感門之盟

昨日は編集学校の卒業式的イベント、感門之盟。
朝まで飲んでて、先ほど起きた。


朝から雨が降ったりやんだり。
長袖アロハを着てその上にダウンジャケット。


最終日の土曜ってことで渋谷の HMV に行って CD をまとめ買いしたのち、
またしても神座に行って、小チャーシュー+もやし+キムチ+肩ロース+煮卵。
土台がしっかりしてるけどあっさり味のスープにキムチがとてもよく合う。
もやしは最初に神座を教えてくれた会社の先輩がうまいと言っていたので。


銀座線に乗って銀座へ。
三省堂で校長の本を探す。離の課題図書で買ってないのがあった。
その後ブックファーストに移動するが見つからない。


築地方面まで歩いていって、朝日新聞浜離宮ホールへ。
初めての場所でどこが入口か分からず、迷う。
12時開場、13時開始。12時過ぎには到着して、ロビーでしばらく待つ。


今回300人が参加となっているが、ホールがとても小さい。
入りきるのかと不安に思う。ステージもなかった。
しかしいつも通り「ISIS」のネオンが掲げられ、
「卒門」「突破」「放伝」「績了」の書がそれぞれ垂れ幕のように吊り下げられていた。
(これらの言葉は各コースごとに、終了・卒業を表す独特の言い回し)


今回のテーマは「ポリロール」「多冊主義」
多冊は「もっと本の可能性を」ということなんだろうけど、ポリロールってのは聞き慣れない。
ポリフォニックなロールさばきってとこか。
会社員として、家庭人として、編集学校の学衆や師範代として。
そういう社会的役割だけではなくて、
その日その時ごとの状況に応じて人はクルクルといろんな面を見せていく。
そこのところにもっと意識を振り向けようってことなのだと思う。


13時を過ぎて感門之盟が始まる。
最近のキーワード「ダブルページ」に合わせて
スクリーンには右と左に一人ずつ、人物の顔を表紙にした本が映し出される。
ゴダールビル・エヴァンス金子光晴とサミュエル・ベケット。など。
そして校長が登場。
本というものはたくさんの自分がたくさんの他者と出会う場所であるという話をする。


22期守(初級コース)の卒門、12期花伝所(師範代養成コース)の放伝。
20期守の同期が師範代として立っているのを見るのは感慨深かった。


短い休憩をはさんで、遊:風韻講座(俳句や短歌のコース)の韻去、
そして今回僕が受けた遊:物語講座の績了。
ホール前方に全員で並ぶ。
守や破のときには観客席から見てるだけだったけど、今回3回目にして遂に舞台の上へ。
1人ずつ「綴懇巻」という卒業文集を貰う。
昨年はビニールのカバーだったのが今回は分厚いカバーで製本された。
その後、5つのパートそれぞれの作品賞の発表。
各賞とも一席、二席、三席が発表され、一席だと校長から先達文庫が授与される。
つまり、賞や受賞者にちなんだ本がもらえる。
僕は編伝というパートで二席、ミステリーのパートで二席。
どうせならどれか一つで一席を取りたかったなあ、・・・と正直落胆する。
二つも入賞したのなら、それで十分な結果ではあるけれど。


ああ、終わったと思いきや最後に、今期の最優秀学衆に対して贈られる冠綴賞。
全作品を採点した結果の上位5人が5位から発表される。
4位、3位、2位が2人と発表されて、僕の名前が出てこない。
お? お? と思っていたら発表されて受賞者は僕だった・・・
校長から先達文庫として『エッダ』をもらって握手。
感激した僕はなかなか手を離さない。
校長がにこやかに僕を見つめる。
その後受賞のスピーチを行う。


ああ、遂にここまで来た。破のAT賞のリベンジができた。
(そのためにやってたわけではもちろんないんだけど)
感無量。なんだか久しぶりに努力したことが報われた。
休憩時間にその後のアフ感(アフター感門之盟、つまり懇親会)にと
多くの人から祝福の言葉を貰う。


校長からは倉橋由美子賞に応募することがあったら、
選考委員は高山宏だけだから電話しとくと冗談で言われる。


長めの休憩の間に、配布されたランチボックスを食べて、
落冊市という校長の蔵書のオークションに入札する。
若松孝二の自伝『俺は手を汚す』を1,000円で落札。校長のマーキング入り。


破(応用コース)の突破があって、業(みずほ銀行向けの特別コース)の終了、
そして「序」「本座」「松丸本舗」の紹介。
編集工学研究所の専務から、丸善との資本提携が決まって
丸善の社長の方が編集工学研究所の社長となると報告。
丸善大日本印刷のグループ。その孫に編集工学研究所に位置することになった。
もはや独立ではやっていけないのだなと、末席の学衆としても複雑な気持ちになる。


最後、校長講話。
高校・大学での新聞部での経験、
その後のニューアカデミズムの旗手という立場の放棄といったエピソードの紹介の後に
こんなことを話した。
政府は社会から格差をなくそうとしている、
その一方で携帯電話といった本来パーソナルなメディアがグローバルなものとなってしまい、
世の中から余裕というものがなくなってしまった。
その打開策が「本」という存在なのだということ。
多重的なアソシエイトのモデルが必要だが、実はまだ確立されていない。
経済のモデルも会社の組織のモデルも当てはまらない。
それは実は、多冊的なモデルとなるべきではないか?


例によって全員で記念撮影。
来週末からお世話になる離の師範代の方に引っ張られて最前列の真ん中で写真に収まる。


有楽町の国際フォーラムのカフェテリアに移動してアフター感門之盟。さらにもう一軒に移動。
同じ文叢(クラス)の方たちや師範の方たちと稽古と指南の裏側の話をする。


今回お世話になった師範の方がとても近くに住んでいるということを知る。
なんなら今度荻窪で飲もうよと。
日本酒が充実していて、作家がよく訪れる店があるようだ。
師範の方たちの飲み会が荻窪西荻窪で開催されることもあるとのこと。


あれこれいろんな人と話す。
岡村さんは離を終えたら師範代やらずに小説を書きなよ、時間がもったいないし、
師範代をやったらせっかくのエッジがなくなりそう。
というありがたい(?)お言葉をもらう。


離の集まりにも顔を出す。
内容には一切触れられないがという前置きがあって、1つだけ忠告を受ける。
それは「プリンタはレーザープリンタがいい」というものであって
とにかくたくさん紙を印刷することになるからと。
その時間ももったいなくて速いプリンタが望ましい。
これから先いったい何が待ち受けているのか?
ちょっと怖くなる。
「離は噂ほど厳しくはない」と語る人もいれば「とにかく楽しい」と語る人もいて。
さてさてどうなることやら。
なんにせよ大阪にこの前買ったプリンターを運ぶことにする。
小さいのを買ってよかった。


午前3時だったか4時だったか。
タクシーに乗って帰ってくる。
外は雨。


日曜は床屋に行って、夕方新幹線で大阪に移動。