今さらカラマーゾフ

昨晩とある方のブログに対するコメントで書いたことを引き伸ばします。
(その方はチェーホフの『かもめ』と
 シェークスピアの『ハムレット』を並べていて、なるほどと思った)


学生時代の頃『カラマーゾフの兄弟』とチェーホフの短編集を続けて読んだとき、
チェーホフだったら”カラマーゾフの兄弟”は
 50ページぐらいの短編で終わっちゃうんだろうな」
なんて感想をもったことがある。
有名な「大審問官」の章は象徴的な1枚の絵をさらっと描写して終わる感じ。
セビリアでの宗教裁判におけるキリスト。


大学院でロシア文学を専攻していたことになっているが、全然詳しくない。
日本語で出ていたものを通り一遍読んでみただけ。しかも網羅したわけでもない。
なので的外れなことを言っているかもしれないが、
チェーホフドストエフスキーは小説というものを構築するに当たって
真逆の方向に向かう。
作品をどんどん重厚にするか簡素にするかというだけでなく。
悲劇というものをどう捉えるか。その逆に喜劇というものをどう捉えるか。
永遠のドストエフスキー、一瞬のチェーホフ
(いや、逆にドストエフスキーの一瞬、チェーホフの永遠の方がしっくりくるか)


話変わるが、ドストエフスキーって舞台にならないね。
僕が知らないだけかもしれないですが。
そもそもが戯曲じゃないってのもあるけど、
カラマーゾフの兄弟』って映画よりも舞台向きのように思う。
ということで調べてみたらやはり僕が知らないだけで、
カラマーゾフの兄弟』はなんと2年前に宝塚が!?
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/09/snow_act_karamazofu/index.html
宝塚には興味がないけど、これは何がどうなっているのか是非とも見てみたい。
そうか。宝塚ぐらい大胆な装置でないと演劇化できないのかもしれない。
その他にもロシアではもちろん何度も舞台になっているようだし、
オペラにもなっているようだ。
http://myjo-movie.jugem.jp/?eid=123


映画は1968年にイワン・プィリエフという監督によるものが有名なようだ。
DVDになって売られているけど3枚組。
恐らく大真面目にそのままストーリーを映像化して見るのが大変そうな・・・
「小説以外のカラマーゾフの兄弟」という詳しいサイトを見つける。
http://www013.upp.so-net.ne.jp/hongirai-san/mitya/cinema.html


漫画にもなってた。
http://www.amazon.co.jp/dp/4344819144/
作者の及川由美という方は知らないが、
amazonのユーザーレビューだとなんだかとても評価が高い。
というか表紙のアレクセイ、イワン、ドミートリィの顔つきがいいね。
とても気になるので取り寄せてみようと思う。


もう一冊あった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4872578899/
この「漫画で読破」シリーズは『罪と罰』もあるようだ。
というか『戦争と平和』『赤と黒』『ファウスト』『リア王』など。
それどころか『般若心境』やフロイトの『精神分析入門・夢判断』まで!?
似たようなので「漫画で読む名作」シリーズってのがあって、
こちらには『罪と罰』があった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4537125683/
罪と罰』は翻案されたのが「アクション」でも連載されてたようですが、
どうなんでしょうね。
http://www.amazon.co.jp/dp/4575837105/


話が逸れてしまったままそれっきりになって
取り止めがなくなってしまいましたが、今日はこんなところで。