大阪に住む その2

オフィスの最寄り駅が京阪線で、ウィークリーマンションも京阪線沿いで、乗り換えなし。
便利。・・・のはずが。
ホームに降り立ってみると、壁に路線図が貼ってなくて目的の駅が急行や準急で停まるのかが分からない。
なんとなく各駅停車でないと停まらない気がする。
急行をやり過ごして、次が準急。もしかしたら停まるかもと思うが様子を見る。
その次が特急。どうなってるんだ? と思う。そしてまた準急。
もしかしたらこの駅は各駅停車が停まらない? そんなばかな。
電光掲示板に停まる駅が流れるんだけど、天満橋と京橋と
どっかからどっかまでは各駅停車とあって、
そのどっかからどっかの間に僕の下りる駅が入っているのかどうかが分からない。
テープのアナウンスもおんなじ感じ。
京阪線は大阪外から初めて来た人に冷たいね。東京じゃありえないよ。
2回目の準急に乗ってみたらさすがにドアの上に路線図が貼られていて、
やはり各駅停車じゃないと停まらなかった・・・
京橋で乗り換える。待ってたら各駅停車が来た。


下りる。小さな駅。改札は2つのみ。
駅前に串カツの店があって、本屋があって、寿司屋とそれぐらい。
歩いて3分ぐらいのところにあるのは近くていいけど、コンビニがない・・・
スーパーもない。ラーメン屋も吉野家の類もない。何もない。
それでいて歯医者だの耳鼻科だの町医者がたくさん。
なんなのだこの町は。


ウィークリーマンションを見つける。1階の部屋。
電気のスイッチがどこにあるのか分からない。
真っ暗闇の中、手探りで部屋の中を進む。
スイッチを押しても明るくならない。
そうだ、とブレーカーを探す。
フローリングの床が冷たくてしょうがない。
ブレーカーを上げると廊下の電気がついた。
部屋の中が明るくなる。
これが2ヶ月僕が住む部屋か・・・
もちろん、何もない。まっさらなまま。
ほんとに引っ越してきたような気分になる。
新しい生活が待っている。
10畳ぐらいあってなかなか広い。プラス、ロフト。


荷物を置くと、取り急ぎ外に出てコンビニを探す。駅前に出る。
反対側の出口に行ってみると100円ショップがあった。
昼に買う必要はなかったな・・・
スリッパとゴミ箱をさしあたり買う。
向かいにスーパーがあって、シャンプー、リンス、ティッシュペーパー、歯磨き、歯ブラシ、
ミネラルウォーターを買う。
駅前の簡素な商店街を歩いてラーメン屋に入る。
広くて新しいのに客が全然入っていない。
店がだめなんじゃなくて、それ以前にこの駅がだめなのだろう。
全部乗せ系を頼む。特筆すべきことの全くないラーメンだった。
次に入ることはないだろう。
数少ない駅前の店がこうなのだから、先が思いやられる。
ほんと何もなさ過ぎる。陸の孤島


部屋に戻ってきて、荷物を整理する。
ゴミ箱の中をスーパーの袋で覆ったらいっぺんに生活する部屋っぽくなった。
iPhone をスピーカーにつなぐ。ネットブックを立ち上げる。
テレビの電源を入れて居住者がインターネットに接続するための初回ログインを行うが、
肝心のLANケーブルを忘れてきてしまった・・・
それとあとテーブルタップがいるなあ、
そうだ、タオルやバスタオルの類がない。シャワーを浴びても体を拭くものがない。
昨日のダンボールに詰めたんだった。そしてそれが今日、受け取れない。
買いに行くしかない。


100円ショップが閉店したので、スーパーへ。
ついでに台所の布巾やスポンジ、洗剤、ゴミ袋を買う。
タオルは売ってなくて、仕方なく100円で安売りしてたキッチンタオルで代用する。
それにしてもこんなペースであれこれ買っていたら金がかかって仕方がない。


帰りに駅前で見つけたたこ焼屋で、せっかく大阪で暮らす1日目だしと7個入りを買う。
最後の1個が余ったからと店長がその1個をサービスしてくれる。なんだか幸先がいい。
帰ってきて食べる。
飲み物が欲しくなって外に買いに行く。
コーラとスコール。スコールは名前は聞くけど、関西の飲み物だったか。


荷物を整理して一息つく。
ダンボールが届かないため、部屋で着る着替えもない。
スーツで過ごす。


業者が掃除をしたばかりできれいなバスルーム。
風呂を沸かして入る。


まっさらな部屋で過ごす時間は新しい人生へと切り替えるかのようだ。
なんだかとても楽しい。


布団がレンタルに含まれていたんだけど、掛け布団・敷布団・枕のみ。
エアコンは3時間で切れるようになっている。
風邪を引きそうだ・・・