように社会主義に熱中していた。
あれはいったいなんだったのだろうか?


23時過ぎ、眠る。
それにしても「Step Across The Border」っていいタイトルだと思う。