ローンウルフ

編集学校のお題で、小さかった頃に好きだった物語を挙げなさいというものがあった。
アニメ、ドラマ、漫画、絵本、童話、子守唄・・・
あれこれ頭の中を探って行った末に思い出したものがあった。
ゲームブック


パラグラフごとに選択肢が提示されて次に進むべきパラグラフが指定されていたり、
サイコロを転がしてその数で運命が決まったり。
ゴールまで辿り着くこともあれば、
途中で選択を誤ってゲームオーバー、物語がそこで終わることもある。
プレーヤーが選択肢をどう辿るかによってストーリーは変化する。
今思えばインタラクティブな本の走りだった。
80年代後半、ファンタジーの本場イギリスから多数が翻訳されたが、
ゲーム機の普及により徐々に消えていった。


ご多分に漏れず、最初は社会思想社から出版された
ファイティング・ファンタジー」略してFFシリーズ。
火吹山の魔法使い』に始まり、『死のワナの地下迷宮』とかね。
amazon で検索したら、たくさん出てきた。
『盗賊都市』『運命の森』『トカゲ王の島』『死神の首飾り』この辺りはやったな。
イアン・リビングストンスティーブ・ジャクソンといった作者の名前がとても懐かしい。
作者ごとにテイストが微妙に違って、今読むと味わい深いかも。
イアン・リビングストンの作品はスクエアで、スティーブ・ジャクソンの方がユーモアがあった。
プレミアが付いて高くなったのは今、中古で \25,000 の値段となっていた。
書き込みがない新品なのかなー。


(いや、最初は、Wikipedia の「ゲームブック」の項にもあったように、
 マイコンBASICマガジン、通称ベーマガの「ペーパーアドベンチャー」かもしれない)


小学校六年生や中学校一年生の雪に閉ざされた冬休み、
他にすることがなくてこればっかりやってたような気がする。
小遣いをもらうとゲームブックを買いあさった。
友人たちとも貸し借りした。
実家に戻ればたくさん出てくるだろう。


ネバーランドのリンゴ」「ニフルハイムのユリ」といった
今や名作の誉れ高い作品も持っている。
いや、これほんと美しい世界観を持っていた。


その中で一番好きだったのは、ローンウルフのシリーズ。
剣と魔法のダークでビターなファンタジー
架空の国マグナマンドを舞台に
虐殺をたった一人生き残った最後のカイ戦士、サイレント・ウルフが
各巻で密命を受け、死と隣り合わせの冒険を繰り広げる。
修行の末に秘儀を身につけ、やがてはカイ・グランドマスターへ。
ドルイドとかサーガの影響を受けた、独特の邪悪な世界。
僕にとって最高のワールドモデル。


全巻持ってて、当然、ガイドブック『マグナマンド・コンパニオン』も。
これ、以前見たら amazon で3万以上になっていたか。ちょっとした自慢。


日本では翻訳が8巻までで途絶えたけど、本国イギリスでは28巻まで出たのだそうだ。
ファンサイトが日本にもいくつかあって、例えば、
http://www.geocities.co.jp/Bookend/5965/silentwolf.html


自力で翻訳している人たちもいる!
http://udwety.web.fc2.com/sofar.html


海外だと、ここで全部読めるっぽい。
http://www.projectaon.org/en/Main/Home


あの雰囲気を味わいたく、挿絵の画像を探すが見つからず。海外の Wiki に地図があった。
http://lonewolf.wikia.com/wiki/File:Magnamund.jpg


ちょっと見つけた。こんな感じか。
http://forums.penny-arcade.com/showthread.php?p=11798864


このシリーズ、根強いファンが多いと思うんだよね。
復刻版とか愛蔵版が出たら高くても買う人がいるのでは?
ホビージャパンに期待したい。