年末に TSUTAYA DISCUS で借りて見た2本について。
「ファニーゲーム U.S.A.」「イントゥ・ザ・ワイルド」
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「ファニーゲーム U.S.A.」はミヒャエル・ハネケの「ファニー・ゲーム」を
その名の通り舞台をアメリカに移して完コピしたというもの。
細かく見比べたわけじゃないんで、実は全然違ってる個所もあるのかもしれないけど、
僕には分らなかった。冒頭の、ボートを引いて走る車を真上から撮った美しい映像から、
例の「リモコン」やボートのシーンまで。
ハードコアパンクな曲まで一緒。
(音楽のクレジットを見たら John Zorn の名前があったので、今回は Naked City が演奏?)
どっかに仕掛けがあって、途中からガラッと変わるんじゃないかと期待しながら見ていると、
マジで期待を裏切られる。さすがだ。これはこれでいつも通り、神経を逆撫でされた。
「ファニー・ゲーム」を見たとき、言葉本来の意味で神経を逆撫でされた。
ハネケ作品の中ではこれが断トツ。
こんなゾッとする映画、2度と見たくない、絶対いや!と思ったもんだけど。
今回「ファニーゲーム U.S.A.」という形でリメイクされてもう1度見るはめになった・・・
ハネケの知的な底意地の悪さを心の底まで堪能させてもらった。
何の救いもないし、何の理屈もない。
湖のほとり、裕福な人たちの集まる閑静な別荘地。
不快さを一身に体現した若者が2人現れて、親子3人をジワジワと殺していく。
ただ、それだけ。
得体の知れない薄気味悪さをここまで描き切った作品、他に知らない。
「ファニーゲーム JAPAN」なんてのが作られて、
これまで通り完コピだったとしても、また見てしまうと思う。
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ショーン・ペン監督。
90年代前半。大学を卒業したばかりの青年が、物質社会に背を向けて、金も名前も捨てて、
ヒッチハイクでアメリカを横断する旅に出る。
メキシコへと下っても満たされない。今もヒッピーとして自由気ままに生きる人たちに出会う。
やがて、誰ひとり住んでいないアラスカの荒野を目指すようになり、長旅の果てに辿り着く。
アラスカの風景が美しい。
ぼけーっと見ていられる映画。
回想の中の主人公が旅先で出会う人々との交流と、アラスカで一人きりの主人公の現在と。
特に込み入ったドラマはなく、ただただ主人公の内面を映し出した風景に浸る。
それまで何の経験もなかったのに食べられる植物を探し、ヘラジカを撃ち、その皮をはぐ。
実際に存在した青年の話。
何もかも投げ出して、金があってもしょうがない場所へ。そこで一人きりで生きていく。
誰もが一度は夢想した生活を実践する。
彼は人生というものを投げ出したのか、それとも獲得したのか。
一見獲得したようでいて、映画を見ているとどっちでもなさそう。
どこまで追いかけても見つからないものを探し求めるその姿は、自分という人間の影のようだ。