すけべな女の子

くるりのシングルB面の曲に「すけべな女の子」というのがある。
いいタイトルだと思う。だけどどういう曲だったか、思い出せない。

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こんなことを言う(書く)のもなんだが、
日々、生きていて多くの女性とすれ違う。
地下鉄の向かい側に座っている。
様々な店でさまざまな物を売っていて僕はそれを買う。
彼女たちに性欲があるように見えない。
性的な物事に関心があって、昼に夜にそれぞれの性生活があるように思えない。
隠している、というよりも元からなさそうな。
そんな僕は世間知らずなのだろうか。


それゆえに、向かい側の席に座って眠っているきれいな女性が
夜、どんなことをしているかを僕はいつも想像する。
素人系のアダルトビデオの中で行われているようなこと。
アメリカの有料動画サイトでジャンル別に行われているようなこと。
そういうのに関心があって、普通に毎晩試しているのか。
全く興味がなくて、淡々としているのか。
めくるめくような夜なんて、よほどの事がない限り実際にはないのだと思う。
安手のファンタジーだ。


いや、いや。あるいは。そう、そう。
吊革広告を見ると昨今の女性誌においては、
性的な行為を習熟度の段階に分けてレクチャーするような特集が
さも普通のことのように定期的に組まれている。
実際、よく売れていると聞く。
世の中は「進んでいる」のだろうか。
そこには「男を喜ばせる」とある。


交感神経の作用により、正常な性行為に対する欲求が高まる。
副交感神経の作用により、異常な性行為に対する欲求が高まる。
人は日々、バランスをとって生きている。
だとしたら、そのバランスが崩れてきているのだろうか。
ただ単に人々があけすけに語るようになっただけなのだろうか。
前者だった場合、文化とか環境とかと呼ばれるものにおける何かが
過剰になり、飽和したということなのか。


そんなこんながあって、日々新しい世代の子供たちが生まれてくる。
街で妊娠した女性が歩いているのを見かける。
一人で、あるいは配偶者と共に。
いろんな意味で、不思議な気持ちがする。
そのとき、どんなことをしたのか。
でも、それには何の関係もなく。

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「すけべな女の子」というのが実際にこの世に存在するのなら、
それはとても魅力的なことのように思う。


いったい、どこにいるんだろう?