手術で入院 その1(11/21)

11/21(日)


平日通り、6時20分起き。


遂にこの日が来た。生まれて初めての入院。
35歳にしてこれまで入院なしというのは珍しいのか、そうでもないのか。


病院には10時から11時までに到着することになっている。
9時には出ようと思う。荷物は昨日のうちにボストンバッグに詰めてある。
それまでの間、編集学校の課題を1つこなす。
(入院中もあと2つ+α こなさないといけない。そんな時間と場所はあるのか)


9時を過ぎて着替えてガスの元栓をひねって、部屋を出る。快晴。
階段を下りたら大家さんに会ったので、挨拶する。
丸の内線の中ではこれまで読んでいた『ハーフ・ザ・スカイ』の続きを。
新宿で下りてサブナードの地下街を歩いて、西武新宿へ。
そのまま新大久保まで歩いていく。
先月大阪で買ったM-65ジャケットを着ている。
iPhoneは曲を次々に切り替える。


大久保。暴力団関係者と思われるガタイのいい男性が
クリーニング屋でいちゃもんをつけていた。
若者が道を聞いて、アジア系の男性が流暢な日本語で答えていた。


病院は日曜ということもあって正面玄関が開いていない。裏口から入る。
直接6階の東棟のナースセンターを訪れるように金曜に病院から留守電が入っていた。
人気のない廊下を歩き、エレベーターで上の階へ。
歩いていた看護婦の方(今は看護師と呼ぶのか)を呼び止めて書類を渡し、
内容が確認されると病室に案内される。6人部屋の真ん中が開いていた。
慌しくベッド周辺の説明を受ける。
ナースコールの位置。夜間使う読書灯。
ベッドの脇にはテレビ台兼の棚と椅子。薄いのを引き出すと机代わりになる。
大小のクローゼットが組み合わさっていて
大きいほうにコートやネルシャツ、ジーパンをかける。
出掛ける直前、ハンガーがあったらいいかもと気付いて何本か持ってきたが、不要だった。
テレビは小さいながらもハイヴィジョン。
ただし有料で、ビジネスホテルのようにカードを買う必要がある。
DVDプレーヤーもついていた。
知ってたらこの機会に観てないの何枚か持ってきたのに。残念。


皆カーテンを閉じているので僕も閉じる。
1日につき210円のレンタルのパジャマを借りて着替える。
担当の看護婦の方が来るまで、ベッドで本を読んで待つ。


今回持ってきた本はこの4冊。
軽いのだけにするつもりが、せっかくがっつり読める機会だしと結構難しいのもある。
果たしてこんなに読めるだろうか。


・ニコラス・D・クリストフ&シェリル・ウーダン
 『ハーフ・ザ・スカイ――彼女たちが世界の希望に変わるまで』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4862760864/


・ダナ・ハラウェイ、サミュエル・ディレイニー巽孝之小谷真理
 『サイボーグ・フェミニズム
 http://www.amazon.co.jp/dp/4891764465/


・『鈴木いづみコレクション〈4〉 SF集(2) 女と女の世の中』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4892570257/


・ワリス・ディリー『砂漠の女ディリー』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4794209207/


寒くて風邪を引いてこじらせることのないように、ということなのか
病室の中はなんだかとても暑く、Tシャツ1枚でも耐えられないぐらいの暑さだった。


担当の看護婦の方が現れて、
「痔の手術を受けられる方へ」という入院時の詳細なスケジュールや
その抜粋版の「入院診療計画書」というのを渡される。
今日は剃毛があったり座薬を入れたり、
明日は手術後絶対安静で排泄はベッドの上でとなっていたり。
実は結構忙しい、かつ行動を制限されることを知る。
4日間ゴロゴロできて痔の手術までしてくれるのか、こんなありがたいことはない。
なーんて甘く考えていた。
計画書には目標の欄があって、
手術日には「安全に手術が受けられ”苦痛を最小限にできる”」と書いてあった。ひー。
次の日には「痛み・排便調整ができる。傷の清潔がはかれる」
手術後はずっと患部にガーゼを当ててなきゃならないし、
そのガーゼは自分で油紙をテープで固定しなきゃならないし、
今更だけど、なんか怖くなってきた。


手術のときに患者を取り違えることのないように、
と名前とバコードの書かれたリストバンドを左手首にはめる。


そんなこんなですぐ昼食になる。
鰆の西京焼き(大根とにんじんの漬物を添えて)、
かぼちゃと挽肉の煮物、きゅうりの浅漬け、お粥、オレンジ。
箸がない。忘れられたのだろうかと思ってふと気付く。
入院のしおりに持ってくるものとして箸やスプーンとあったのは
間食用ではなくて、まさに朝昼晩正規の食事用だったのだ。
ナースステーションから一膳借りて、食べ終わって2階のコンビニに買いに行く。
ここだけがそう、ってことはないだろうけど、高い。
箸とケースとセットで買うと1000円近くする。しまった。
これなら家から余っている1セットを持ってくるんだった。


病院の中には小さなコンビニがあって、
弁当やお菓子、下着、食器や介護用品の類などを売っていた。
11月26日は駅弁を販売しますということで青森の海の幸の弁当もあった。
さすがにアルコールは売っていない。
その後気分転換を兼ねて都合3回買いに来た。
歯磨き用のコップがないことに気付いた、など。
普通にプラスチックのを買うと高いので紙コップにする。
箸も割り箸にした。どうせ捨てるんだからと。


戻ってきてしばらくしたら、主治医の方が挨拶に見える。
手術は明日の朝9時になりましたと。
え? 午後じゃないの?
明日はほぼ1日中寝たきり? 予定が狂う。