Twitterというもの

ものすごく大雑把に言って、
IT業界で今年話題のキーワードは「クラウド」と「Twitter」だったように思う。
これぐらいしか「将来性のある何か」ってことで
幅広く期待される概念やサービスはなかったのではないか。


身の回りでは、早ければ昨年にも使い始めていた人はいたけど、
先月だったか、先々月だったか。
遅ればせながら僕も Twitter のアカウントを作ってみた。
その後ほったらかして、最近また使い始めた。


今、猫も杓子も SNS は同じようなのを導入してるじゃないですか。
mixi だったらマイミクボイスだとか。
で、僕もしばらくはそっちにあれこれ書き込んでいた。
サンシャイン牧場とか、mixi でなんかしたときのついでに。そういうのだと書きやすい。
Twitter の方は当時、「さて何を書けばいいだろう?」と思ってしまったんですね。
一瞬でも躊躇してしまったら、我に返ってしまったら、
こういうのってなんだかめんどくさいものになるもんです。


ここ数日、ようやく慣れてきて気軽に書き込めるようになった。
そうすると急に、「あ、これって面白いかも」と思い始める。
つぶやくのが面白いっていうんじゃなくて、
なんだろ、短い言葉をポンポンと細切れに放っていくのが面白いというか。
・・・結局一緒か。


文字制限のないブログを書こうとすると、
文章の構成だとか言葉遣いだとかそれなりに考える。推敲もする。
しかし、Twitter のように最大でも140文字になってしまうと、それがなくなる。
そのとき思いついた思考の断片をそのまま素で放ってしまう。
あるいは、誰かとの会話を言いっぱなしで残してしまう。
これ、すげーなと思った。画期的だ。
思考の結果ではなく、経過、プロセスそのものを残せる仕組。
日常生活での他人との接触、その断片をそのまますっと切り取る仕組。
Wikipedia」というものが広まって
集合知とはこういうものか!」と体感したとき以来の衝撃。
それがこんな簡単な仕組で実現してしまうとは。


この前、インターネット白書を読んでいたら、確か、
Facebook が資金繰りに難航する一方、Twitterベンチャーキャピタルからの資金調達に成功とあった。
「ふーむ」と思う。なんかやりてっぽい。
(ニュースを検索してみたら、Facebookは今年5月にロシアの企業から巨額の投資を受けたようだ)


そういえばあと気になるのは、「Tumblr」かな。
あれってマイクロブログというよりは、ソーシャル・ブックマークか。
自分のブログのリンク元を見ると
去年ぐらいから Tumblr の名前がチラホラと出てきていて。


そうだ。なんで、最初アカウントを作ったときにはまらなかったか。
20人のホットブロガーみたいなのをデフォルトでフォローするようになっていて
その中にガチャピンとかホリエモンがいて、その書いてるのを読んでるうちに
自分が「読者」になってそこで意識が終わってしまうんですね。
それら20人のすごい人たちと自分とを無意識のうちに比べて、
すぐにも自分というものを埋もれさせてしまう。
僕が書きこむようになったとき、これら20人のフォローは要らないと思って全部消した。
そしたら自分の中で何かがすっきりして、自分のことを書きたくなってきた。


なんだか最近、ブログを書くよりも Twitter に書き込むときの方が
世界に対して発信しているような気持ちになる。
(この「書く」「書き込む」の違いもまた、重要なんだろうな)