離 - 015 : バッテリー、瓦、メビウス

3月3回目の関西汁講。3週連続でこれがラスト。
この日のほとんどが稽古できずとなってしまうため、
いつも通り7時半に起きてお題を二つこなす。
10時になって部屋を出る。


京都へ。各停→準急→特急と乗り換えていくのだが、
3連休の初日ともあって車内はとても混雑していた。


11時半。京阪の四条駅で下りて河原町へ。
後輩と落ち合ってラーメンを食べるはずが、急用でダメに。
先斗町に行ってカジュアル系懐石料理の店に入ってランチ。
天丼1,300円と店の名物だという筍の醤油焼き1,300円。
どちらもうまかった。さすが先斗町
河原町に戻って和菓子屋にて饅頭を買って母に送る。


関西汁講京都の部の集合まで2時間近く暇ができる。
VIVREを探してHMVに入ってみる。
特に探しているCDがあるわけではないのだが、どんな店だろうと。
とても小さくて在庫が少なくてがっかりする。


手ぶら。行きの車内ではiPhoneで離のメールを読んでいた。
メールの受信が電力を食うのか
離が始まってからバッテリーの減りが異様に早くなった。
この日もこのVIVREの辺りでバッテリーが残り半分に。
音楽を聞くのをやめる。
どこかで充電できないか探す。
コンビニでは乾電池で充電するのを売っているが、iPhone用のはないようだ。
ホテルのロビーなんかにワンコインで充電できるのを置いてたりするのを見かけるが、
いざ探してみると見つからない。VIVREとかデパート・スーパーの中だったり、
プリクラやゲーセンだったり。
結局見つからず、バッテリーは落ち合った後無燐庵でなくなる。


集合場所が東西線の蹴上という駅だったので
位置を確認するために商店街のアーケードを京都市役所の駅まで。
地図を見るうちにその近くの平安神宮まで行ってみるかという気になる。
2駅、時間もあるから歩いて行く。京阪三条と東山。


平安神宮。朱色の鳥居がやけに大きい。
くぐる。とても広い。細かな白い砂利を敷きつめている。
なんだか新しい。聞くと、明治時代に京の都1100年を記念して
万博的イベントにて建てられた神宮なのだとのこと。
入場料600円を払って神苑へ入ってみる。
まあ和風な庭園なんだけど、
なぜか日本最初の電車が奥に、植物に囲まれて飾られていたりする。
古びて、土に帰る途中のように見える。
歩くうちに大きな池に出て、
屋根つきの橋というか楼閣?が池を横切っているのに出くわす。
これが名物なのだろう。泰平閣という橋殿。
中をくぐる。


神宮の前に人力車で観光案内というので何人か待ち構えていて、
この機会に乗ってみる。一番安い2000円で10分、付近をぐるっと回るコース。
女性の車夫(正しくは、人+車)の方にする。
乗ってみる。赤い膝かけを乗せる。
持ち上げて走り出すとふわっとする。
タッタッタッと軽快に道路を走る。大鳥居の前まで来る。
この神宮の周りには電線がないんです、
この界隈は条例でどの建物も屋根は瓦なんです、
(見ると確かにガソリンスタンドだろうとセブンイレブンだろうと瓦)
といったワンポイント・ガイドを受ける。
市立美術館や動物園(上野に続いて、日本で二番目の古さ)の前を
通り過ぎて戻ってくる。
バイトでやってるんですか? と聞いたらこれが本業で
毎日人力車を曳いているという。
えびす屋というとこがこの人力車をやってるんだけど、
浅草や鎌倉でも同じように営業しているとのこと。


その後近くの南禅寺へと歩いて行く。
三門という大きな門の中に入る。急な階段を上って2階へ。眺めがいい。
この日はとても暖かく、僕はダウンジャケットを脱いでシャツも脱いで、
Tシャツ一枚になっていた。
風が強い日でこのような場所で風にさらされるととても気持ちいい。


集合場所の蹴上駅へ。
南禅寺の門をくぐったところから使われていない線路が伸びていて、
子供たちが駆け上がっている。それを見て僕も線路を歩く。
小高い丘へと続いていて、蹴上の駅が見えてきたところで無理やり下に降りる。


落ち合って、まずは南禅寺に戻る。
有名な赤煉瓦で作られたアーチ型の水道橋を見る。
古びた、がっしりとした橋が機微に囲まれている。これがなかなか美しい。


次に無燐庵へ。山県有朋の別荘。庭園を歩く。
(周りの車の音を無視すれば)小鳥のさえずりの聞こえる物静かな場所。
茶室と洋館。この洋館の2階の部屋にて、
山県有朋伊藤博文桂太郎小村寿太郎の四人が
日露戦争を前にして会談を行ったという。
母屋(抹茶が飲める)の縁側に腰を下ろすとそのまま倒れ込んで寝っ転がる。
ここもまた吹き抜ける風が気持ちいい。


少し歩いて、並河靖之七宝記念館。
明治期に七宝の美と技術を追求した並河靖之の屋敷が
そのまま小さな美術館となっている。
七宝焼きってよく分からないんだけど
その細密画的な美は確かに「おおー」と唸らせる。
窯にはブリタニカ百科事典の「エナメル」の項目に掲載するために
撮影された写真が飾られていた。
屋敷は大きくはなく、庭も小さなものなんだけど趣があってよい。
苔むした大きな灯篭が何基も立っているんだけど、全然目立たず調和している。
ここ、京都観光の穴場かも。


外に出て、普通の住宅地の中を歩く。
小さな川というか用水? が流れていて、家々は塀に裏口を設けているんだけど、
橋が渡されているわけでもなく出入りできない。
そういう家がいくつかあって、気になった。


茶店に入ってエンキ・ビラル丸尾末広メビウスのことなど話して、
京都国際マンガミュージアムのカフェにてメビウスが壁に下絵なしで
 鳥の絵を描いた時のことを聞く)
京阪線に乗って大阪へと移動。
堺筋線扇町にある「てぃーあんだ」という沖縄料理の店へ。
http://www.be-ing.jp/~t-under/
東京から移動してきたメンバーと合流する。
高速バスに乗ってきたり、青春18切符だったりそれぞれ大変だったようだ。


外は雨、2軒目に入ってこの頃から疲れて眠ってしまう。
気がつくと解散で終電はなさそう、タクシーに乗って帰ってくる。
シャワーも浴びず即寝る。


離を終えている師範代から、あれこれ離のことを聞いた。
とにかく諦めないこと、と激励される。