『ソウルパワー ザイール'74 伝説の音楽祭』

金曜の夜、バウスシアターに『Burning』を見に行ったら
昼間は『ソウルパワー ザイール'74 伝説の音楽祭』という映画をやっていることを知る。
1974年、モハメド・アリがザイールのキンシャサ
ジョージ・フォアマンと行った世界ヘビー級タイトルマッチ。
これは記録が残され、試合そのものは
モハメド・アリ かけがえのない日々』として映画化されるが、
そのとき合わせて開催されていたブラックミュージックのフェスティバル
「ザイール'74」もまた撮影されていた。
その125時間にも及ぶフィルムが30年以上もの年月を経てようやく編集されたというもの。
http://www.uplink.co.jp/soulpower/


メンツがすごい。
ジェームス・ブラウン & The J.B.'s, B.B.キング,
ザ・クルセイダーズ, セリア・クルーズ&ファニア・オール・スターズ ...
などなど、そして地元ザイールのミュージシャンやパフォーマーたち。


僕としては全盛期のジェームス・ブラウン& The J.B.'s が
ステージの上で動いているのを見てみたかったのだが
(僕は気が付かなかったが、メイシオ・パーカーもいたようだ)、
それ以上に興味津々だったのが、ファニア・オール・スターズなんですね。
70年代サルサを代表するグループ。
Music Magazine 系の何かで知って、『Live At The Cheetah』ってのを聞いたらこれがすごい。
熱帯の暑くてけだるい夜を吹き飛ばすような迫力の音。演奏の切れ味がよすぎ。
このときの演奏にはエディ・パルミエリもいたようで、
ステージの上で目立って煽ってたのが彼なのだろうか。


ジェームス・ブラウンもそうだけど、モハメド・アリのハイ・テンションぶり。
ぶっといオーラというかヴァイヴが汗のように飛び散り、
じっとしてられずとにかく喋りまくる。
なんかかなり胡散臭いんだけど、
リングでスパーリングしている場面での身のこなしには華麗なものがあった。
よく言われる「蝶のように舞い、蜂のように刺す」ですね。


映画はステージの場面だけではなく舞台裏も大事にする。
アメリカのミュージシャンが「ルーツ」であるアフリカへと戻る、
その喜びと興奮も漏らさず伝えようとする。
集まってそこに楽器があればすぐ演奏が始まる。
例えそれが飛行機の中だろうと。
フルートとヴァイオリンとウィスキーのポケットボトルを叩いて。
街頭でも普通にボンゴを叩いて踊りだして。
有名なミュージシャンも無名の街の人も一緒になって笑顔で踊る。
そういうときに生まれる、単純だけど芳醇な音楽がいいんですね。


実は、昼にビールを瓶で2本飲んでからの鑑賞だったため、途中寝てしまった。
B.B.キングとザ・クルセイダーズが全く記憶ない。
ザ・クルセイダーズはサポートのギタリストとして、
ラリー・カールトンが出ていたようなのに・・・
未公開の演奏シーンをふんだんに足した DVD が出たら買ってもう1度見ようと思う。


吉祥寺で見て、帰りは iPhone
スライ&ファミリー・ストーンを聞きながら荻窪まで戻った。
この時期のスライならこういうの絶対出ないだろうな。
ほっといてくれって感じで。
人として浮き沈みのあったスライもいいが、
ゴッドファーザー・オブ・ファンク」を全うしたジェームス・ブラウン
軍配を上げたい気分となる。