離 - 029:フルスロットル、矜持、枕元

この日は部屋にこもって1日中回答。
・・・のつもりが、起きたのが10時だったり
大阪からの荷物が届いて片づけていたりでなかなか落ち着かず。
午後はエンジンがかかって22時までフルスロットル。
目標としていた4つを回答。
ぐったりと疲れ切る。しかし心地よい疲れ。


その後缶ビールを飲みながら『木靴の樹』の続きを見る。
確かにこれは後世に語り継ぐべき名作だった。
こういう語り口の映画、初めて見た。
なんてことのないエピソードが淡々と積み重ねられていく。
前半は特に、そう。四季折々の苦しい農民の暮らしが描かれる。
後半はそこに大きく分けて4つの流れが生まれる。
・老人が祭りの夜に金貨を拾って馬蹄に隠すが、消えてなくなる
・別の老人が他を出し抜いてより早くトマトが熟すよう、あれこれ試してみる
・見そめあった若い二人が結婚してミラノの修道院を訪れて里子を連れ帰る
・遠くの学校に通うようになった子供の木靴が割れて
 父親は地主の許可なく村の木を切り倒すのだが、それが見つかって一家が追放となる


こう書くと何てことないんだけど、
悠久の時間の中に溶けていくような映像で描かれると
とてつもなく大きな物語の只中にいるかのよう。一つ一つが心を揺らす。
凡百の「とりとめないエピソードの断片」映画と一線を画すのは
そこに「矜持」とでもよぶべきものがあるからだろう。
ラストシーン、何気ないいつもの出来事、何気ないいつもの光景を描いたはずが
とてつもなく大きな「意味」の迸りをもたらす。


昼も夜も納豆ご飯とキムチ、ごま昆布、わかめスープ。
午前0時過ぎに眠る。
まだ若干疲れ気味。


昼、目の前の本棚を離に合わせて入れ替える。
校長の本と千夜千冊で取り上げられた本と辞典と。
それまで入っていた本はとりあえずロフトの枕元に押し込む。