東京に住んで早20年弱。
そういえば紅葉ってものを全く見なくなったなと今更ながら気付く。
都心では銀杏並木の落ち葉を見かけるぐらい。
関東地方の紅葉のシーズンがいつなのか全然知らなくて、
昨日ニュースで「今が見ごろです」とやってて、ふーんそうなのかと。
そうかと言ってもじゃあってんで見に行けるような近さでもなく。
珍しく車が欲しくなって、運転したくなった。
日々東京の外から一歩も出ないで暮らしていると
山というものを目にすることがない。
そのことに気付くにもかなりの時間がかかった。
都庁だとか東京タワーだとか、展望台に上ると
どこまでも恐ろしいぐらいに平地が広がっていて
そこを無数の建物が隙間なくびっしりと埋め尽くしている。
青森に住んでいたときはどっちの方角に目をやっても山が見えたもんだ。
あるいは、海。
それならば年末年始にってことで、紅葉の時期に青森に帰ることもない。
十和田湖と奥入瀬渓流は今が見ごろだろうか。
(僕はそもそも紅葉前線ってのが
北上するものなのか南下するものなのかがまず分かってない)
何歳だったか、きっと小さいときなのだろう、
竜飛岬から津軽半島最先端部の山間の道を走っていて、紅葉が終わりかけていた。
葉の落ちた木々に覆われた寂しい山々と
杉のような葉の落ちない木々に覆われた山々とが交互に現れる。
今ふと思うに、海外にも紅葉ってあるのだろうか?
そりゃま、あるんだろうけど話題にしているのを聞いたことがないような。
そんなわけないか。北半球だとヨーロッパにもカナダにもあるだろう。
11月前後に海外旅行に出る人が少ないってことなのだ。たぶん。
カナダの自然公園で紅葉って言ったら壮観だろうな。
なんつうか日本人たるもの、身近に海と山を感じてないとダメなような気がする。
空と地面、木々と川。
自然っていう大きな括りではなく。
山を背に、海を眺める。
そんな場所に住むのが理想だと思う。