「イングロリアス・バスターズ」「トウキョウソナタ」

昨晩、タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」を観た。
面白かった。特に言うことはない。

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続けて今晩観たのは、黒沢清監督の目下最新作「トウキョウソナタ
突然のリストラを受けて緩やかな崩壊の始まる4人家族と、その再生を描く。
前半、ジワジワと締め付けるように得体の知れない緊張感の高まっていく展開はさすが。


身につまされるのは冒頭の主人公、香川照之の首の切られ方。


「佐々木さん、あなた何ができますか? 会社のために」


そんなようなことを言われる。


「ないなら、出て行ってください」


転職活動で受けた会社でも同じことを言われる。


「今ここで、説明していただけませんか?」


ゾッとした。いくら映画の中とはいえ、僕もそろそろこんなふうに言われるのだ。
35歳。どこかで分岐点があって、
それがあっさりと気付かぬうちに過ぎてしまったように思う。
そしてそれはもう、引き返せない。


沈み行く船に乗って、いつのまにか首まで浸かっていて、
そして救命ボートは行ってしまった。
そんなセリフもあった。


これまで好き勝手に生きてきた僕は
残りの人生でそのツケを払うだけで終わってしまうかもしれない。


それを防ぐために今から何をするか? というのもこれと言って思いつかない。
仕事に向き合う態度を改めるとか。でも、どんなふうに?
資格? ないよりはましだけど、1つや2つじゃ今更焼け石に水


何よりも、実生活ではノホホンと仕事ごっこしてて、サボりまくってて、
映画見て初めて「やっべー」と思うテイタラク
僕の今の直属の上司は同期だからねえ。


黒沢清は人の神経を逆撫でするのがほんと、うまい。

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イングロリアス・バスターズ」は、どうしたんだ? タランティーノ
と言いたくなるような王道路線。手堅い演出でグイグイもっていく。
それまで好き放題やってた人が人生の後半を意識しだしたかのような・・・


主演のブラピも、あるときから「ヘラヘラした人」をそつなく演じます
という芸風をきっちり磨く路線へと転換したような。


やばい。