8/14

8/14(土)


9時に起きる。寝てて暑くて1度エアコンのスイッチを入れるために起きる。
この土日もまた、映画を見て終わり。


夜顔』2006年公開なので
1908年に生まれた現役最高齢監督マノエル・ド・オリヴェイラ、98歳の作品。
言うことはないです。極上のワインってこんななんだろうか。
ほのめかされる寓意の深み。素晴らしい。
年老いた2人がパリで出会う。
過去に性的な秘密があったようだが、多くは語られない。
最後、2人が「最高級の店」で食事を取る場面がすごい。
月並みで悲しくなるけど、すごいとしか言いようがない。
その始まり方、進み方、終わり方。
なんなのだろう?
他の監督は皆、ひよっこなのだろうか?
今調べてみたらこの作品はルイス・ブニュエル監督の「昼顔」の続編なのだという。
ぞっとする。本気で怖い。
というか知らなかった僕が途方もない無知のように思えた。


月に囚われた男
デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズの初監督作品。
公開時には渋谷HMVでやたらプッシュされていたけど。
3年契約で月の裏側に1人きり派遣された男。
主演のサム・ロックウェルが1人n役をこなして頑張るのだが、ただそれだけ。
こんなこと言いたくないが、デヴィッド・ボウイの息子じゃなかったら
この作品撮れただろうか? 凡庸すぎる。


冷蔵庫の中に余っていたバナナを2本食べる。


がんばれ!ベアーズ』の後、『ナンニ・モレッティのエイプリル』
1990年代半ばのナンニ・モレッティ
イタリアでは総選挙で右派ベルルスコーニが首相となり、納得がいかない。
以来、次の総選挙の動向が気になって仕方がなく
俺以外に誰が撮る!? イタリアの今を映像に!
と息巻いて選挙のドキュメンタリーを撮り始める。
(その間、長年の夢である1950年代的なミュージカルに手を出して自滅)
硬派路線を突き進むはずが最愛の妻に初めての子供が生まれることが分かって
以後、デレデレ。息子のこと以外マジでどうでもいい。
世界は僕と妻と息子を中心にして回っている。
でも、不思議なことにこの幸せいっぱいのナンニ・モレッティ
スクーターに乗っている場面を観ているとこちらも幸せな気持ちになる。
ラストにて、これしかないとミュージカルを再開。その迸る幸福感。
「いやあ、いいもの見たなあ」と思ってしまう。
撮りたいものが撮れてそれが映画になって、喜怒哀楽が観客と共有されて。
世界一幸福なコメディ監督だと思う。
陰と陽が逆転してるけど、ローマのウディ・アレン
(『息子の部屋』は歴代のカンヌ・パルムドールの中で僕が最も好きな作品の1つ)


洗濯。西友に買い物。
帰って来て、ナポリタンを作る。
30代半ばの男性の手料理なので入れたいもの全部入れる。ケチケチしない。
ベーコンもソーセージも1パック使い切る。ピーマンと玉ねぎ。
ソースは一瓶を半分使う。
450gのパスタを土日の夜で半分ずつと茹でたらとんでもない量になる。


ワイルド・スピード
ヴィン・ディーゼルが主演のカーチェイスのシリーズ、その1作目。
素直に面白かった。
最新作がついこないだ劇場でやってて、見に行けばよかったと後悔した。
手に汗握るんだけど、14inch のテレビで見ててもしょうがない。
自分の人生の限界を感じた。


『エージェント・ゾーハン』
アダム・サンドラー主演のアクション・コメディ。この日一番面白いものを見た。
イスラエルの軍隊で超人的活躍をしてみせたゾーハンの夢は実は美容師になること。
パレスチナの強敵をかわし、ニューヨークへ密航。
エロティックな腕がバカ受けしてブルックリンで人気となる。
しかし、その地域は悪徳業者の再開発でモメモメしていて・・・
イスラエルパレスチナはいがみあう必要はない、
それはこの自由の国、アメリカではなおさら可能だ。
メッセージはどうにも薄っぺらい。
でもそんなことどうでもいいと思わせるぐらい、見てて痛快な気持ちになった。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の
パンチドランク・ラブ』にも唸ったけど、この人すげえな。
僕がニューヨークに旅行していた2008年の6月、
街では「Zohan」とだけ書かれてドライヤーを両手に飛び跳ねた
アダム・サンドラーのポスターがあちこちに貼られていて、
「これは一体何の映画だろう?」と気になっていたんですよね。
やっと見ることができた。
面白かった。とても嬉しい。


この時点で22時。もう一本観れるかと『シーズ・ソー・ラヴリー』
観終わってあれこれ文章を書いていたら午前1時。眠る。